牧田恵実

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私たちは消された展開催中

牧田恵実の描く幻想的な森は、夢の中に迷い込んだかのような感覚に私達を誘います。画面中央に描かれている樹は、富山県魚津市にある樹齢500年以上の洞杉をモデルに、その存在感は仏教の「菩提樹」を連想させます。作者が描いているのは夢の中の心の旅路のよう…何に触れて何を学んだのかが幻想的な森の中で寓意的に描かれています。 作品の中央にいる女性は、樹に両手両足を奪われ、神聖な存在と融合したような恍惚とした表情を浮かべています。彼女の姿は、生と死の喜びと苦悩を受け入れる智慧を見せているか

    • 3月に開催を予定しておりました犯罪展は諸事情により中止となりました。

      【私が犯罪展に出展する理由】 学生時代の私は、今の自分とはまるで異なる存在でした。好きな人を殺したくなるような衝動や、苦しめることに興奮するような性格を抱え、自爆テロの妄想にかられる生徒でした。この過去の自分と向き合い、描き、表現することは、過去を否応なく受け入れ、他者から非難の目を向けられても自分の存在を自殺に追いやるまで否定しない為にも必要な過程だったように思います。「自殺願望の絵本」はその頃の危うい時代の記録を絵本にしています。 今回の展示でコラボをする林岳さんは、

      • 震災で私にできること…

        お正月を襲った能登半島地震は、最大震度7を観測し、石川、富山、新潟の各県に大きな被害を起こしました。 お正月にもかかわらず、突如やってくる自然災害に正直、Happy New Yearという気持ちにもなれない… なのに、Happy New Yearと投稿してしまった私には今も被災地で苦しんでいる方に対する罪悪感と申し訳なさが心につきまといます…。 1月1日を過ぎてから見た発災時の映像には、次は我が身かもと思わされました…。 私の家の真下には断層帯がありますし、真実と向き合

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