サワディカー、ゾウの村の住人です！
先日、高校生向けにゾウの村での私の研究と実践についてお話しをさせて頂く機会がありました。その中で、私の調査地であるタイ東北部スリン県・ブリラム県に暮らす、まさにいま困難な状況にある失業ゾウやそのゾウ使いたちのために何が出来るのかを高校生と一緒に考えました。
今日はその内容の一部をみなさんと共有したいと思います。

失業ゾウとはどのようなゾウなのかは、以下の記事で紹介しています。

なぜ失業ゾウを支援しなければならないのか？

アジアゾウは、IUCN（国際自然保護連合）のレッドリストにおいて、絶滅危惧種として指定されています。タイでも野生ゾウ・飼育ゾウともに人口減少が生じていましたが、近年は増加傾向にあると見られています。

なお、タイでは野生ゾウの捕獲及び飼育は禁止されており、現在人とともに暮らしているゾウたちのほとんどは村で生まれ育ったゾウたちです。こうしたゾウたちは、年齢に応じた訓練を通じて、人間の子どもが言語や規範を身につけるように、ゾウ使いとのコミュニケーションの取り方やして良いことと悪いことを学んでいきます。

飼育ゾウに対しては、絶滅危惧種であるアジアゾウを保護するために野生にかえすべきだという声をよく聞きます。
ですが、実際のところ、タイでは年々森林面積が減少していることから、食糧の足りない野生ゾウが人里に出てきて畑や米倉を荒らす様子が度々ニュースで報道されています。このことからわかるように、飼育ゾウを野生に戻すとしても十分な広さの森林地帯がないという問題があります。したがって、タイの飼育ゾウを野生にかえすことは絶滅危惧種であるアジアゾウを保護するための現実的な手段にはなり得ないと言うことが出来ます。

こうした現在の状況を見てみると、絶滅危惧種であるゾウの生を守るためには、飼育ゾウをいかに野生に戻すのかということよりも、いまこの状況下で、人とゾウがいかにより良く生きることが出来るかを考える必要があることがわかります。

もし、いま、失業ゾウを含めた困難な状況にある飼育ゾウたちと、そのゾウと暮らす人たちに手を差し伸べることが出来なければ、人とゾウが何世代にも渡ってともに生きる中で織りなしてきた関係性が崩れ、人間よりも身体が大きく、多くの食糧を必要とするゾウたちが死の危機に瀕する可能性があります。
そのような事態に陥らないためにも、特に困難な状況にある失業ゾウたちへの支援が必要とされています。

では、支援とは言っても、日本人である私たちには何が出来るのでしょうか？

1. 失業ゾウとゾウ使いたちの配信する動画を見る

私たちのnote、「ゾウの村の住人」でも紹介しているように、失業ゾウのゾウ使いたちの多くは、ソーシャルメディアを利用してゾウの食費などゾウの飼育にかかる費用を確保しようとしています。

そのため、失業ゾウたちのYouTube動画を私たちが見て、動画の再生回数や広告の視聴回数を増やすことが彼らの収益につながります。
失業ゾウたちのYouTubeチャンネルやFacebookページは「スリン・ブリラムの失業ゾウ紹介」という記事で紹介しています。記事は、以下のマガジンにまとめています。

動画一回の再生による収益はとても小さなものですが、「塵も積もれば山となる」です！動画視聴という隙間時間で出来ることを通じて、彼らの応援をはじめてみるのはいかがでしょうか？

失業ゾウのサラウィンとリサのYouTubeチャンネルでは、私のタイ研究の先輩Oka先生が村に来た際に行われたライブ配信のクリップが動画としてアップされています。サラウィンの背に乗るOka先生の勇姿をぜひご覧ください！
失業ゾウたちのチャンネルでは、失業ゾウの様子だけではなく、Oka先生のゾウ乗り体験のように様々な動画が公開されているので、面白い動画探しをしてみるのも楽しいかもしれません。

2. ライブ配信で投げ銭を送る

YouTubeの動画配信のみならず、多くの失業ゾウのゾウ使いたちはYouTube、Facebook、TikTokなどを通じてライブ配信を行っています。
ライブ配信では、投げ銭、スター、ギフトといった機能によって、直接支援を行うことも出来ます。

例えばこの↓我が家のゾウのFacebookページで行われているライブ配信では、視聴者がスターを贈る機能がオンになっています。画面下のスターマークをクリックすると、スターを購入して贈ることが出来ます！

ライブ配信では、ゾウ使いたちがコメント欄をチェックしている場合が多いので、タイ語がわかる方はゾウ使いに質問をしたり、応援メッセージを送ることもできます！ゾウ使いによっては英語での対応が可能な場合もあります。
スターが贈れなくても、コメント欄でライブ配信を盛り上げることが応援になるかもしれませんね。

3. オンライン果物販売で果物を購入する

ライブ配信では、ゾウ使いの家族が果物を販売していることがあります。直接スリン県やブリラム県まで足を運ばなくても、ゾウ使いの口座等に送金することでゾウにおやつをあげることが出来ます！

海外送金はWiseなどの送金サービスを使えば、比較的簡単に日本からタイに送金できます。

また、送金をしなくてもスターや投げ銭機能で果物を購入出来る場合もあります。

こちら↓は、JTBタイランドとスリン県観光推進協会が募った支援金でゾウ舎を建てたクリームのオンライン果物販売の様子です。

ここでは、バナナが一房50バーツ、果物3カゴで100バーツ、20カゴが500バーツで販売されています。
購入した果物は、その場でゾウ使いや家族がゾウに与えてくれます！

ちなみに、我が家のオンライン果物販売はこんな感じ↓です。

ゾウたちにとって果物は「おやつ」であり、食べすぎると腹痛等の体調不良の原因になります。なので、我が家では、お友達ゾウたちも招待して1週間から2週間に一回のペースでオンライン果物販売を行っています。

ちなみに、果物のカゴをまとめ買いをすると、ゾウとゾウ使いもライブ配信を早めに切り上げて一日の疲れを取ることが出来るので、彼らのサポートにつながります。

4. noteのサポート機能を使ってサポートを送る

noteでは記事の下に「🎁気に入ったらサポート」というボタンがあります。こちらから失業ゾウ支援のための支援金を送ることも可能です。

サポートを経由して頂いた支援金は、現地の失業ゾウ実態調査・支援チームで適切な支援内容を検討・決定し、失業ゾウの中でも特に困難な状況にあるゾウを支援するために用います。

私たちは失業ゾウの実態調査をする中で、ゾウ使いが高齢であったり、恒常的に貧したためにスマホを所持していないなどの理由で、ソーシャルメディアを使用できず、支援へのアクセスがない失業ゾウたちがいることを知りました。このようなゾウ使いのほとんどは、ゾウの食糧を購入するために、自分や家族の食費・生活費を削って現状を耐え忍んでいます。

失業ゾウ調査・支援チームに対して送っていただいた支援金は、こうしたゾウとゾウ使いに対する支援に使わせて頂きます。そして、支援内容や経費についてはこのnoteで報告します。

なお、noteを通じたサポートの場合、100円から10,000円までの支援が可能です。サポートの金額から決済手数料5〜10％が引かれ、そこからさらにプラットホーム利用料10％（それに加え引き出しの際に270円と海外送金手数料が実際にはかかります）が引かれた金額が私たち失業ゾウ調査・支援チームに届きます。

サポート機能を使えば、少額から簡単に困難な状況にある失業ゾウたちを応援することができるので、ぜひご検討ください！

5. 支援金を失業ゾウ調査・支援チームに直接送る

失業ゾウ実態調査・支援チームではnoteのサポート可能額（10,000円）を超える支援金については、直接送金も受け付けております。

支援金のご協力を頂ける方は、まずはこの↓フォームへのご入力をお願いいたします。

後日、フォームにご入力頂いたメールアドレスもしくは住所に失業ゾウ実態調査・支援チームよりご連絡差し上げます。

ちなみに、こちらのフォームよりご支援頂いた方のうち希望される方には、以下のささやかなお礼をご用意しております！

1. お名前（ペンネーム可）をこのnoteで紹介させて頂きます。

2. メッセージをこのnoteに掲載することが出来ます。

学校や部活、サークルなど、グループからの支援金も受け付けておりますので、ぜひご検討をお願いいたします！

最後に…

ここまで、失業ゾウたちを支援するために私たちが出来ることを紹介してきました。この記事を読んで、出来ることをしてみようと思って頂けた方がいらっしゃいましたら幸いです！

また、最近の失業ゾウの状況ともう少し詳しい支援の内容については、以下の記事にもアップしています。※2023/03/09追記

なお、一人一人が出来ることを考えて、実践に移していくためには、知識や情報が必要になります。そこで、ゾウの村での暮らしや、失業ゾウの現状を伝える活動も積極的に行っています。SDGsを絡めた講演等の対応も可能なので、もし依頼がありましたら以下のフォームよりお知らせください。

私は昨年からのフィールド調査の中で、コロナ禍で十分な収入や食糧がないために健康を害したり、残念ながら助からなかったゾウやゾウ使いたちを見てきました。そのような状況に陥るゾウやゾウ使いがこれ以上増えないことを心の底から願っています。
どうか出来ることから失業ゾウとゾウ使いたちの応援・ご支援を頂ければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします！