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上野動物園への贈り物

昭和9年3月、ジョホールのサルタンよりマレーグマとシマハイエナ各1頭が、上野動物園へ贈られました。上野動物園百年史によれば、マレーグマは初来園だったそうです。

昭和9年3月、サルタンイブラヒムは伏見丸でアメリカへ向かう途中、約二週間を日本で過ごされています。シンガポールでのお見送りぶりはたいそうなもので、船のメインマストには月と星のジョホール王国の旗が翻っていたそうです。この時に天皇陛下より旭日大綬章を授与されていますので、マレーグマとシマハイエナはその時の贈り物でしょう。目白の徳川義親侯爵邸を訪問されたり、甲子園ホテルに宿泊された記録も残っているので、東に西にとご滞在されたようです。

マレーグマ(名前不明)は、天王寺動物園への疎開計画もあったものの実現せず、ゾウのトンキーやワンリーと同じ戦時猛獣処分の対象となりました。昭和18年8月27日に薬殺され、亡骸は剥製になり展示されていたそうです。なおマレーグマよりもっと猛獣っぽいシマハイエナの名前は、処分動物一覧にはありませんでしたので、もしかするとそれ以前に死亡していたのかもしれませんね。

二度目の贈り物は昭和17年。上野動物園のHPによれば「南方軍を経由して、ジョホールのサルタンよりニルガイ、ヒクイドリ、シマウマなどが到着」とあります。ニルガイとは何ぞや?と思い、ウィキから写真を拝借してきたのですが。見た目は太った牛ですね。ボルネオ牛(バンテン)ぽいかも。








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