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オタ芸コラム:韓国のアニクラを知る~물품보관소編

 砂塚ユートです。今回は海外のアニクラシリーズ第二弾、韓国の「물품보관소」でオタ芸を観測したのでレポートしていこうと思います。日本の高まり方と同じ要素もあれば独自の色もあって比較するのが楽しいです。

 第一弾は台湾の野外アニクラ「寅年厄介大忘年会」を纏めています。よろしければ♡を押してリアクション頂けると励みになります。

 今回ご紹介するのは2023年に韓国で催された「물품보관소」の様子。以前の台湾アニクラは漢字由来なのでなんとなく意味がわかったのですが、ハングル文字はさっぱりです。試しにこの「물품보관소」をGoogle翻訳にかけたところ「物品保管所」と出てきました。どうやら近いニュアンスは日本で言うところのコインロッカーであるらしいのですが、実際のところはよくわかりません。読み方も含めてご存じの方は教えてね。

 ということでさっそく本題に入っていきます。

・キズナミュージック♪(『BanG Dream! 2nd Season』 OP)

 構成:ドラグーンスピア→ムラマサ→サンダースネーク(飛びポ)

 備考:バンドリの曲だー!(定期)
 バンドリ2期の泣きメロと名高いオープニング「キズナミュージック♪」でスタート。オタ芸としては体力消費が激しい一方、やってて一番楽しい通常技の三連続、通称3技尺の構成です。日本でもまったく同じ打ち方でサビでジャンプするポイント、通称「飛びポ」まで共通です。2技目のロマンス警報前にちゃんとクラップ打ってるのが好印象。

 前回の記事でご紹介した台湾のアニクラでも通常3連が完全に踏襲されていたので余計に感慨深く感じます。

・Rising hope(『魔法科高校の劣等生』 OP)

 構成:ナマステスネーク

 備考:とある地下の現場においては名指しでレギュレーション違反を告知された事でも知られている特殊技の筆頭「ナマステスネーク」の代表曲。日本のアニクラ界隈ではこの曲で締められるイベントもあるくらいに定番です。日本のインドに対するステレオタイプを煮詰めたような動きですが、余所ではどんな風にこの技が伝わっているのか、個人的にとても気になるところです。

 こちらも当然、台湾に輸出済み。オタ芸以外にもツーステップが踏めます。

・You & me(田村ゆかり)

 構成:直立スネーク

 備考:記事でも何度か紹介している田村ゆかりの代表曲にして直立スネークの課題曲。ついに韓国の領土をも脅かすまでになったゆかり王国。元々の国籍に依らずラップパートを完璧に詠唱できた者だけが入国審査を通過できます。動画を見る限り、生え抜きの王国民が集まっていた模様。

 日本では上記の絶ソニにあやかって、この曲で直立スネークを打つ時は上裸が基本形になります。(イベントによっては本当に怒られるので服は着た方がいいです)

・GATE of ARCANA(PCゲーム『魔王と踊れ! CODE:ARCANA(コード:アルカナ)』 主題歌)

 構成:プリズムドライブ

 備考:日本では関東勢が喜びそうなエロゲソング。何気に本編の初回限定盤のサントラか『勇者と踊れ!』の豪華特典にしか音源が無いので結構レアです。ちょっとだけ打ち方が特殊で、2技の後にドラグーンスピアの後半部にクラップ2回入ります。「初恋の棘」のラスサビと同じ感じですね。(追記:「プリズムドライブ」という打ち方だそうです)

 雑草さんとくぼっち君が喜びそうだなと思って検索掛けたら当然もうやってたっていうね。

・サクラハッピーイノベーション(『D.C.III ~ダ・カーポIII~』 OP)

 構成:サークル→ロマンス

 備考:表の名前は新田恵海!でお馴染みサクラハッピーイノベーション。この曲の模様は後日、別のイベント記事で紹介する予定です。なぜこの曲で回るようになったのかわかりませんが、リリース直後の10年前にはもう回ってたみたいです。

・名前のない怪物(『PSYCHO-PASS』 ED)

 (画面左側から)構成:ゴシゴシ、諸刃の剣、いとうあさこスネーク、ガンダムエピオン、Love&Joy(振りコピ)

 備考:なぜかイベントで流れるごとに未知の列形成が増えていく。韓国でもそうした謎の文化が輸出されているようです。もっとも過酷なオタ芸のひとつである「諸刃の剣」の課題曲でも知られています。
 この列形成で特筆すべきは二か所あって、ひとつは画面左から四列目。これは昨今、日本の地下アイドル界隈やアニクラ界隈を席巻する「ガンダムエピオン」(Gundam Epyon)と呼ばれるなにか。由来は「LINEをやらない👏俊龍」コールでお馴染みの俊龍警察氏が酔っぱらった勢いで始めた奇行。

はいせーのっ ガンダムエピオン! ガンダムエピオン!

 元ネタは『新機動戦記ガンダムW』に登場するガンダムエピオンの変形機構から。お世辞にもかっこいいとは言い難い微妙な構造や色合いからファンの間でも「海老反り」と揶揄されていましたが、こんな形で消費されることになるとは。
 詳細は追って別のイベントレポートで纏めますが、この「名前のない怪物」でガンダムエピオンを入れた野外アニクラの初出は2023年4月1日の「ステップ踏会議」での事でした。(他ならぬ当事者なので……)そこから僅か一週間足らずで日本の恥が韓国にまで行き渡った事になります。

 もうひとつは画面右側の一列。これは日本ではあまり見られない独自の列で、「Love&Joy」の振りコピ。中日ドラゴンズのマスコットキャラクター、ドアラのダンスパフォーマンスで有名ですが、これが韓国では妙に流行っているらしく、別のイベントでも何度か観測例があります。


・Fantastic future(『変態王子と笑わない猫。』 OP)

 構成:振り向きスネーク

 備考:田村ゆかりの固有技パート2。「もう一回こっち向いて」という歌詞に合わせて振り向くだけのサンダースネークです。背中合わせの二人~。日本語歌詞ですが、ちゃんと伝わっているのでしょうか。

・Shocking Blue(『武装少女マキャヴェリズム』 OP)

 構成:アマテラス→ムラマサ→ドラグーンスピア→「あ゛ぁ~!」→サンダースネーク

 備考:Aメロから打ち始める貴重な通常4技尺。基本的に3技の始動はドラグーンスピアから入る事が多いですが、そこは好みの話として置いておきます。サビのサンダースネークは日本では直前に「シャンプー」と呼ばれる予備動作が入りますが、韓国勢はなんか叫んでますね。ショッキングな事でもあったのでしょうか。伊藤未来さんの熱愛報道とか

・うまぴょい伝説(『ウマ娘 プリティーダービー』)

 備考:先日ついに韓国版のアプリがリリースされたウマ娘より。「俺の愛馬が!!」 があまりにクリアに聞こえるので、日本に居るのか韓国に居るのかもうわかりません。2技だったり電波スネークが入ったりと画面が忙しい事になっていますが、向こうでも誰一人振りコピをやってないという。我が国ではいとうあさこスネークが多いかも。

・One-Chance!!(PCゲーム『ピュアガール』 主題歌)

 構成:パリピスネーク
    サンダースネーク(関東打ち)

 備考:ワンチャンスを放棄して打つオタ芸。どこからともなく参考書を取り出して床に叩きつけるのは本邦でもお約束。しかし韓国の受験事情といえば、日本のそれよりも更に輪をかけて人生を左右する程の過酷さで知られているため、実は全くシャレにならない光景です。

・My New World(同人音楽『PRINCE OF TRANCE #01』収録曲)

 構成:サンダースネーク(関東打ち)

 備考:「此岸花」や「レプリカ・ブルー」などと並ぶ同人系のオタ芸楽曲。関東打ちの代表曲ゆえか、同人/エロゲ系統があまり流れてこない関西でもこの曲だけは拾う機会が他と比べて体感多めな印象。なぜか楽曲情報を検索すると『パチスロ慶喜』という存在しない幻の台を突きつけられるので要注意。

・EVERYBODY! EVERYBODY!(『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω』 OP)

 構成:いとうあさこスネーク

 備考:言わずと知れた「いとうあさこスネーク」の課題曲。本邦ではみんな飽きてきたのもあってAメロからジャンボリミッキーの振りコピを入れるようになってしまいました。ところで、韓国におけるいとうあさこの知名度ってどんなものなのだろう。

 ついに『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』の原作者に到達してしまったジャンボリミッキー→いとうあさこスネーク。

・おジャ魔女カーニバル‼(『おジャ魔女どれみ』 OP)

 構成:インドダンス

 備考:上述のいとうあさこと並び、アニクラ界隈でいま一番動画映えするインドダンス。このパフォーマンス見たさに本家のオタ芸マンがイベントに招致されるほどに。あまりにも定着しているので、もともと曲と踊りになんの因果関係もないという事実を忘れてしまいます。近年は『RRR』の世界的なヒットもあってとにかくインドが熱い。

・ハム太郎とっとこうた(『とっとこハム太郎』 OP)

 備考:歌詞が韓国版であること以外、mixからなにから原語版と全く同じ。個人的な話ですが、最近はこういうサークルに混ざらず端っこで鹿スネークを打つことが増えてしまいました。たまには斜に構えてないで素直に回ってみようかなと思います。

・回レ!雪月花(『機巧少女は傷つかない』 ED)

  備考:逆回転!ってそのまま言うんだ。

・不安定な神様(『うたわれるもの 偽りの仮面』 OP1)

 構成:不安定なムラマサ

 備考:足場が不安定なので打ってる途中で横転するムラマサ。僕は野外のイベントでこの曲が流れた際に思いっきりスっ転んだところ、マジで肘の辺りを擦りむいて怪我をしました。韓国ではそういう哀しい事故が起きないように予めマットレスを用意してリスクヘッジ。

・ガールズ・イン・ザ・フロンティア(『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』)

 備考:長野スネークの課題曲。こちらでも打ってる人は少数派なので観測出来て嬉しいです。あと、こんなに静かなガルフロは久しぶりに聞きました。だいたい以下のようになるので……。


・Snow halation(『ラブライブ!』 μ's)

 人造ファイヤーファイボワイパー
 タイガータイガー タタタタタイガー
 チャペアペカラキナ チャペアペカラキナ
 ミョーホントゥスケ👏 ワイパー
 ファイヤーファイヤー 虎虎カラキナ
 チャペアペファーマー 海女海女ジャスパー
 虎タイガー 虎タイガー
 人造繊維 イエッタイガー!!

可変三連mix

 備考:スノハレUOは万国共通。それはいいんですが、この曲ってこんなキレイに可変三連入るんですね。発音が明瞭過ぎる……お前が一番!

・最高速 fall in love(『モンスター娘のいる日常』 OP)

 構成:あんぱんスネーク

 備考:あんぱん食べたいです!(日本語)
 古のもんちゃんコールまで入ってるのがえらい。


・青空のラプソディ(『小林さんちのメイドラゴン』 ED)

 構成:MVの振りコピ

 備考:スーパーちょろゴンず(声優)バージョンの音源。アニサマなどのイベントでもやってるからか、この曲はやはり振りコピ安定。京アニスネークの初動としても知られます。
 余談ですがこれも音ハメ動画が伸びているので、アニクラでの汎用性が少し上がってきました。ただしfripSideは後述のジャンボリミッキーに押されているのでまだ実地で確認は取れていません。

・Re-sublimity(『神無月の巫女』 OP)

 構成:(Aメロから)ドラグーンスピア→ムラマサ→サンダースネーク

 備考:『なごうて』記事でも紹介した打ち曲。3技入りますが、あの時は繋ぎの都合上、Aメロで打てなかったために雑草さんが非常に悔しがっていたを思い出します。

・days(PCゲーム『それは舞い散る桜のように』 OP)

 備考:おい!!!! これ日本でもやらせてください!!!!
 というわけで春の季節にぴったりな古のエロゲ『それ散る』のオープニングより、こちらも通常3技です。本編はこの度20周年を記念してリメイク版が9月にリリースされ、しかもクラファンで続編の制作が決定するというまさかの事態に。SSSFでリクエストしなかったことが悔やまれます。

・Astrogation(水樹奈々)

 構成:アストロドライブ

 備考:お気に入りだったフェアリーテイル~(幻聴)名前の通りアストロドライブの課題曲のはずですが、最近は六連突きの代わりにムラマサを半分入れるパターンが増えているせいでオリジナルの技を忘れかけています。動画を拝見する限り韓国でもその打ち方になりつつあるので不思議な話です。

・Forever...(『エレメンタル・ジェレイド』 OP)

 備考:2005年のアニメ『エレメンタル・ジェレイド』より。テレ東の夕方アニメという事もあって直撃世代が多いのか、フロアが湧くので箱でもよく流れてくるオタ芸曲。シンプルに強いし、ラスサビに飛ぶと喜ばれます。

・疾るセカイと僕らのミライ(PCゲーム『ミライセカイのプラネッタ』OP)

 備考:エロゲ打ちのアンセムなのでVJさんは覚えて帰ってください。

・N.O.S -Neonlight Overdrive Spakling crarity(『LAMUNATION!』OP2)

 備考:春の訪れに終わらない夏。という事でこちらも玄人好みのエロゲアンセム。関西勢としてはエロゲ系は野外より箱でバチバチのオタ芸イベントで頻出のイメージ。N.O.S(Nice Otagei Song)。

・final phase(『とある科学の超電磁砲F』 OP)

 備考:どんなアニクラでも必ず一度は耳にするfripSide。家虎を現場で入れると作曲家がわざわざ音を止めてブチギレるため絶対にやめましょう。この「final phase」とTRUEの「Divine spell」はラスサビに繋ぐように法律で義務付けてほしい。
 アニクラでのfripSideといえば、2022年末頃から「sister's noise」や「Only my railgun」など『とある科学の超電磁砲』のオープニングで顕著ですが、東京ディズニーリゾートの「ジャンボリミッキー!」が尺的にぴったりなせいで、これ一色に染まりつつあります。目下、2023年のアニクラ覇権はジャンボリミッキーとガンダムエピオンです。


・ワルキューレがとまらない(『マクロスΔ』 劇中歌)

 構成:ヴァイスシュヴァルツ→アーリークロス→アマテラス→ムラマサ+滋賀6連(領家大明神召喚の儀式→鈴正宗→七本槍→滋賀スネーク→アニテラスネーク→ロマンス山脈)

 備考:韓国語はわかりませんが、多分サビ前のMCでラスサビ来るよ的な事をアナウンスしているのではないかと思います(違ったらすみません)
 今回は直接ラスサビに繋いでいるのでリフレクトドライブが抜けていますが、それを差し引いてもおよそ知りうる限りで最長のオタ芸尺。つまりは最強の打ち曲と言えるのですが、如何せん長いのと初心者殺しでもあるためか意外と拾う機会がない。というか、僕は今年まだ一度も拾えていません。

・HAPPY PARTY TRAIN(『ラブライブ!サンシャイン!!』Aqours)

 備考:UOで線路出来てて草。こういうアニクラのオタクならではの愉快な発想に国境とかないんだなと改めて。

・ティアドロップス(『BanG Dream!』 Poppin' Party)

 備考:お知らせ。家虎根絶する方向で動きます。今後、明らかにライブの妨害に当たるものは退出に留まらず、ブラックリスト化。場合によっては損害賠償請求など法的手段の検討もさせて頂きます。ご理解よろしくお願いします。
 わざわざ音を止める辺り、魂にブシロードが宿っているのを感じます。

家虎根絶イエッタイガー!

・M@STERPIECE(『THE IDOLM@STER MOVIE  輝きの向こう側へ!』 劇中曲)

 備考:マスピで締めるのは良いイベントの証。

終わり

 台湾の時にも言いましたが、日本のアニクラと99.9%やっている事が同じなので、今すぐにでもこの場に乗り込んで適応できる自信があります。ナショナリズムはあまり趣味ではありませんが、こうして国を越えて共通の文化を築ける意味では、やはりアニソンの持つ魅力を再認識させられます。

 ひいてはアジアに留まらず、欧米各国にもオタ芸やアニクラ文化を発信していけたらいいな。

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