安定の逆襲――なぜサブスクリプション型ビジネスが全盛となったのか?

こんにちは、土井英司です。

先日、「ビジネスブックマラソン」で、Zuoraの創業者、ティエン・ツォ氏の書籍を紹介しました。
Zuoraは、サブスクリプション・モデルを推進するSaaSプロバイダです。

『サブスクリプション』
ティエン・ツォ、ゲイブ・ワイザート・著
桑野順一郎・監訳 御立英史・訳 ダイヤモンド社

本書のなかで、なぜサブスクリプション型のサービスが選ばれるようになったのかが書かれていて、そこから自分なりに、気づきが得られました。

要するに、月額課金のサブスクリプション型サービスが選ばれているのは、今の若者たちが未来を見通せないから。雇用不安があり、将来の見通しが立たないのに、所有することはリスクを伴うからです。(もちろん、所有することのムダが議論されるようになったこともあると思います)

土井が思ったのは、これって「安定の逆襲」じゃないか。

大メーカーの正社員が、リスクを非正規雇用の人々に押しつけて、自分たちだけ安定を獲得しようとしたら、非正規雇用の人々がサブスクリプション型のサービスを選択するようになって、製造販売ビジネスが不安定になってしまった。そういうことではないかと思います。

リーマンショックの時も、エリートはリスクを他人に押しつけようとして、結局自分たちがしっぺ返しを喰らいましたが、あれと似たような話ですね。
(もちろん、本当にエリートはなんだかんだ言って逃げ切ったわけですが)

とはいえ、もう既に賽は投げられた。

これからは、本書に書かれているように、サブスクリプション型に移行できた企業が勝つのだと思います。

この本、表紙は地味ですが、絶対に読んでおいた方がいいですよ。

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