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なんか大丈夫な気がしてきた

昨日、感傷的になるほど気持ち込めて編集した原稿を公開し、少し精神的に落ち着いてきたので、頭の中だけでも好きな場所に行こうと思い、中西多香さんの「香港特別藝術区」を引っ張り出してきた。

ページをめくるたび、佐敦の足つぼマッサージ屋のおじさんの顔や、太子の蝦餃、尖沙咀の喧騒が頭に浮かんでくる。

香港の友人たちと肩を組んでビール片手に歩く時間が恋しい。別れが辛くて泣けば「じゃあ明後日帰ろ」と笑って抱きしめてくれたことあの夜も、全部私の糧になっている。

「結局感傷的になるのな」と笑っていたら、中西さんの前文に目が止まった。

「中国返還の狂乱と不安を経験したことによって、香港人であることのアイデンティティをごく自然に身につけ、自分たちのオリジナリティを追求してきた若い世代に広がるサブカルチャー近辺にある」

1997年に中国返還、2003年にはSARS、2004年には7.1大遊行。日本も日本で3.11とか色々あったけど、コロナごときで嘆いていてはだめだなあと、少し力が湧いてきた。

きっとこれからもっと東京は面白くなるのかもしれない。平成から令和になって、2020という奇妙な数字が並ぶ年になって、コロナがやってきた。始まったものは必ず終わる。

「終わりはいつも別の始まりの予兆を孕んでる」

芍薬の蕾は無事に咲き、幸運にも私は発症せずに今日を迎えられた。すこぶるラッキーだね。はやくみんなに会いたいよ。

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