見出し画像

人生は過ぎ行く②(フラメンコ日記)

本職は踊り手です。
が、なりゆきで、歌う方をおさらいすることにしたので、残しておく。
Sevillanasを少し。ほかの曲へも行くかはまたなりゆき次第。

その道の方からの異論反論ご指摘、喜んで承ります。ご指導くださいませ。

「Sevillanas『Pasa la vida』を、歌おう♪」

Sevillanas(セビジャーナス)を、前回ではちょい小うるさく解説しました。
あれは教養みたいなもんです。知ってた方が楽しい。
が、知らなくても、とにかく一曲歌うことから入っちゃうという手があります。というか私もそうでした❤

ということで、早速。「Pasa la vida」というSevillanasがあります。
これを歌えるようになってみるぞ。



Pasa la vida(明るい曲調の人気ナンバー)

スペイン本国ではわかりませんが、日本ではかなり人気があって。聴くチャンスが多い曲。私も学生フラメンコ時代によく聴いて踊って、覚えました。

大らかな明るい長調。気分よく歌えます。ちょっと歌詞は詰め込み気味だけど、それはそれで歌った時の達成感に。

てことで、これを歌えるようになっちゃいましょう。


歌詞(&勝手な日本語訳)

さて、まず歌詞。
実は、明るい曲調からみるとビックリするくらい、悲観的なような、諸行無常感のある、一歩引いた視線の歌詞。
「哲学的」と表現しているのをどこかで見かけたな。そうかも。

歌は、
Aメロ+Bメロ+サビ(Estribillo)でできています。
これが1番~4番で1セット、がSevillanasの流儀。
では行ってみよ。

*******

Pasa la vida
Y no has notado que has vivido cuando pasa la vida
Tus ilusiones y tus bellos sueños, todo se olvida
(Estribillo)

人生は過ぎゆく
気づかぬうちに、人生は過ぎ去っていく
君の美しい夢も空想も、全部忘れ去られていく

Pasa el cariño
Juramos un amor eterno y luego pasa el cariño
Y apenas comprendemos que hubo un tiempo
Que nos quisimos
(Estribillo)

愛は過ぎ行く
永遠の愛を誓ったことも後には過ぎ去り
ひと時にはお互い愛し合ったことも、ほとんど理解しないまま

Pasa la gloria
Nos ciega la soberbia, pero un día pasa la gloria
Y ves que de tu obra ya no queda ni la memoria
(Estribillo)

栄光は過ぎ行く
傲慢に目がくらむこともあるが
君の成した仕事など記憶にさえも残らないと知るだろう

Pasan los años
Se va la juventud calladamente, pasan los años
Pasa la vida con su triste carga de desengaños
(Estribillo)

年月は過ぎ行く
青春時代は静かに過ぎ去ってゆき、
人生は失望という悲しい重荷と共に歩んでいく

※Estribillo
Pasa la vida(el cariño/La gloria/los años)  igual que pasa la corriente
Del río cuando busca el mar
Y yo camino indiferente
Allí donde me quieran llevar

人生を生きるのは、海へ向かう川の流れのようなもの
私も連れてゆかれるがままに歩いて行こう

(勝手な日本語訳❤)

*******


スペイン語の歌の覚え方

あくまで私の自己流ですが、一例、歌えるようになるには、こんな手順があります。

1)カタカナを追いながら曲を聴いて、耳がついていけるように。
2)スペイン語の方を追いながら、耳がついていけるように。
3)スペイン語(カタカナ併記でOK)を、口に出してみる。口の動きに慣れてみるつもりで。
4)曲と一緒に声を出してみる。
5)曲と同じペースで、歌ってみる。(だんだん、できる気がしてくる❤)
6)ひとりで、歌ってみる❤

スペイン語は、日本人には聞き取りやすい、ほうだと思います。
何故なら母音が「あいうえお」の5音、ほぼ同じ(厳密なのはちょっと横に。今は軽くいこう)だから、ローマ字読みでいける。
いくつかイレギュラーを踏まえれば、発音は楽ちんです。

イレギュラーとは;
「子音に知ってるローマ字と違うのが、いくつか」→1曲に片手に入る程度
「アンダルシアなまりの特徴※が、いくつか」→最初っからその音で覚えちゃえばOK

ほーら、簡単な気がするでしょ?

※余談:アンダルシアなまりの発音。
これ、個人的にはとても大切にしています。
例えば日本語なら、大阪弁の歌を、標準語で歌われたら、どう思う?
「おら東京さいくだ」を標準語に変換して歌ってきたら、どう思う?
もちろん、アンダルシアでない歌は、なまる方が却って変なので、どこの歌をどこの地方出身の人間のつもりで歌うか、次第だけども。
Sevillanasは、Sevillaの歌だから、バリバリのアンダルシアです。


カタカナにしていくぅ

てことで、1番+Estribilloをカタカナ化してみるぞー!
今回は、歌が繰り返す部分もそのまま繰り返し。曲を聴きながらそのまま読み流せるように。

*******
Pasa la vida, Pasa la vida
パサラビーダ、パサラビーダ

Pasa la vida, 
パサラビーダ、
Y no has notado que has vivido cuando pasa la vida
イ ノアノターオケア ビビード クアンド パサラビーダ
Y no has notado que has vivido cuando pasa la vida
イ ノアノターオケア ビビード クアンド パサラビーダ

Pasa la vida, 
パサラビーダ、
Tus ilusiones y tus bellos sueños, todo se olvida
tゥイルシオーネ イ tゥベージョスウェニョ トドセオルビーダ
Tus ilusiones y tus bellos sueños, todo se olvida
tゥイルシオーネ イ tゥベージョスウェニョ トドセオルビーダ

Pasa la vida igual que pasa la corriente
パサラビーダ イグアルケパサラーコリーエンテ
Del río cuando busca el mar
デェリオクアンド ブッカルマー
Y yo camino indiferente
イジョカミノイn ディフェレンテ
Allí donde (que)me quieran llevar
ァージドンデ (ケ)メ キエランジェバ

*******


発音のちょいポイント。(例外はとりあえず横に置き)

スペイン語のアクセント
「強く言う」より、「長く押すように言う」方が、雰囲気が合うと思ってます。ので、「ー(長音)」で表現。
で、そのアクセント部分に、セビジャーナスのアクセントを合わせてくることが多い。
1,4,5のアクセントと、「ー」を合わせる部分を見つけると、歌いやすい。


フラメンコとは、耳コピが正義だ

さて。フラメンコとは、さすらいの流浪の民、ジプシー/ロマ/ヒターナたちの音楽だと、お伝えしました。
流浪の民には、都会人のような教育や教養はあったでしょうか。
ありませんね。彼らには彼らの習わしと知識と信仰があった。けれど、例えば楽譜の概念は存在しなかった。

…何が言いたいかというと、フラメンコの歌の節回しは、楽譜では伝わってきていません。
すべて、口伝え、耳コピ!
歌は、先人の歌を聴いて、耳で覚えるのだ!

ということで、楽譜などない!Vamos a escuchar!(聴くぞー!)

いくつか、音源を拾ってきました。
どれでもよいです。好きな雰囲気のを選んで、上述のように、耳で聴いて、一緒に歌いながら、覚えていきまーす。


※本当は、近年の先輩方の尽力により、たぶん、どこかに音起こししたネタはあると思います。主にギタリストの方で。ギターをはじめフラメンコに音を添える楽器は近年になってからの歴史、楽譜・コードが存在します。
が、私は、耳コピのみでやってきたので、楽譜は探しに行きません(笑)。

私流でよい方は、上述の1~6の手順で、やってみてください。5→6が、実は結構、繰り返しが必要だと思います。
何事も経験値。
なんなら一度できる気になってギターと歌ってみて失敗、を繰り返して、少しずつ歌いやすくなっていけばよい。

この歌、来月からお友達に教える約束なので、私も同じようにやってみます。
というかその準備のための記事でございました。お付き合い有難うございました❤

お互い、楽しく上達できますように!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?