見出し画像

英国屋敷の二通の遺書/R・V・ラーム

英国人が建築し、代々の主が非業の死を遂げたグレイブルック荘。数々の事件を解決した元警官のアスレヤは、財産家の主バスカーに請われて屋敷を訪れた。バスカーは何者かに命を狙われ、二通の遺書を書いていた。自分の死が不自然か否かによって、内容の違うどちらかが効力を持つ。それが一族や隣人たちの心をざわめかせるなか、ついに敷地内の礼拝堂で殺人が! だがアスレヤをさらに困惑させる事態が発生し……。

インドの霧深い谷に建つ呪われた屋敷。
命を狙われた財産家が用意した二通の遺書。
パーティの夜、ついに惨劇が。
英国ミステリの香気漂う犯人当て!

相関図

【感想】
北欧ミステリーもだいぶ読んで,少々あの暗さに疲れてきたので,目先を変えてインドの推理小説を読んでみた。
山奥の屋敷,遺産相続問題,パーティーに集まった親族,13人のメンバー,探偵とタイトル通り英国屋敷の推理小説。飛び抜けたトリックはないものの,オーソドックスな探偵の調査,推理はポアロチックだ。教会の祭壇の前が殺人現場だったり,小道具の車椅子がうまく絡めてあったり,正当派の推理となっている。まぁ,あとからそんな事実が,というのが出てきて気になるところだが,なかなかいいと思う。クリスティが好きな人は合うかも。
もうちょっとインド風味があるとよいのだが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?