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出会いと別れ【『汝、星のごとく』から】

出会うということ

桜の彩りもくしゃみの数もすべてが春の訪れを知らせていますね。
春は出会いの季節、なんて言ったりもしますけれど
私にとってこの春は出会いよりも別れのほうが多いような...

出会いと別れは紙一重のように思えて仕方がありません。
出会いの数だけ別れがある、だなんて歌詞でもよく聞きますし、
本当に本当にその通りで。
個人的な話にはなってしまいますが、この春、五年以上お付き合いをしていた方とお別れをしました。
そんなこんなでいろんな曲を聴いたりして、こういった思考になるわけです。

この本はそんな別れを決意する前に読んだものです。
この本に背中を押された、ではないですが
運命なら必ずまたつながることがあると思えました。

今回の本

今回は、「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2023年本屋大賞」で見事、大賞に選ばれた『汝、星のごとく』です。


『汝、星のごとく』(凪良ゆう/講談社)

毎年、本屋大賞の本は二冊以上必ず読んでいるのですが、自分の中で決めるということもできずにいます。
しかし、今回は何があっても個人的大賞はこれ!と決めていました笑

初めから終わりまで心をかき乱されました。
等身大のようでありながら、少し異世界のような気もする不思議な登場人物
暁海と櫂、北原先生。
愛する人のために道を踏み外す、だなんてきれいごとみたいだと
思ったりもしていました。
自分の人生をかっこよく生きるほうが泥臭くて人間らしいという考え方のほうがもしかしたらきれいごとなのかもしれません。

私たちは食欲と睡眠欲と性欲にまみれています。
絶対に一人で生きてはいけないのです。
同時に人の生き方に介入できないのです。
つまり、互いを思い合って推測して面倒臭いやり取りをすることでいきているのです。
自分が酸素を得るためには、光合成をする植物が必要で、そのためには自分以外の誰かがはいた二酸化炭素が必要です。

この本はそんな話だったように思います。
生きていくって実はとても自由でとっても不自由。
きれいな人間なんて存在しないのかもしれません。

今日はこの辺で。
おやすみなさいませ。

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