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♯今私にできること 野生動物保全の仕事をする立場から

こんにちは、認定NPOエバーラスティング・ネイチャーの " I "です。
私の仕事は、ウミガメ保全です。日本国内やインドネシアを中心に活動しています。
新型コロナの影響で状況が変わったこと、皆さんも色々あると思います。私の場合、今一番大きな問題は、①”日本-インドネシア間の渡航ができない”ことです。これにより助成事業が実施できず、優先度の高い重要な活動が滞っています。インドネシア国内においても現地スタッフ(インドネシア国民)含め、街から活動する島々までの渡航がままならない状況で、島の常駐スタッフによる卵の保護・監視はおこなわれていますが(卵の違法盗掘があり、守る仕事)、必要なデータを取ることもできません。つまり保全成果の確認や、保全に必要な生態解明、やっと実現にこじつけたDNA分析も遂行できません。資金不足により現地の雇用システムも軌道修正し、現地スタッフのやる気の喪失も懸念され、今後インドネシアでの活動がどうなるのか読めない状況が続いています。 ②もう一つの大きな問題は世界中の多くの方が同様の問題を抱えているとは思いますが、資金の問題です。小笠原が活動地の一つなのですが、島への行き来ができない期間があり、2020年11末現在も定期船者数の人数制限や大型客船の多くはキャンセルされています。物販や啓発プログラムでの収入が大きく落ち混むなど、組織全体的に収益(=保全活動資金)が上がらない状況であるという問題が大きいです。

★コロナ禍においてできる事を考えてみた
結論ですが、私がどうあがいてもこの状況をどうこうすることはできないので、今この環境で自分に出来ることを実行するしかないなぁと思っています。なので、活動資金を生み出す事を中心に、”できること”をただがむしゃらに春から実行してきました。

★コロナ禍で良かったこと
野生動物相手の仕事をしている人は、”今まで産卵にあがらなかった場所にも産卵があった””●●という動物が現われた”など、人間活動がおこなわれなかったことによる良い影響が出ているようです。ELNAの活動地の場合、環境が変わるほど人間活動が活発なフィールドがもともとないので、このような影響(動物にとって良い環境変化)は特にありませんでした。
 コロナ禍で良かったことは、私の場合は、出張に行けないのでその分、過去のデータまとめをする時間が確保できたことです。今まで貯めていた約50年分のデータ(10年×5か所=50年)をまとめることができました。
毎年2カ月間くらいは出張していましたし、インドネシアの活動が全くできないので、その分に割かれていた仕事量を、膨大な量の取り纏めに時間を作ることができました。

★これから
これからも自分にできる事を考え、それを淡々と続けます。インドネシアは東南アジアの中でも新型コロナの状況が一番思わしくないです。死亡者数が9月末まで上がり続けました(webの統計情報より)。2020年11月現在、その時点より若干下がっていますが、今後どうなるのか分かりません。いずれにせよインドネシア政府は2020年12月いっぱいまで短期出張者や観光客の受け入れはしない方針で、その後の判断はその時(12月末時点)にされる予定です。これからのインドネシアでの活動がどうなってしまうか不安な状況ではありますが、ウミガメ保全のために今できることを続けていく所存です。

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<参考>
★ インドネシアでのタイマイ卵保護事業

★ 小笠原でのエバーラスティング・ネイチャーの活動

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