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慕情の人

ジェニファー・ジョーンズとウィリアム・ホールデンの香港を舞台にした有名な映画「慕情」。作者の韓素音(ハン スーイン)はJBに10年ほど住んでいたことがあります。

彼女の本名はエリザベス・周光湖(チョウ カングー)。父親が客家。母親がフランドル系ベルギー人。河南省に生まれ、北京の燕京大学へ進学後、英国で医学を学んで香港で医師になりました。客家語、北京語はもちろん、広東語、英語、フランス語も話せたそうです。

1952年に結婚したLeon F. Comberがマラヤ駐在の英国人だったので、彼女は夫についてジョホールバルへ来ました。Dr. Elizabeth C.K. Comberは、サルタナ・アミナ病院に勤務した後、最初はキャセイ映画館の近くにクリニック・チョウを開業。その後はJalan Ibrahimにあったユニバーサル薬局の上に移転しました。

美しいユーラシアンのドクターにはたくさんの崇拝者がいたようで、Jalan Inderaputeraのバンガローに住んでいたとか、フィアットを運転していた、時々ジョホールホテルでディナーをしていた、という話が伝わっています。

彼女がマラヤ滞在中に書いた「And The Rain My Drink」という、独立前の非常事態(マラヤ共産党との戦い)時代の話があります。なんと冒頭から「サルタンの動物園」が登場。戦争が終わってからまだ数年の混乱しているジョホールバルの様子が語られていて、興味深いです。

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