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キャリコンのひとりごと〜少しずつ進む…

【2016.2】

卒業が近づいてくると、
大学のカウンセラーからなのか、ゼミの先生からなのか、キャリア支援課職員からなのか、『病院で発達障害の診断もらってきて』と言われたと言う学生の相談を受ける事がある。
先日もそういう方が来た。

本人の説明がわかりにくいので、整理しながら聞いてみるものの、結局本人もなぜそう言われたのか、なぜ診断が必要なのか、診断されれば何か打開できる事があるのかもわかっていない事がほとんどなんだよね。
きっと言った側だって、診断もらった後のことはほとんど策がないよね。というか、策がないから『診断もらってきて』なんて言うんだよね。

診断出るのは最短で6ヶ月後だから、病院に通いながら私と相談をしている人がそれを知って「卒業に間に合わないですよね。診断出た後に大学はもう関わり無いんですよね。なんなんでしょうか。本末転倒?」と苦笑していた。

かなりの引っ込み思案と、誰かに言われた事しかしてこなかったというその人は、確かにコミュ障なのかも知れないけれど、会話のやり取りもできるし、自分のスケジュールを確認して私との予約もするし、友だちは居るみたいだし、それを発達障害と言えるのかな。

なので、こんな図を描いて説明した。


本人の希望する状態を確認したら、そこまでの間に必要なステップを段階的に伝えてこなしてもらう。「ピンクの辺にアプローチするのが前田の役割だよ。嫌だ〜とか無理〜とか、困ってる〜とかその都度言っていいからね。」と伝えた。

これまでに周りからアレをやれ、コレをやれと言われても、それに対して嫌だとか言ったことが無いらしい人なのだけど、「本当は嫌だとか、自信が無いだとかってゴネたって良いじゃない?」と言ったら言う様になった。面白いのは、それを言ったあと、どの辺が嫌なのか聞き取っていくうちに、「やっぱりそれほど嫌でもないみたいです。」と言いだしたりして進んだりする。

少しずつ進むその歩みに付き合うのが私の仕事。

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