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The Foo Fighters’ Taylor Hawkins on Modern Drummer Magazine


昨年、リリースされたFoo Fightersの9枚目のアルバム「Concrete and Gold」。長らく保護者のように欠かせない存在だったブッチから離れ、まさかのポップ界のスーパープロデューサーでありグラミーも今年受賞したグレッグ・カースティンを迎え、全編に渡りとにかく超予想外な規模に仕上げて度肝を抜いたアルバムになりました。

100万回大将の口から聞いたグレッグ起用の経緯はひと目で分かる大将の解説ビデオをどうぞ(字幕で日本語が選べます)


日本には8月にSUMMER SONICのために来日。ついでにご無沙汰すぎる全員稼働の特大プロモーションをして帰っていきました。いくつか当時の取材はあがっていましたが、テイラー個人の、より深いインタビューが年末に発売されたModern Drummerに掲載されていましたので、ざっくり分かる限り日本語にしてみました。ドラムキットの話も多く、分かる範囲で日本語にしましたが間違いなどあればご指摘ください。

Modern Drummer(MD):テイラー、今どこに?

Taylor(T):話ができるように家族から隠れているよ。マウンテンバイクで回って話すのに良い場所をを見つけたんだ。

MD:南カリフォルニア?

T:地元のラグナビーチだよ。両親の古い家の向かいさ。今は誰も住んでいないんだけどね。でも、ここは俺の子供の頃の音楽の想い出がたくさんある場所なんだ。俺は道路の縁石に座って音楽のことを考えてた。16歳の頃、ここに座ってくすねてきたたばこを吸いながら、遠い場所を夢見ていたのさ。それと、Modern Drummerに載りたいなあってね。で、今こうしてModern Drummerに話をしてるってわけさ!

MD:「Concrete and Gold」はテイラーのレコードをFoo Fightersに写したようにも聞こえます。あなたの今まで作ってきた70年代風のいくつかの曲をフォーカスするような感じで。

T:そんなふうにいわれると面白いね。だって、今回のアルバムは初めてデジタル録音がメインになっているから。でも、俺が叩くレコードはみんな「ワオ! これってすごく70年代っぽいレコードだね」って言うんだけどね。面白いことに俺らがやった前の2枚のアルバムのほうが、70年代のテープ録音のスタイルだったりする。今回は、ロジックと素晴らしいレコーディング基盤を活用することに決めて利用したのさ。実にモダンなレコードになったと思ったんだけど、みんな70年代ロックだね! って言うね。まあ、でも嬉しいよ。

MD:私はBeatles, Cheap Trick, ELO, Alan Parsons Project, Thin Lizzyとかあたりに聞こえたり…

T:分かるよ。

MD:EAGLESも…

T:「Sunday Rain」っていう俺が歌った曲があるんだけど、コーラスの録音をしてたときにグレッグ(カースティン)に「EAGLESみたいだね」って言われておかしかったよ。俺が歌のコーラスを学んだのは母親の車の後部座席でね、メンバーそれぞれの違ったコーラスを覚えたよ。QUEENもまた学んだバンドのひとつさ。今回はデイヴ自身が沢山のコーラスをやってるんだ。でも俺が歌うと、EAGLESみたくなっちゃうんだろうね。それは俺自身の根っこにあるもので、どうしようもないんだ。

MD:どの曲でコーラスをやってるんですか?

T:「T-Shirt」「Concrete and Gold」「Make It Right」「Arrows」とあともう1曲。「Sunday Rain」では全部自分で歌ったよ。

MD:Sgt. Pepperのように…とかは誰かの気持ちの中にあったんですか?

T:あくまで間接的にだね。デイヴがグレッグをプロデューサーに起用したいっていう話があったときに、グレッグのバンドのBird and the Beeを聴いたんだ。美しいレコードだよ。それにグレッグは複雑ででもポップなセンスも持ち合わせてる。デイヴは最初に「グレッグが俺らの音をどんなふうにするか見てみようぜ」って言ったんだ。俺らはだいたいMotorheadとBeatlesが出会ったみたいな音なんだけど、今回はすごくMotorheadがサージェント・ペッパーに出会ったみたいな感じになってたよね。激しい音の中にキラキラしたものを持ってて、それに何重にもコーラスが重なってるっていう。

MD:「Happy Ever After」のようなピュアなロック・ポップもありますしね。

T:あれはまさにビートルズっぽいよね。…俺らはただ良い曲を作りたいんだ。今回のアルバムもそうであるといいんだけど。何人かにはこのアルバムを消化するにはしばらくかかるねと言われたり、歴代最高だよと言われたりもしてるよ。

MD:今作はワイルドな編成のドラムを叩いていますね――North drums, concert toms, Rototomsとか。

T:沢山の奇妙だったり、異なるドラムセットを使ったよ。今回のレコーディングスタジオは初めてEast Westスタジオを使ったんだけど、凄まじい機材の量でね。俺らは一番大きなスタジオを借りて、6つのドラムセットを用意したんだ。俺は5ピースのロックキットを持っていって、28インチのボーナム仕様のキックドラムを準備したんだ。それから、フィル・コリンズ仕様のコンサートタムとかそんな感じのをね。いくつかのドラムは部屋全体の音で録音されたり、面食らうようなキットもあったり、ビートルズみたいな60年代風のキットもあったし。あと、サンフェルナンド・バレーの新しい会社のMasters of Mapleのキットも使用したよ。

今回のModern Drummerの撮影の準備をしてるとき、今回いろんなドラムキットを使ったからどうしようかなあーって思ってたんだけど、もう全部セットアップすりゃいいのか! って思ってね。可能な限り一番やばいセットアップにしてみたんだ。レコーディングで使用したキットを合体させたのさ。そんときにデイヴが来て、あとから言われたのが「あのセットツアーに持ってこうぜ!」って、でも「そうしたいけど、不可能だろ!」って言ったんだ。多分あんなのを叩けるのはテリー・ボジオくらいで俺には無理だよ(笑)

MD:どこでNorth Drumsを見つけて、どの曲で使用したんですか?

T:ニール・パートっぽい長いフィルの「Make It Right」だよ。自分でebayで買ったんだ。絶対自分のものにしたかった。子供の頃に見て以来、ずっと欲しかったんだよね。同じようにTrixonのドラムセットも買ったよ。ドイツの会社で確かリンゴ・スターも少し叩いてたし、バディ・リッチも使っていた。このアルバムでも使ってるよ。あとジェームス・ブラウンのドラマーもTrixonを使っていたね。Voxと同じ会社なんだ。Trixonのキックドラムはマッシュルームみたいで、すごくクールだよ。

MD:他のドラムは?

T:過去10年はほとんどグレッチのドラムだね…ずっとグレッチを使っているから。

MD:North Drumの音はどうですか?

T:タムがすごくタイトだね。そんなのデカイ音ではないんだけど、今までと真逆っていうか完全に別物に思うよ。しかもセットアップが難しいんだ。俺はこれを「ベルボトムセット」って呼んでて、ベストな配置を見つけるのがすげー大変だからね。

MD:このアルバムでは沢山の違ったドラムサウンドがありますが、例えば「Sunday Rain」はすごく低く響くような音ですね。

T:「Sunday Rain」に関して話すと、俺は叩いていないんだ。あれはポール・マッカートニーだよ。デイヴがポールと友達なんだ。デイヴがこのデモを録ったときに、ホワイト・アルバムとかアビー・ロード的なものを感じたみたいで、俺もすごくシンプルに叩いていたから。それで作詞をやってて、その最中にデイヴが「テイラーが歌う新曲が必要だ」って「Sunday Rain」を歌って欲しいと言ってきたんだ。そしてポールにドラムを叩いてほしいってね。文句ないよ!

彼は優雅で素晴らしいミュージシャンだよ。彼のドラムが大好きだよ。俺にはないものさ。全員で演ったとき、俺はドン・ヘンリーっぽいアプローチでも叩いていたんだ。でもポールはスティーヴィー・ワンダーがドラムを叩いたようなやり方でね。このフィルを叩くんだっていうのではなくて、感じたままに叩いてたよ。この人は一度もこの曲を聴いたことがないんだぜ? でもデイヴがギターを持って「この曲はこんな感じで、Aメロ、コーラス、ブリッジがあってそのあとジャムをしてエンディングでね」って説明をして、俺は指揮者のように立ってポールを指揮したよ。彼は一度もこの曲を聞いたことはないんだよ! でも、彼は2回叩いて、1回目が収録されてるんだ。

MD:彼と一緒に演るのはどうでしたか?

T:最高だったね。それにゴージャスな時間だった。俺はサンタクロースを見るみたいにポールを見ないようにしてたんだ。あと、あれは彼のドラムセットだよ。彼が自分で買ったキットを彼のテックが準備したんだ。ラディックの80年代のキットだったね。そんなに高価なものじゃないよ。彼はLAに倉庫を持っていて、そこから出してきたんだ。彼はここ数年シンバルバッグのコレクターでもあるみたいだね。なんせ彼が叩くと、まさに彼らしい音が出るから。ほんとに素晴らしいミュージシャンだし、ドラムもユニークででもリアルっていうか。彼はリンゴと演っていたから、確実にスタイルもミックスされている感じだよ。

MD:「Sunday Rain」ではクリックを使用したんですか?

T:いや。今回は何曲かクリックを使ってない曲があるんだ。「Sunday Rain」「T-Shirt」「Dirty Water」「The Sky Is a Neighborhood」だね。俺らはあんまりズレを補正したりしなかった。もしクリックを使わなくても、補正はしないんだよ。俺らは人間らしさを持っていたいから…今回こういったレコーディング方法を取ったとしてもね。コンピューターを使ったレコーディング方法で良いところは素早くできることだね。オートチューニングはできないけど、ロジカルな音の操作もできるし、できることが無限大だし。

無限大にできることは、ときに良いロックンロールのレコーディングの支障になることもある。それに俺らは過去8年そういったことから離れていたから。 「Echoes, Silence, Patience & Grace」をギル・ノートンと録ったとき、彼は全部コンピューターの中に入れて直していったんだ。それから俺らはコンピューターを使うという発想から離れて、人間らしい音を作ろうとした。たぶん両方もできるんだと思う。でも今作はドラムサウンドに対して(コンピューターが)使われてる。俺はこのドラムトラックは俺がちゃんと叩いたものだって正直に言っておくよ。それから、グレッグとエンジニア(ダレル)がスネアをどんな感じにするか、実際音を聞いてノックアウトされたしね。彼らはマジでやばいから。

MD:今作の中にはたくさんのちょっと変わった音がありますね。「Make It Right」とか… multi-rodsをスーツケースか何かの上で使ったんですか?

T:あれはディレイで叩いてるんだ。スティックをハイハットとスネアに置いてね。U2のエッジのギターエコーみたいな感じかな。

MD:ときにフー・ファイターズはヘビィメタルポップバンドのようにも感じますが、その曲の激しさにかかわらず、あなたは純粋なメタルドラマーの気質で人間的な音作りに聞こえます。それが今回のアルバムでは今まで以上に感じますが、今作ではどのようにドラムをレコーディングしたんですか?

T:それはエンジニアのダレルの手によるものだね。俺の好きなスチュワート・コープランド、ロジャー・テイラーみたいな異なったドラムセットを使って、デイヴもドラムパートには多くのことをしているよ。もし彼がライドシンバルを気に入らなければ、変えたりもしたし。彼は(ドラム録音に)すごく関係が深いね。もちろんデイヴは俺のスタイルを知ってるし。スチュワート・コープランドが好きなことも、アレックス・ヴァン・ヘイレン、フィル・コリンズ、ステファン・パーキンスが好きなこともね。高い音のタムが好きで、他の人はあんまり今はやらないことも。今回はいろんな域で録音したから、より親密に聞こえるんだ。すごく広大な音域で、ドラムに音色を持たせる良いギターサウンドがある。たまに3本もギターがバーンと鳴ると、ドラムが聞こえてまだ良かった…ってときもあるんだけど。でもグレッグはドラムのための余地を残してくれたからね。それが今までと違うのかもしれない。

MD:ドラムサウンドはあなたのレコードにより近いですね。トーンだったり、エナジーだったり、スピリットだったり…。

T:俺らはみんな同じような音楽の場所から来てるからね。デイヴと俺はAMラジオが子供の頃から好きで、ポリスやツェッペリン、QUEENやBeatles、Soundgarden…実際に俺らが結びついたものなんだ。俺らはマット・キャメロンはマスターだと思ってるよ。彼は間違いなく最高のドラマーのひとりだね。そしてクリス・コーネルも俺のヒーローのひとりだ。彼を失ったのは本当に辛いよ。俺は乗り越えられそうにない。彼らの前作「King Animal」はバンドが向かっていた先への最高の1枚だった。最高傑作だよ。マットとクリスはすばらしい相性だった。本当にいいバンドだよ。彼らは新譜の準備をしていたんだ。俺は45歳だけど、もしキミが同じような歳のミュージシャンならSoundgardenがとても大きな心と魂を持っているとわかると思う。

MD:「T-Shirt」は良いオープニングナンバーですね。

T:あれはすごく広くオープンな曲で、かつ大きくてスローなナンバーだからそれをサポートしたかった。あまり多くの考えはないかな。ピンク・フロイドのニックならどうするかな? とか。シンバルベルを使ったり、ライドシンバルをウォッシュしたりしてるよ。

MD:「Run」は特徴的なギターと重いスネアが印象的です。

T:メレンゲビートみたいなのを叩いてるね。

MD:初めは最初の2曲で1曲なのかと思いました。

T:そうだね、「We Will Rock You」と「We Are the Champions」みたいだよね(笑)一斉に録ったんだよ。

MD:「Make It Right」のグルーヴは興味深いです。隠れた音のゴーストノーツやスネアのバリエーションも多いですし。

T:そんなに興味深くもないよ! コーラスのほうがもっと面白いね。でも言うようにツェッペリンの「When the Levee Breaks」みたいな、でもディレイをかけたTOTOの「Rosanna」みたいな感じではあるね。複雑でごちゃっとしたかんじだけど、俺はとてもシンプルに叩いているよ。ポリスの「Walking on the Moon」とかQUEENの「Loser in the End」的な。デモを録ったときにデイヴがギターにディレイをかけようとしたら、間違ってドラムにかかってね。それでデイヴが気に入って、俺も良いじゃん、コレって。

MD:この曲の3分07秒頃に、一気に全部のキットを叩くフレーズがありますが、これもタムタムからNorth Drumsですか?

T:間違いなくタムからだね。でもそれがNorth Drumだったかは忘れたけど。あれは8、10、13インチのタムと16インチのフロアタムだよ。

MD:「La Dee Da」は巻き戻しているように聞こえますね。

T:あれは珍しいリズムっていうか、デイヴが言ってきたんだけど。1がどこにあるのか2を理解しようとしたらまた2があって…みたいな。正直言うと、まだよくわかんないんだけど!(笑)

あんまりこの曲で何が起きていたかよく分かってないんだ。ただどうやってプレイするかを考えてた。The Crampsを思い出させるコーラスもあったり、それが妙な転換だったりするんだけど…でもどうやってカウントしたらいいかとかよくわかんないんだ。

MD:「Arrows」の冒頭はスネアを使っているんですか。

T:あれはグレッグとダレルが通常のドラムサウンドにちょっとした奇妙な世界を取り入れたのさ。俺も何をしたのかは分かってないんだけど。グレッグがローランドのSpace Echoを使用したこのアルバムの中でもデカいトリックのひとつだよ。彼はデイヴの声にも入れ込んでる。でもあれはスネアの音をいじったというわけじゃなくて、ディストーションをかけているだけだと思う。

MD:「The Line」はFoo Fightersのクラシックナンバーのようにも聞こえますね。

T:俺らも「Best Of You」っぽいねっていうのは分かってるんだ。俺としてはあんまりそう言いたくないけど。でも、典型的な俺らの音だね。

MD:通常、レコーディング前にはリハーサルをするんですか?

T:するよ。俺らはデモセッションのあとにもセッションをやるんだ。全部の曲をデモで録って、更に録音する。「Run」はファイナルバージョンに至るまでに10回レコーディングしているしね。

デイヴが簡単なデモを家で録ってくる場合もあるし、俺とデモを作るケースもあるんだ。それからバンドでデモやって、その後に変更したり修正したりもするし。最終版にいたるまで完璧に凝縮して調整するよ。俺らはかなり事前に準備をするほうだね。でも、「Dirty Water」や「The Sky Is a Neighborhood」はデモを録らなかったんだ。デイヴが曲のアイディアを持ってきて、みんなでそのままやったんだ。

MD:「The Sky Is a Neighborhood」の意味は?

T:分からないね(笑)デイヴに俺も聞いたんだけど、「俺もわかんない。ただ空を見ていたらThe Sky Is a Neighborhoodって浮かんだんだ」って。多分すごく深いい意味なんだけど、デイヴはそこまで前に出すような興味もないのかもね。彼は誰でも自分で解釈できるように曖昧さを残してるのが好きみたいだから。

MD:どんな練習をあなたは今しているんですか?

T:あんまりしないね。大体自分のカヴァーバンドChevy Metal用にするくらいかな。時々、Policeの1stレコードだったり、Rushの「Moving Pictures」やSoundgardenの「Superunknown」をやったりするよ。凄く良いグルーヴだからね。俺はあんまり練習はしないほうだよ。

MD:ツアーをしていないときも、ドラムを叩いたりはするんですか? それともツアーが終わるともうドラムは十分だ…ってなったりするんでしょうか。

T:いやいやいやいや!それはないね。ずっと(休みの間もドラムを)続けてるよ。Chevy Metalは大きなモノに変わったけど、ひとりで練習をずっとするようなタイプじゃないってことだよ。飽きちゃうからね。他のミュージシャンとプレイしたり、そういう相互作用みたいなものをやってるね。

15年前、バンドが活動休止したときにChevy Metalを友達と始めたんだ。小さなメキシカンレストランでプレイしてた。それが今や結構育ってきてて、自分のサイドバンドになった。デイヴもたまに一緒にプレイもするし。最初はレストランとか寿司バーとかでやっていたんだけど、今はロックフェスとか会社のショウに呼ばれたりもする。一度LAのクラブを一周してみたいね。楽しみでやっているから。

MD:Foo Fightersとはなにか違いを求めてると?

T:真面目にやりすぎないっていうことかな。ただ楽しみたいっていうか。同時に多くを学べるよ。例えば「My Sharona」って俺にだってでできるよ。簡単じゃん! って思うだろ。でも全部をやろうとすると、ドラムはかなり難しいんだ。クレジットされていないんだけど、ブルース・ゲイリーは素晴らしいドラマーだよ。あの曲はめちゃくちゃタイトなんだ。

MD:若いドラマーに何かアドバイスはありますか?

T:子どもたちによく「どうやったらロックスターになれる?」って聞かれるんだけど、俺は自分で曲を書くことと、沢山のカヴァーソングをやることを話すんだ。「My Sharona」や「Turning Japanese」、「Let There Be Rock」や「Under Pressure」を自分の中で学ぶことによって、曲のアレンジ力も知ることができる。そして、ドラムがどうやってその曲に生きているかを学ぶことが出来るんだ。

それに、いつも俺が言うのは「出来る限り沢山ステージにあがったほうがいいよ」って。もし、素晴らしい演奏をできるようになりたいなら、オーディエンスが聞きたい曲を演奏するんだ。VAN HALENがやったようにね。彼らはカヴァーバンドからスタートしたんだよ。

MD:Chevy MetalはCoattail Ridersから引き継いだんですか? 

T:そう。Chevy Metalから派生してThe Bird of Satanでレコードも出した。Chevy MetalのなかにはCoattail Ridersや俺のソロも組み込んでる。俺のサイドプロジェクトは流動的なんだ。でも、今、頭の中は完全にFoo Fightersモードだね。この先6ヶ月はツアーなんだ。俺はいつも曲を書いたりデモを作ったりしてるんだ。ツアーが終わったら、(自分の)レコーディングをする予定だよ。ツアーに出ると何か残しておきたくてね。Foo Fightersはあくまでデイヴの曲のサポートをする役割だからさ。デイヴの書いた「Sunday Rain」みたいに、作詞をやったりメロディを考えることもあるけどね。

MD:家にドラムセットもあるんですよね。

T:いくつかのセットと基本的なことができるレコーディングスタジオを持ってるよ。ソロ作の「KOTA」もそこでレコーディングしたんだ。息子も良いドラマーでね。なかなかいいバックビートを持ってる。もし彼がやりたいなら、いい線いくんじゃないかな。娘はギターを弾くんだ。うちはすごく自由に音楽ができる家なんだよ。

MD:世界的に成功しているミュージシャンとして、あなたのゴールはなんですか?

T:Foo Fightersのサウンドをより良く作っていくことだね。俺は定期的に自分らのショウを次の日にYoutubeで見るんだ。いつも自分のテンポをチェックして、どうしたらより良く出来るかバンドとして良くなれるかを考えているんだ。絶えず、完璧な形を探してるんだよ。

MD:デイヴは素晴らしいドラマーです。でも彼は自身の考えをFoo Fightersには持ち込んでいないですね。

T:デイヴは俺よりも良いドラマーだよ。

MD:でも、あなたの自然体のグルーヴなしではFoo Fightersは最早語れませんよ。特に今回の「Concrete and Gold」もそうです。

T:「KOTA」を聴いてみて。あれは俺がギター、ドラム、キーボードも含めてほとんど演奏したんだ。友達に少し手伝ってもらったけど。the Coattail Ridersの続きでもあって俺の根っこにあるEAGLESやQUEENのヴォーカルサウンドも入ってるんだ。音楽的な自分の声とやり方の基本みたいな作品だね。だからミュージシャンも少なくて、リッピングのギターソロもないんだ。

MD:「KOTA」は何かの略語ですか?

T:”King of the Assholes”だ。これがこのレコードのテーマなんだ。俺はカラバサスに住んでいて、周りは金持ちとかそんな感じの連中でね。カニエ・ウェストの隣に住んでるんだよ。俺なんかはよそ者の気分で、ずっとそこにいるかも分かんないんだけど。いい場所を探すよ。

MD:これからバイクでどこに行くんですか?

T:サーフィンに行くよ。水に飛び込んでいい波をつかむんだ。息子も来てるといいね。良いボードを手に入れたから。俺が子供の頃にサーフィンを始めてから通ってるThalia Beachなんだけど、昔は「鈍くさいホーキンス」って呼ばれてて、俺が海に入ると「鈍くさいホーキンスが来たぜ!」って言われたよ。

というModern Drummerでのインタビューでした。

テイラーの意外な鈍臭さは確かに分かるかも…(笑)若い頃からちょろちょろしていますが、運動神経が良いわけではないので、あまりスポーツの話も聞いたこと無いなあ。今のマウンテンバイクが一番向いているようです。

ソロやサイドプロジェクトの話も多くしていますが、実際に今回の来日時も日本でアコギを調達して、持って歩いていました。C&Gツアーが終わったあとにレコーディングされるのは再びソロ名義か、それとも5つ目になる新しいプロジェクトなのか楽しみです。