電源

電源とは電気エネルギーの供給源です。
身近に使用している電気には、直流と交流があります。
家庭のコンセントから取れる100Vの電源は交流です。対して、乾電池やACアダプターから得られる電源は直流です。乾電池も電源ということができます。

直流電源は、常に一定の電圧を維持している電源で、乾電池や蓄電池は使用するほど消耗し電圧が低下していきますが、短時間での変化はありません。

交流電源は、一定の周期で電圧がプラスとマイナスが変化します。
さらに細かく分類すると、プラスとマイナスの変化はありませんが、電圧が変化する電源を脈流と言います。

一般には電力会社が供給する50Hzまたは60Hz商用周波数の交流ですが、自家発電装置、電池なども電源となります。また、直流を必要とする電子回路などに対しては、商用周波交流を直流に変換する装置や回路を電源と呼ぶこともあります。

電源を選択する場合、システムが求める電圧を超えて供給すると、回路が破損することがあります。また、電源の最大電流が回路の消費電流を下回る場合は、回路な正常な動作をしない場合があります。
交流電源では、他にも周波数、相数も回路に合ったものにしなければなりません。

電圧源

負荷の大きさが変動しても、一定の電圧を供給できる電源を電圧源といいます。
電圧源の回路図記号は下の通りです。

電圧源は、直流と交流で記号が異なります。また、一番右の記号は、直流、交流共用で、理想的な電源を表します。

下の図は、電圧源の原理です。

rvは電圧源の内部抵抗です。理想的な内部抵抗は0Ωです。
rvと負荷は直列に接続されているので、回路全体の合成抵抗はrvと負荷の合計になります。
負荷Rにかかる電圧VRと流れる電流IRは以下の式で表すことができます。

理想的な電圧源ではrV=0なのでrVIRが0になるため、VR=Vとなります。
現実は、必ず内部抵抗があるため、以下の式になります。

内部抵抗は、非常に小さな値になりますから、V=VRと考えることができます。

負荷が減少した場合、全体の抵抗値が減るため、回路を流れる電流は増加します。
電流が増えると負荷Rによる電圧降下が増えるため、負荷Rにかかる電圧が増えることになりますが、同時に内部抵抗rVにも同じ現象が起こるため、結果として負荷Rにかかる電圧は変化しません。

電流源

負荷の大きさが変動しても、一定の電流を供給できる電源を電流源といいます。
電流源の回路図記号は下の通りです。

左側が通常の電流源、右側は理想的な電流源を表します。

下の図は電流源の原理です。

riは電流源の内部抵抗です。
電流は内部抵抗と負荷に分流されます。
できるだけ負荷に電流を流したいので、理想的な電流源の内部抵抗は無限大になります。

このとき、負荷Rに流れる電流IRを求めると、以下の式が成り立ちます。

この回路で電流は、rIと負荷Rに分流され、電流の比率は内部抵抗と負荷の比率で決まります。
負荷抵抗が大きくなり、内部抵抗との差が小さくなると、内部抵抗に流れる電流が大きくなって、負荷に流れる電流が小さくなります。
内部抵抗が無限大の場合は、負荷に流れる電流が影響を受けないため、理想的な電流源になります。
理想的な電流源は以下の式で表すことができます。

右辺の分子と分母をrIで割ります。

IRに無限大(∞)を代入します。

これにより、負荷Rに流れる電流IRは負荷抵抗の大きさに関係なく、一定になります。

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