見出し画像

🌸読書の春Ⅱ


大学の友人たちとの会話していたときふと子育てが話題になった。

「フランスってなんで出生率高いんだろうね」
「やっぱフランスって愛の国だからじゃない?」

答えた彼女は冗談めいた口調だったが、私も含めてその場にいた全員が少し納得したように感じた。

フィンランド留学で子育てをする日本人女性たちの声を聞いてから「子育て」「女性のキャリア形成」に対する関心が高まっていたところ、出会った一冊。タイトルは「産める国フランスの子育て事情 出生率はなぜ高いのか」。

産める国フランスの子育て事情 出生率はなぜ高いのか

私はキャリア形成をしながら子育てにもたっぷり時間を使いたいという理想があるのだが、
私が幼少期に見てきた母親の姿を思い出すと、自分の理想は日本社会の現実とはかけ離れているように感じてきた。

この理想と現実のギャップは何なのか。
筆者は「日本社会に根付く母子ベッタリの子育て観」、「脱神聖化しきれない母親観」、「三歳児神話」を指摘した上で、フランスの子育ての実情を紹介する。

フランスで子育てがしやすいのは単に教育制度や福祉制度によるものだけではなかった。

育児・家事をする男性、
新生児の時から子供の自立を重視し、
母親と子供が常に密着することを嫌う子育て観、
女性の自己実現を当然と考える社会風土。

フランスは子育てのユートピアではないけれど、フランス独特の子育て文化には日本が見習う部分がいくつもあった。

そして特に印象的だったのはこれ。

P33. ミュリエルの1週間

あるフランス人女性の1週間だ。

驚くべきことに、フランス女性の1週間は「ワーク」「ライフ」どちらかに偏っているわけではなく、
「自分のキャリア形成の時間」、
「子供と触れ合う時間」に加えて、
「自分のリフレッシュの時間」、おまけに「パートナーと愛を育む時間」まである!

母親として、そして女性として、人生を楽しむパリジェンヌへの憧れは募るばかりだ。

アウトソーシングや一時託児所の利用を全く躊躇せず、母子離れのワンステップとして捉える。また、女性は、母親でありながらも、いち女性としての生き方が尊ばれる。制度の充実だけではなく、意識の違いが大きいのだろう。

ちなみに「やっぱフランスって愛の国だからじゃない?」については、本著の中でもフランス人カップルの性生活の充実は指摘されていたからあながち間違いではなかった。
でもこの本読んでなかったらそんなことしか言えなかっただろうな。ちゃんと読んでよかった。

次は留学先イギリスの子育て事情の本を読むぞ〜〜📖

参考文献
牧陽子.(2008).「産める国フランスの子育て事情 ー出生率はなぜ高いのか」.株式会社 明石書店.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?