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イベントレポ:日本最大級の野外アニクラ「なごうて!」総括その①

 改めまして、創作ダンスお遊戯会の砂塚ユートです。野外アニクラで観測した地下芸をアーカイブとしてまとめ続けた結果、「教授」と呼ばれています。よろしくお願いします。
 さて先日、感銘のあまり勢いで書いた台湾アニクラの記事がなんとご本人様の元にまで到達し、オタ芸を通じて国や言語の壁を越えた絆を育むことが出来ました。大変ありがたいことです。いつかお互いに乗り込んで対戦できる日が来ることを祈っています!

 これ以外にも過去のアニクラ記事をマガジンにして置いているので、興味のある方はぜひご一読の上、♡を押して頂けると嬉しいです。

なごうて!~beyond2020~

 今回はついに待望のイベント、2023年の1月13日に愛知県名古屋市の若宮広場で開催された「なごうて!~beyond2020~」に参加してきました。
 「なごうて」といえばあの「アニレーク!!」と並んで日本最大級の規模で催される野外アニクラだけに興奮を禁じ得ませんでした。天下人を輩出した列島の中心地だけに、ふだん東西に分断された名だたるアニクラ勢が一堂に会する関ヶ原合戦じみた様相を見せ、その結果Twitterでも万バズを複数叩き出すなど伝説の一日となりました。

 いや、凄すぎ

なごうて!ハイライト

 というわけで今回も独断と偏見のもとやっていきます。例によって順番が前後するかもしれませんがご容赦ください。

・天武の舞、暁の門(PCゲーム『魂響~御霊送りの詩~』 OP)

 構成:落雷警報→サンダースネーク→ムラマサ→ロマンス

 備考:コンイマと並び、2技の代表格として当記事でも常連の「天武の舞、暁の門」。あまりに美しい二列なので例によって今回も挙げます。この辺からギャラリーを意識してギアが上がり始めたような気がします。
 ところで、ここに居るオタク達はいちパフォーマンス集団に見えるかもしれませんし、実態として半分は合っている(自然と顔見知りになるため)のですが、集団練習はもとより打ち合わせなども一切していません。ただ流れを心得ているだけの人間がその場で列を為しているだけ。個人的にはそういう一期一会で後腐れのないシンクロナイズドが心地よく感じます。

・シャドーロールの誓い(『ウマ娘 プリティーダービー』 ナリタブライアン)

 備考:ウマ娘のソロは打ち曲としても人気のものが多く、特にこの「シャドーロールの誓い」は姉(異父兄)であるビワハヤヒデの「手綱と絆」と並んで常連です。
 余談ですが、顔見知りの人たちが積極的に映りに来てるのでアニメのオープニングみたいになってますね。創作ダンスお遊戯会がアニメ化した暁にはこれで始めてネオスカで締めましょう。

 ・僕ら、駆け行く空へ(『劇場版 ハヤテのごとく! HEAVEN IS A PLACE ON EARTH』 OP)

 備考:打ち曲としてはこれもアンセムの一つ。個人的には飛行スネークを入れてもいいような感じもしますが、ややBPMが速くて過酷なのと作品テーマとは噛み合わないなどの課題もあります。
 カメラの端では一月の上旬という冬の只中にあってこの有り様なので「オタク健康過ぎない? なんでこんな半袖とタンクトップが何人も居るん?」という当然の疑問が付されています。
 お答えしておくと、オタ芸を死ぬほど打つことによって血行が促進され、真冬でも汗だくになるからです。バカは風邪引かないので

・灯火のまにまに(『かくりよの宿飯』 OP)

 構成:よさ恋スネーク

 備考:個人的にいま一番”剥がしたい”(会得したいの意)オタ芸がこの「よさ恋スネーク」です。理由は後述。
 技の構成は過去記事でも扱ったと思いますが、ドラグーンスピアによさこい節(ソーラン節)の動きを取り入れたもの。イベント中、なにかを履き違えた赤タイツのYoutuberが乱入してソーラン節を踊ったりもしていたそうですが、奇しくもそこは理に適っています。PCゲーム『千恋*万花』の主題歌である「恋ひ恋ふ縁」が主な課題曲ですが、入れようと思えば和系統の曲にはだいたい合うかと。ポテンシャルを感じさせる技だ。

 ・夢花火(ホロライブ所属Vuber 百鬼あやめ)

 備考:上記の「灯火のまにまに」と同様によさ恋スネークの課題曲。よさ恋を剥がしたい動機は、この曲が2022年末にリリースされた直後から大流行しており、1日に3回流れてきた事もあるため。
 ちなみに画面左端の変な動きは前半が「斜め揺れ」と後半のロマンス山脈っぽいのが「山切りカット」と呼ばれるもの。アニクラというより地下アイドルの一部界隈から流入した文化っぽく、先の「アニ耐!」で観測されて以来、創作ダンスお遊戯会にも波及しつつあります。

 ・Silent Sword(雨宮天)

 構成:せきやんスネーク→ロマンス/インドダンス

 備考:「アニ耐!」に引き続き、創作ダンスお遊戯会がいま一番推している「せきやんスネーク」の課題曲。記事的にもかなり擦ったので、オタ芸に明るくない読者でもいい加減に馴染み深くなってきた頃かもしれません。
 この曲でのせきやんスネーク→インドダンス派生はややシビアですが、タイミングさえ掴めばちゃんと入る(「誇りがある」の所で回転するのがベスト)ので俺より上手い人にやってみてほしい。

 ・ロマンスの神様(広瀬香美)

 備考:Tiktokでのリバイバルブームやデレマスのライブを皮切りに、アニクラでもよく流れるようになった「ロマンス」の神様。昨年の「アニ耐!」以来となる紹介ですが、残念ながら一番のサビは尺的に繋がらないため奉納失敗。ロマキャンはギルティギアの基本。

・FEELING AROUND(『ラーメン大好き小泉さん』 OP)

 構成:北海道スネーク改(画面奥)

 備考:ご安心ください。実はちゃんとラーメン食べてます。最奥過ぎて見えないので技の詳細は下記の動画を参照。
 ご当地スネークの一種であり、絶滅を危惧されている「北海道スネーク改」が久しぶりに陽の目を見た貴重な瞬間。元となった「北海道スネーク」は諸般の事情から新旧で2パターンの打ち方が存在するややこしい存在なので今回は扱いませんが、「改」はいずれの場合からでも派生し、札幌ラーメンを意識した動きが取り入れられているのが特徴です。お茶と仏と球技と麺類はご当地によく取り入れられる題材な気がします。

 ・夜明け Brand New Days(ベイビーレイズJAPAN)

(わ、わ、わ、わ、わ、わ)ワールドカオス!
諸行(しょぎょう)!木暮(こぐれ)!時雨(しぐれ)!神楽(かぐら)!
金剛山(こんごうさん)!翔襲叉(しょうしゅうしゃ)!

(しょ、しょ、しょ、しょ、しょ、しょ)翔襲叉!
金剛山!神楽!時雨! 木暮! 諸行! ワールドカオス!
イエッ イエッ イエッタイガー!

混沌mix&逆混沌mix(家虎)

 備考:悲しい事がありました。アイドル界隈で歌い継がれるベイビーレイズJAPAN(解散済み)の名曲。レギュレーションもそれに則っているためかリフトに光害、果てはトランポリンと治安が末期的に。現場でもやんないだろそこまでは!

・Q&Aリサイタル(『となりの怪物くん』 OP)

 備考:OAD!OAD!OADからやり直せ!(337)
 地下技で言うOAD(オーバーアクションドルフィン)は主にAメロで左右に手拍子を入れる動きで、要するに「基礎から出直せ」という意味です。本当にやり直すのがオタクの律儀なところ。ちなみに映ってませんがこの曲のサビでサークルが発生している場合、一番と落ちサビが滋賀スネーク、二番はアニテラスネーク→ロマンス山脈が定番です。

 ・Re-sublimity(『神無月の巫女』 OP)

 構成:通常3技(ドラグーンスピア→ムラマサ→サンダースネーク)

 

 備考:ロボ×百合のテーマで世に先駆けること幾星霜な2004年のアニメ『神無月の巫女』より往年の名曲。Aメロから打ち始めるとちょうど3技尺になるのですが今回は繋ぎの関係上、始動が間に合わなかったため、ストイックなオタ芸マンからはやや哀しみの声が。

 ちなみに今回のような”通常3技→ロマンス”の代わりに、ワルとまのラスサビでお馴染みの
”滋賀3連(鈴政宗→領家大明神召喚の儀式→七本槍)→姫高宗きゅーん”という、生きていく上では特に必要のない打ち方も存在するみたいなので参考までに。せっかくなので無料公開されたオープニング映像も併せてどうぞ。

 ・future gazer(OVA『とある科学の超電磁砲』 OP)
→LEVEL5-judgelight-(『とある科学の超電磁砲』 後期OP)

 備考:『とある科学の超電磁砲』のレールガンじゃない方の主題歌たち。DJは前回の「アニレーク」を以てオーガナイザーの軛から解き放たれた、だぜさん。彼の影響力が未だ衰えることがないのは画面一杯のサンダースネークからも明らかな事でしょう。なんとなくだぜさんのターンはflipsideが多めな印象があります。(ついでに動画の端っこでハナテココロを観測)

 ところで「アニレーク」といえばなんと、noteをきっかけに同イベント主催のほよさんとレギュラーDJのごんぐぃさんが揃ってご挨拶にいらしてくださり、個人的には昇天するかのごとく嬉しかったです。拙い文章で恐縮ですが、こうして成果物が人の目に触れている事を実感してなにやら報われた想いになりました。お二人とも対戦ありがとうございました! また滋賀にも遊びに行きます! なんならご飯とか行きましょう!(私信)

・スタッカート・デイズ(『ヤマノススメ』 ED)

 備考:アニメ『ヤマノススメ』より。大量の”おもちゃ”を持ち込む野外勢の中には、この為だけに登山グッズ一式を携行する猛者もいます。今回はひなたとあおいが微笑ましく手をつないで歩く微笑ましいエンディングを再現。画面中央で人が死んでいますが、それとは無関係に世界平和に一歩前進したのを感じます。

・LOVE . EXE(PS2ゲーム 『BALDR FORCE EXE』 OP)

 構成:「EXE!」→マワリ→「はるこに捧げるローマーンス!」→ロマンス

 備考:アニクラはもとよりゲーム系のDJイベントでも耳にすることの多い桃井はるこのアンセム……なんですが、それとはまったく関係なく、画面から聞こえてくる「オタ芸打ったら”カスみたいな関東打ち”と空リプで叩かれてる」「過去に鍵垢から50件くらいリプが来た」という趣旨の会話が気になって仕方がありません。

・Burst The Gravity(『アクセルワールド』 後期OP)

 備考:アメリカではバイデン政権の発足から一年以上が経過し、前大統領であるトランプ氏の影響力も依然としてある中で、まさかあの男が日本に来るわけないだろ……。

オバマが到☆来

タダノデオチデスケドネェイ

 ・Shinig Ray(『ガールフレンド(♪)』 キャラクターソング)
→手綱と絆(『ウマ娘 プリティーダービー』 ビワハヤヒデ)

 備考:リクエスト出したら通ってました。ツイノオタクアニクラのアンセムにして関東打ちの課題曲である「Shinig Ray」……などと言いつつ、パリピスネークを打ってるヤツが居ますね。実は自分がアニクラという文化を知る一助となったこの曲ですが、全盛期に比べると流れるか流れないかで大分トントンな感じ。一応、落ちサビには混沌mixが入ります。
 そこから繋ぐのは先述の打ち曲アンセム「手綱と絆」。Aメロ直前の微かな指パッチンを聞き逃さないオタクの鑑たち。

 ・Over The Future(『絶対可憐チルドレン』 OP)

 構成:電波スネーク(あまね式)

 備考:アァ~~~~~~!!大ィ胆!!!!(クソデカごんぐぃボイス) 

 noteでは何度か取り上げたので今回はもういいかなと思っていた電波スネーク(あまね式)の代表格……ですが、やはり滋賀スネークと混同するという意見が多く見られたため復習がてらにご紹介。
 滋賀と紛らわしい後半の部分は指差しではなく地団駄を踏む感じです。体感、滋賀の方が打つ機会は多いですが、技としてはあくまでもこちらがベースなので基本を疎かにしないようにしましょう。

 ・僕らの戦場(『マクロスΔ』 挿入歌)

 備考:当記事では意外と扱ってる回数が上位に位置しますが、まだまだ界隈には膾炙していないという意味で伸びしろのあるデルタスネーク。三角形に関連する1技尺ならなんでもいい程度には汎用性があるので『マクロスΔ』の関連楽曲はもちろん「ローリングさんかく△」などでも採用の余地があり、適切に打つと通ぶれる技だと思います。

Twitterでバズったもの

 まず前提として、野外芸はいい歳した大人が揃って変な動きをしているのが視覚的にウケやすいためか、毎回100RTくらいは堅い鉄板のネタが多かったりします。
 そんな野外を代表する曲を岐阜県の野外イベント「でらクラ」の主催兼オタクバウンス部の部長として知られるDJ雑炊(そーじゅ)さんがここぞとばかりに流しまくった結果、イベントの規模も相まってTwitterで累計30万以上のいいねを獲得するという前代未聞のインプレッションでアニクラ界隈を騒然とさせました。その勢いたるやTwitterのみならずTikTokの地平を駆け巡り、果てはあのつんく♂プロデューサーにまで到達したほど。

・KICK BACK(『チェンソーマン』 OP)

 備考:まずはMVの発表時点からネットで散々弄り倒されていた「KICK BACK」から。
 車に撥ねられた米津玄師がそのまま起き上がって疾走する凄まじい絵面を完全再現(?)。「アニ耐!」で同じネタを扱った時にも100いいねくらいは稼いでいたように思いますが、今回は7万いいねと比ではありません。
 なおこの翌日、創作ダンスお遊戯会の主要メンバーがほぼそのままハシゴして参加する形になった三重県の「さぶクル」では、DJごとに色合いは違うものの、このくだりが1日のうちで3回に渡って再現されました。

・おジャ魔女カーニバル‼(『おジャ魔女どれみ』 OP)

 構成:インドダンス(映画『Jagga Jasoos』より)

 備考:野外アニクラの話題性を牽引する、記事でも殿堂入りのおジャ魔女インドダンス。僕が野外アニクラに本格参入するきっかけとなった、2022年9月の京都「アニメメメスペシャル」で披露された際にも6万いいねとかなり伸びていましたが、そこから衰えるどころかさらにリーチして驚愕の14万いいねを達成。
 この影響で憧れのTikTokで死ぬほど転載されたり、最前列のタンクトップニキ(史風さん、TAICHIくん)を筆頭に創作ダンスお遊戯会のファンが増えてイラストが作成されるなど、いっぱしのインフルエンサーみたいな事になっていました。


ちなみに僕もゴリゴリに映っていますが、特に何もありませんでした。

・ドキッ!こういうのが恋なの?(ニンテンドーDS『リズム天国ゴールド』)

 備考:つんく♂プロデューサー公認、野外アニクラの歴史に革命をもたらした伝説のひと幕。およそ17万いいね
 ニンテンドーDS『リズム天国ゴールド』のゲームをこれまた完全に再現したもの。実は以前にも2021年の「でらクラ」や2022年の「薬師館アニクラ」で流れ、僕の記事でも「アニレーク」の回で取り上げていたりとそこそこ定番のネタでした。
 この曲の良い所はオタ芸を知らなくても気軽に混ざれる点。思い出と会場の一体感が多くの人の共感を得てここまで伸びたのだろうと思います。

 あまりにウケた結果、ついにネットニュースになってしまいました。ちなみにこれ以降、少なくとも僕が参加したアニクラのほぼ全てにおいて映像付きで流れるようになりました。

 これを機に野外アニクラの認知度がより高まって多くの人と盛り上がれると素晴らしいですね。キリがいいので今回はこのあたりで。

 ↓次回に続きます。


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