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Sparta再始動ツアーUS北西部行脚⑤~ライヴ@バンクーバー編(前編)

シアトル公演から最終公演のバンクーバーに移動します。今回のBolt Busは10時出発とだいぶゆっくり。ライヴ当日移動でしたが、この日はSpartaの出番が22時半くらいからだったので比較的余裕で移動したつもりでした。

シアトルのダウンタウン端っこにあるChinatownの日本スーパーUwajimayaさんの角からバスが出ます。こちらはバス停がちゃんとありました。20分前くらいに着きましたが、結構並んでる…。シアトルからバンクーバー便は間の街も含めて人気路線のようで、ぱんぱんに座っていました。

バスから眺めるシアトルダウンタウン。この日も快晴でした。

バスはハイウェイを一直線で北上してバンクーバーを目指します。

シアトルを出た直後は綺麗なシーサイドが見れますが、その後は郊外の街並みなのでいまいち平坦な感じなんですよね…。

カナダ国境手前の街、ベリンハム(Bellingham)で一度止まってトイレ休憩を兼ねて、運転手さんから関税申告書をもらいます。国境越えになりますので、必要事項を記載しながらいざ国境へ。

カナダ国境でのバスは結構賭けです。他に何台も止まっていると、そのバスに乗っている人数分待たなきゃいけない。この日は運悪く、前に3台止まっていました…。ガーン。だいたい100人くらいいるってこと!?

その時点で運転手さんが中の様子を確認しに行ってくれます。「中に審査官は3人いるけど、だいたい1時間はかかりそうだから覚悟してくれ」とがっかりアナウンス。車の方のボーダーは平日だから空いてていいなあ、と思ったり。

※余談 カリィさんいわく、バンドのボーダー越えもときによっては(審査官次第で)3時間とか拘束されるそうです。商用ですからね…。普通に遊びに行くならアメリカ人もカナダ人もよほどがない限りお互い即OKですが。

そんなこんなで1時間が過ぎて、ようやく私達のバスの順番に。荷物をすべて持って入国審査の列に並びます。カナダの国境超えはあんまり心配せずにボエーっと。空港が一番厳しいので、陸路は比較的ツッコミがゆるいのが過去の経験です。質問も、「アメリカに何しに行ったの?」「カナダでなにするの? 」「何日間いるの?」「カナダから日本に帰るんだね?」で終了。空港みたいに「観光?ひとりで? そんなにひとりで2週間も何するの」というほっとけや!!みたいな質問はありませんでした。

気をつけなきゃいけないのが、自分が大丈夫でも他の人が運悪く審査でひっかかってしまった場合です。これだとバスの乗客は全員その人を待たなきゃいけません。(その人の足が無くなっちゃいますからね…)丁度まさに前のpacific coachのバスがその目にあっていて、待合室に全員詰め込まれて待たされていました…。私のバスはみんなすんなり審査が終わって、即出発できて安心…

かと思いきや、バンクーバーに入った途端、大渋滞!!! バンクーバーはあちこちで道路工事をしていて、それが理由のようでした。もう路線バスで行きたいわ…って後ろのおばちゃんが愚痴ってたので、全力で「完全に同意するわ!!」と加勢して仲良くなったり。結局2時間半遅れて、バスには6時間半乗って到着。疲れたァ…。

バンクーバーのライヴ会場は「Biltmore Cabaret」 昔からあるバンクーバーの老舗クラブ…というかその名の通りキャバレーです。この場所が今やすっかり高級住宅街になりつつあるMain地区の一角。ダウンタウンからは電車でメイン(+サイエンスワールド)駅→バスで25分位。ちょっと不便な場所にあります。グーグル先生がないと、帰りは特にバス停もわからなくなりやすく、0時過ぎればナイトバスになってしまうので本数もぐんと減ります。Google MAPなどで調べながらナイトバスを待つか、タクシーでダウンタウンまで9ドル~10数ドル(+チップ)くらいですので、治安がそこまで悪い場所ではないですが人通りは少ないので女性は特に、帰りは潔くタクシーのほうが個人的にはおすすめです。

※バンクーバーも本当にいい天気で嬉しくなるくらい。このあたりは昔はこんなにマンションはなかったんだけど、すっかりキレイになってた。こんなところにライヴ会場はあります。

この日は北西部ツアーの最終公演。

バンクーバーのお客さんは特にローカルな音楽好きなお客さんが多かったです。温度感はとてもあたたかくて、立ってぽーっとしてたら、カウンターのカップルに腕を引っ張られて「ねえ、座ったら?」と言われたり、みんな和気あいあいという感じの雰囲気でした。

前座のバンドさんを見ながらカウンターに座っていたら、細マッチョなおじさんがポーンと私の肩を叩いて

「エミだよね? カリィから話は聞いた? 僕がチョッパー(ローディさん)だよ。よろしくね」

と登場。おいで! と腕を掴まれて、ステージ脇の機材の前に連れてゆかれました…。

・・・話を遡ること、開場前。カリィさんに時間を貰って、持っていったCDにサインをしてもらいながらいろんな話をしていました。そのなかで、私がシアトル公演でカリィさん含めて、よかったら皆に…と少しずつ渡してもらった日本のお茶の話になり、カリィさんから

「実は、バンドの皆とローディがお土産をすごくよろこんでいて、よかったら今日のライヴはステージの脇から見ないか…って言ってるんだけどどう? ただ、あの場所は音は良くないから、音を聴くのが君は好きなはずだし、選んでいいよ」

「でも、みんなお礼がしたいって言ってるから、ステージのそばに居てくれたら」

と。言われまして、どゆこと…? とよく分かっていなかったのですが、そのままの意味で、ここに案内されました…。

ローディのチョッパーさんは本当にいい人で、小さい私が見えないだろうと椅子を持ってきてくれたり、カーテンが邪魔だからとくくってくれたり、照明が暗いから明るくしてもらうからね、とか、私は大丈夫だからお仕事していいよ…と心配になるほどの気遣いで(汗)

そのうち、フェンスが邪魔だよね、と。「ここからのほうがよくカリィが見えるよ!」と席を設けてくれたのが、

確かによく見えるけど、ここステージへの出入り口…!

ここに私がいたんじゃあ、ローディさんがギターチェンジができないじゃん!と言ったら「大丈夫、前から行くから!」とにっこり。客席からいくんかい…。

カリィさんも横からしっかり見えて、ステージもよく見えるけれど(なんだこのアングル…)

なんだかえらいことに、私なったよ、ね? と思いつつ、小さくステージの出入り口に座らせてもらいながら、私の中でも最終公演のバンクーバーでのライヴを見始まったのです…。