あれから


きっと悪いジョークだと、ずっと思って仕方がないあの公式からのツイートを、この1週間何度も読み返しています。
どんなに待っても、それが覆されることはなく、日本国内でも瞬く間にニュースになり、まさかテイラーの名前をこれほど日本のメディアで聞くことになろうとは、26年のファン人生でも考えたことはありませんでした。

思えば思うほど、考えれば考えるほど、私自身がそれを受け入れることはできず、涙どころか悲しいという感情もなかなか持てないままにいます。
それほど、ファンでいた時間が長く、自分の生活の一部になりすぎていて、彼の活動を追うことがずっと生きがいのような毎日だっただけにこの事実は受け入れることはまったくできていません。その事実が自分に入り込まないように、普段そこまでもう聴いていないほど聴き尽くしていたのに、音源を聴き、動画を見て、埋めていました。見るともうこの世にいないと思ってしまうから悲しいから見れない、とは真逆をいく1週間でした。
テイラーとフーファイのことを中心としたアカウントとして10年続けたTwitterでも通常営業のように、ずっと今まで通りに日々あがる情報にツッコミを入れたりしている日々です。

喪失感を感じてしまうと、ふいにテイラーがこの世から本当にいなくなってしまったことを少しでも思えば、とてもとてもつらく、めちゃくちゃ苦しいです。今すぐにでもこの世界に彼を返してほしいと心底思うくらいに、ずっと、私の人生を支えてくれた音楽であり、ドラマーであり、人物であったので。

でも、

彼のファンでいることは、本当に幸せです。今も過去形にできないほど、そう思います。ずっと絶え間なくフー・ファイターズというバンドとして、いくつものサイドプロジェクトとして、そして個人として作り続けてくれた音楽、ドラマーとしての大きな功績、みんなに好かれる明るくて少しシャイで緊張しいな優しい人柄、ずっと変わることなく、大好きです。

そう思ったら、私が彼を亡き者にする必要はないのかなと思うようになりました。メンバーや家族のように、本当に彼が必要な存在である人たちの気持ちを思えばその苦しみや悲しさは計り知れないです。でも、ファンとして、彼をずっと見てきたその時間を共有することはこれからもできるし、話すこともできるのかな、と。何より、いつも明るくてポジティヴすぎるほどで、超真面目に馬鹿をやるバンドで、デイヴと一緒になってゲラゲラ笑っていたのがテイラーです。湿っぽいことはきっと居心地悪くて嫌いだと思うから。

こういうことになり、沢山のミュージシャンからのテイラーへの山のようなメッセージも読みました。こんなに愛され、憧れられ、求められていたんだと彼もきっと驚いていることだと思います。テレテレしながら、喜んでるだろうなあ。彼が約30年のキャリアで、その人柄と努力でたくさんの人たちから愛される存在になったことは、ファンとしてもとても嬉しかったです。

Twitterの友人、フォロワーさんたちにはとても心配をおかけしました。そう思われてしまうほどだったんだな、と改めて自分のテイラーばかりのTwitter容量に気付かされたりしました。今も、きっと「だいじょうぶ…じゃないよね…」と見守ってくれているんだと思います。本当にありがとうございます。大丈夫ではないけど、だいじょうぶですよ!(1週間後に泣き崩れていたらごめんね!)

フーファイの活動自体は、デイヴの一存で決まるので今後は全くわからないですが、テイラーを大事にしてくれる5人なので任せて見守りたいなと。
今はとにかく時間が必要だと思います。そして、あのときのようにメディアがデイヴを追い詰めるようなことがないように切に願っています。デイヴもあのときとはちがって、沢山の仲間と家族がいるのだから、頼ってくれるといいのだけど。テイラーがデイヴの今を一番心配してると思うから。

今は、いろんなことをまだ考えるし、夢であってほしい、嘘であってほしくて、ずっと心が死んでるというか何も感じないのも本音です。それでも、26年のファン人生がこんなに幸せで、何かこう悔しさみたいものがまったくないのは、こんなに遠く離れた日本にも届くほどに、ひたすらにまっすぐに音楽とドラムを続けてくれたテイラー・ホーキンスという人のファンだからだと思います。進行形ね。諸先輩方のファンの方たちと同様に、まだまだファンは続けたいので。


あれから1週間、そんなふうに思います。