イメージと異なる曲 プリンス編

はじめに

自分は2000年生まれでプリンスが実際に活躍していたところをリアルタイムで見ることが出来なかったので、ちゃんと当時から知っている人からしてみれば少し感覚が違うかもしれないが、後追いのファンとして開き直って書いてみようと思う。
まず、プリンスの「アルバム」といえば、一般的に自身の映画のサントラである"Purple Rain"やPrince & The Revolutionと初めて明記されたアルバムである"1999"、ほとんど一人で作り上げた密室ファンクと称されることのある"Sign "O" the Times"が多く挙がると思う。
次に、プリンスの「曲」といえば、前述のアルバム収録曲に加えて全米一位を獲得した"Kiss"やバットマンの映画の曲である"Batdance"、他には"Raspberry Beret"などが挙がると思う。
ここから思うに、プリンスの一般的なイメージはキラキラとした音のシンセを使ったキャッチーなポップスや音数の少ない洗練されたファンクといった感じであろう。(もちろんそんな短い言葉でまとめられないほど癖は強かったりするが)
ここで、このようなイメージと異なったプリンスの曲を挙げてみる。


イメージと異なる曲5選

1.Crazy You

1st アルバム"For You"収録。
この曲は弾き語りのような形で歌われ、音の作りやメロディーがとにかくメロウで胸が締め付けられる。
2分17秒とかなり短い曲ではあるがプリンスの中でかなり上位に好きな曲で、正直これを紹介したいが為にこの記事を書き始めたといっても過言ではない。
プリンスの曲があまり好きじゃない、苦手だという人にこそ聴いてほしい!(短いからせめてこの曲だけでも…)

2.The Truth

アルバム"The Truth”に収録されたタイトル曲。
この曲に限らず、本アルバムはアコギを主体とした曲が多く収録されていてプリンスのギターを堪能できる。
それでも他のもの比べて、この曲はブルージーなフレーズが多く出てくるプリンス流ブルースといった感じ。
ちなみに、"The Truth"の収録曲だと"One of Your Tears"も好きなので興味があったら聴いてもらいたい(プリンスのファルセットバラードは本当に絶品…)

3.Le Grind

一度リリース直前に急遽発売中止にしたアルバム"Black Album"収録。
この曲は、ドロドロとしたグルーヴィーなフレーズが繰り返される骨太なファンクで、プリンスの曲の中でも上位に黒さを感じる。
プリンスに濃いファンクを求めている人におすすめ。
リリースの際に色々と複雑な事情があったことが影響しているのかアルバムはサブスク未解禁。
ちなみに、この次のアルバムのLovesexyでは手に取ることすら躊躇してしまうようなジャケットに、「アルバムは全曲通して一つの作品だ!」という考えのもと9曲を全部繋げて45分で一曲扱いにしているから本当に作品に対するこだわりの強さを感じる。(めんどくささすら感じる

4.She Spoke 2 Me (Extended Remix)

アルバム"The Vault: Old Friends 4 Sale"収録。
ジャジーでじわじわと温まるスタイリッシュなグルーヴが聴いてて心地良い曲。
(Extended Remix)と書いているだけあって8分越えの長尺曲。
プリンスの曲の間奏のジャズギターも聴きごたえあり。

5. Eye Hate U

アルバム"Gold Experience"収録。
この曲は、自分が大好物であるファルセットバラードでさらにその中でも一番好きである。個人的にプリンスの曲は日本人に馴染むようなメロディがあまり多くないように感じるが、これはメロディがしっかりとしていて分かりやすく聴き馴染みが良いので選出した。(完全に自分の感覚ではあるが)
特に注目したいのは、最後のギターソロ。
このギターソロでは別れた相手に対する感情が自分ではコントロールできずに暴走しているような激しさがあり、胸が締め付けられるような切なさがある。

最後に

今回はかなり主観的な記事になってしまったが、聴いて欲しい曲は取り敢えず紹介できたのでよかった。
実は、最初にプリンスを聴き始めた理由は、自分の好きなアーティスト(スガシカオ、岡村靖幸、Original Love…etc)がインタビューなどで影響受けたアーティストとしてあげているのを見たからであって、曲に惹かれてというものではない。(ファンクにハマっていたという理由もある)
しかし、しばらくプリンスを聴いていても正直あまりピンと来なかった。
Eye Hate Uの記事でもいったようにあまりメロディが耳に馴染まなかったり、ファンクにしては黒さが足りなかったりといった具合に。
でも自分はそこで諦めずに多くの曲を聴き続けた結果、耳に馴染むようになり好きになることが出来たが、このようにあまりピンとこない人は少なからずいると思う。
そんな人にこのようにイメージと少し違った側面の曲を知ってもらうことで前より少しでも好きになってもらいたくてこの記事を書いた。
プリンスは多作家で有名で、自分も正直まだまだ聴けていないアルバムは全然あるし(そんな状態で記事書くなや)、まだ知らない変わった作風のもの(NEWSというギターソロアルバムや、ジャズ色の強いRainbow Childrenなどもある)も他にたくさんあると思うので自分もこれから聴いてみたいし、これを読んで少しでも興味が出たなら色々な作品を是非聴いてみて欲しい。

#プリンス #Prince #音楽 #音楽レビュー  


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