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どくだみテロ

我が家には、猫の額ほどの小さな庭があります。

その庭は、ずっと義父母(同居している夫の両親)が主に手入れをしていました。

ところが、義父が亡くなった後、足の悪い義母に代わって、今度は夫が主に手入れをするようになりました。

手入れと言っても、雑草を取ったり、冬が来たら雪囲いをするくらいのことです。(ちなみに、庭木の剪定は、地元のシルバー人材センターに頼んでやってもらっています)

先日の土曜日、仕事がお休みだった夫は、庭の雑草取りをしました。

作業が終わり、家に入った夫は、やれやれという表情で、私に「どくだみが庭の中で繁殖している」ことを話しました。

夫曰く
「うちの庭、すごいことになっているよ。どくだみが群生している所の岩をよけたら、根っこがウジャウジャと岩の下に伸びていて気持ちが悪いくらいだった。」

…とのこと。
更に、夫はこんなことも言いました。

「雑草を取っていたら、お隣の○○のおばさんが出てきて、いろいろ話を聞いたら、あのどくだみ、うちの爺ちゃん(義父のこと)が植えたんだって。

なんでも、『これを煎じて飲むと体に良いんや~』とおばさんに話していたらしくて、どこからか取ってきたどくだみを、うちの庭に植えたらしいよ。」

…あれ?

そういえば、義父がまだ元気だったころ、「庭にどくだみを植えてみたが、なかなか良いもんやな~」と、義父が義母に『どくだみベタ誉め』で話していたのを聞いたような気がします…(汗)。

そして、義父は時々、どくだみの花が咲く頃に庭から摘んで、小さな花瓶に挿して部屋に飾っていたこともふと思い出しました。

あの頃の義父にとっては、どくだみは可憐な花だったのかもしれないけど…。

義父は知らなかったのでしょうか。

どくだみって、繁殖力が半端なくものすごいということを…(汗)。

「庭に植えて大丈夫だろうか?」

…と、あの時、私は一抹の不安を感じたのだけど、でも、庭の管理は私の役目ではないから、まっいいか~!と、今になっては無責任にも軽く考えていたのでした。

ところが、庭の管理が夫に移行したら、どくだみが庭の中で増え続けていることが表沙汰になり、我が家の問題事項となりました。

「何で、どくだみを植えたんやろうか?本当に信じられん!」

夫はたいそうご立腹でした。

確かになぁ。

『ミント、松葉ボタン、どくだみは絶対に庭に植えてはいけない』という話をよく聞きますが、それをやってしまったうちの義父。

抜いても抜いてもまた生えてくる どくだみ 。

夫は、「全く…。とんでもないものを置き土産にして逝ったもんだよなぁ」 と、困った様子でした。

その後、母屋の掃除に行き、ふと庭を見たら、夫がむしり取ったどくだみが山のように積んでありました。

取ったどくだみは、このまま庭先で干して、枯れ草になったところで、まとめてゴミに出す予定。

それにしても、夫の話の通り、こりゃすごい量だな…(汗)。

びっくりしました。

窓から見るには、それほど酷いと感じなかったけど、庭に降りて見ると、人目につかない日陰にウジャウジャと生えていたみたです。

きれいにむしり取られたどくだみを、お浄土の義父はどう思っていることでしょう。

今ごろ、義父は「しまったなぁ」という表情で息子(夫)をなだめつつも、「お前たちは嫌うけど、どくだみは案外いいもんやぞ…」と、ドヤ顔で言い訳しているかもしれません。

これから私たちは、庭のどくだみを見るたびに、義父のことを思い出し、どくだみを通して義父の存在を近くに感じるようになるんだろうな…と思いました。

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