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芍薬が咲くまで生きようと思います。

緊急事態宣言が出て10日ほど経ったのでしょうか。昨日、対象地域が7都道府県から全国に拡大されました。娘と自宅に篭るようになってもうすぐ25日目を迎えます。

ここ数日、友人に会えない寂しさ、自分含め家族の誰かが感染するんじゃないかという不安、子どもを感染させないようにというプレッシャーと戦い続ける日々で精神的に疲れてきたのが、素直な気持ち。

去年から計画していた友人との「自分たちを目一杯甘やかす旅」もキャンセルになって、完全にホープレスな状態になっています。

福永武彦の「草の花」。微かな命、生きることへの切望、人生とは何か…サナトリアム文学は私の心に喝を入れてくれる教科書のようなもので、久しぶりに引っ張り出して、心の中で消えゆく「希望」に燃料を注ぐかのごとく一文一文大切に読んでいます。

今朝、気分転換に花を買いに行きました。本当はひまわりが欲しかったのだけど、売ってはいなかったのでひまわりのような色合いのガーベラをメインに芍薬の蕾を添えて買いました。

最後に、会いたいなと頭に浮かぶ人たちを私は心底愛しているんだなと、気づかせてくれた一文を。みんな元気で生きてね。

「わたくしはあの方を愛していればいるほど、本当の愛はかえってあの人から離れることにあるのだと考えました。この気持ちは苦しゅうございました」

麻の着物をもらって夏まで生きようと思った太宰の如く、私も芍薬の蕾に縋って生きてゆくよ。

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