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会員制スタートアップ・エコシステムのメリット言語化してみた

こんにちは、東三河スタートアップ推進協議会事務局の勝間です。

全国的にスタートアップの機運が盛り上がってきている昨今ですが、皆様の地域ではスタートアップ・エコシステム形成は進んでいますでしょうか?

スタートアップ・エコシステムとは?
https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=103894

スタートアップを生み出し、スタートアップともに成長したい、地方にこそ意識的に整えておきたい「土壌」となっています。
愛知県でも広域エコシステム形成事業を実施するなどステーションAiの立ち上げと平行して地域全体で力を入れています。
広域エコシステム形成事業について
https://tomoruba.eiicon.net/articles/4038
ステーションAiについて
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/startup/prestationai.html

東三河スタートアップ推進協議会では東三河のエコシステム形成のため、会員制度を設計し、持続的な取り組みを地域で展開できるよう活動に取り組んでいます。
今回は制度を設計・運用するなかで見えてきた運営サイドを会員制にするメリットについて言語化していきます。

ご注意!
本記はあくまで運営サイドの制度運用に関するTipsです。
推進協のイベント等へは非会員の方もお気軽にご参加いただけますので誤解のないようお願いします!

会員制スタートアップ・エコシステムのメリット

・発言権や議決権の整理がついている
起業家と1on1だけではなく、地域の広範な事業者さんや公共セクターと幅広に関係構築をしていく必要のあるエコシステム作り。『船頭多くして船山に上る』のことわざもあるとおり、ややもすれば様々な「意見」に振り回されてしまいがちです。会員制度により責任と権限が明確になり「活動に取り組む団体や人」にフォーカスすることができます。
※意見と事実の切り分けはスタートアップ自身にも重要ですね。
https://speakerdeck.com/tumada/kasutamamanianinarou?slide=61
→(参考)東京大学 FoundX ディレクター馬田隆明氏のスライド「カスタマーマニアになろう」

・推進協議会の定例会(会員クローズド)で意見と情報が交換できる
支援機関間、推進協会員間でしっかりミーティングや意見交換・情報交換の場があることで、組織と組織の繋がりが深い理解とともに構築でき、複数の団体で取り組んでいる感じが出せるのもメリットだという声が聴かれました。単独の団体での活動ではないからこそ継続性のある活動ができるという点も心理的な安全性につながっているようです。また各団体の取組みとその背景やスタートアップの話しが聞けるのがメリットだと感じた、という声もありました。

推進協議会のリソースを使用したプロジェクトや事業、企画の立ち上げが出来る。
協議会での様々な取組みは企画者で行うことを前提に会内で同意者を募り、企画組成していきます。推進協議会の会員だからこそ地域の現状を俯瞰して、単独のメリットではなく地域のための活動を提案でき、共感を持って人品会場などのリソースを連携しあえること。事業ごとの枠組みを設計し推進協議会メンバーが団体間・組織間の垣根を越えて一緒に活動ができることも大きなメリットの一つです。
〇東三河スタートアップ推進協議会の取組み・事業紹介
https://note.com/em_uppers/n/n039d8b26e582

・ノウハウの獲得と提供
推進協議会のコアな運営に携わることでエコシステム形成のノウハウの獲得ができる。新規事業開発の勉強会やノウハウ、テンプレートの提供、協議会会員や、VC、各業界などの比較資料へのアクセス (社内起業家/事業家を生み出すための支援) はスタートアップや新規事業に取り組む方、あるいはその支援を行う方には最新の情報はもちろん網羅的にスタートアップの基礎教養に触れられるメリットがあります。
また起業活動の実践の場であるHigashi Mikawa UPPERSの活動(運営・メンタリング)においては支援拠点としてのメンタリング人材育成の観点からも有益であるという意見もあがりました。
〇Higashi Mikawa UPPERSとは?
https://note.com/em_uppers/n/n1793ab8f62a8

・地域から外に発信することや、外の情報が得られやすくなった。
・起業家との繋がりできる、コミュニティにアクセスできる

推進協があることによる情報の整理、コミュニティの運営ツールとなっているSLACKやFaceBookで流れてくる情報(どこがどういう取り組みしてるか見れる)のもメリットであるという声も聞かれました。推進協議会自体がキュレーターでもフィルターでもあるなかで、スタートアップとつながりたい会員とのマッチングに至ったケースもあり、新規事業につながるアクションを取りたい団体には受動的に情報も入ってきて、かつ能動的につながりに行くことも可能なエコシステムは非常に魅力的かも知れません。

・メンターや講師、登壇者のネットワークの活用
東三河地域でスタートアップの知見や、現場課題に精通している人の可視化にもつながっています。
〇豊橋商工会議所「スタートアップサポーターズ」
https://www.toyohashi-cci.or.jp/news/?mode=detail&category=&aid=557
〇アグリテックコンテスト(農業者xテック企業のマッチング機会)
https://toyohashi-agri-meetup.jp/contest

推進協の後援
後援申請については会員外からも申請が可能なものとなっていますが、東三河地域にスタートアップ促進の中立的な(いち民間企業や特定自治体に偏りのない)コンソーシアムが存在し、その後援を得られるということも支援機関などから好評をいただいています。

・推進協議会「共催」であれば、会員は会場を無償提供しあう
場所貸しなどの本業に支障が出ないこと、運営は企画者で行うことを前提として推進協議会会員には協議会活動のための場所提供をお願いしています。
これも自社・自団体の利益ではなく地域のスタートアップ施策のための取組みについて、スタートアップや新規事業のためのこういう勉強会があったほうがいい、という気づきをいったん予算なしで会員連携でやってみる、といった柔軟な対応が可能となっており、メリットの一つです。(例えば行政であれば予算化を含めて企画から実施まで1年以上かかってしまうことも・・・)

・どうやったら入れるのか明確化されてる
場合によっては会場まで無料で貸しあう協議会、どのようにギバー(giver:与える人)を増やすか、テイカー(Taker:持ち去るだけの人)を入れないかは非常に重要な問題です。
そもそもどう準備してどう関わればよいのかわからない、といった声も東三河に限らずよく伺うところです。東三河スタートアップ推進協議会では当初正会員のみでの発足から負荷がすくなく効率的な関わり方として支援会員制度を設計しています。その中では入会届の形で「何のために(自社・自団体でのメリットを明確に)、何をするのか(提供・拠出いただくリソース)」を整理いただき、代表の方まで同じ意図であることを確認いただくように促しています。少しご紹介すると・・・
<入会届の内容より抜粋>
入会に当たって何を目的(メリット)と捉えているかを教えてください。
 この問いにより
 ・VC、金融機関として投資先を育てたい
 ・スタートアップ支援を通じて自社の新規事業人材を育成したい。
 といった具体的な申請者のメリットを言語化していきます。
推進協議会での役割(人的協力/物的協力/資金協力/施設協力)
 前述のエコシステムから受けたいメリットに対して、推進協議会においてどのような活動・協力を行うか想定を伺います。この問いによってメリットに払う対価を団体として考えていただきます。具体的な例としては、
・推進協議会運営への参加
・年間を通じたイベントやセミナーへの要員の拠出やメンタリング機会の創出
・製造メーカーとして試作をサポート
・農産物/食品の材料や試作を提供
・東三河のスタートアップが実施する活動への会場拠出(原則無償)・物販機会提供
などといった具合です。
また実際に入会届を記載いただく前にオープンプレイス(1on1での相談会)の実施やオンラインでの事業定例会の見学などカルチャーフィットのための施策も準備し、協議会への参加の仕方を整理しています。

最後に
繰り返しとなりますが、本記はあくまで運営サイドの制度運用に関するTipsです。
推進協のイベント等へは非会員の方もお気軽にご参加いただけますので誤解のないようお願いします!
(参考:地域丸ごと全員参加!共創カイギの様子)
https://tomoruba.eiicon.net/articles/4065

以上、今回はリアルな声と一部期待値を混載した形ではありますが、東三河スタートアップ推進協議会での知見から、会員制スタートアップ・エコシステムのメリットを言語化してみました。

東三河スタートアップ推進協議会にご関心の方はHPからぜひお気軽にお問い合わせください。

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