その正体は…

その日は、いつもよりはやめに病院に到着。
受付をすませて、放射線検査受付へ回る。イスに座ってしばらく待っていると、CT室から呼ばれた。

その日は金属のはいっている衣服を着ておらず、そのままでいいといわれたので、わたしは靴をぬいで寝台にあがり、横になった。

技師さんはとなりの撮影室に移動。
ドアが閉まる音に続き、マイクをとおして「はじめます」という声が聞こえた。
そうして、寝台がグイーンとすこしずつ高くなっていき、あの白いドーナツおばけに入っていく。

そのとき、機械の動きが止まり、技師さんが撮影室から出てきて、私にこうたずねた。
「あのー、背中にチャックみたいなものが写ってるんですが…」


★☆★[ 仮想世界では ]★☆★
うゎあ!
正体がバレてしまったか!
うっかりしてた!
あれほど背中のチャックには気をつけろと言われていたのに!
バレてしまっては仕方がない。
わたしの不注意で申し訳ないと思いつつも、目から出したビームで技師さんの記憶を消去。
背中のチャックもCTには映らない形態に変化させ、そうしてなにもなかったように最初からのやりとりをもう一度行い、無事にCT撮影を完了した。
CTの結果は異常なしでした。


★☆★[ 現実世界では ]★☆★
あー!
使わないから忘れてた!
このワンピース背中にチャックあるんじゃん!
ワンピースを脱いで、撮影開始。
無事にCT撮影を完了した。
CTの結果は異常なしでした。

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