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エジプトで学んだ猛暑の過ごし方

今から25年ほど昔の夏、私はエジプトを旅しました。

この時、40℃越えの夏の暑さを始めて体験してビックリしましたが、今では日本でも夏には40℃近い酷暑を体験するようになりました。

そこで、当時のことを思い出し、夏の暑さ対策について語ってみようと思います。

エジプト旅行に行ったいきさつ

当時の私は、社会人になって2年目、仕事があまりにハードすぎて、何もかもが嫌になり、「もう辞めたい病」に憑りつかれていました。

そんなある時、職場での残業中に

「あー!どこか遠くにいきたいー!旅に行きたいよー!」

と思わず叫んだところ、すぐ近くにいた同期の同僚(女子)が、「じゃあ一緒に旅しよう!」と言ってくれて、その場の思いつきで「エジプト行きたい―!」と言ったら、「よし分かった!」と、職場の新聞の海外旅行のツアー広告の中から「エジプト〇日間の旅」をピックアップし、同僚がすぐに電話予約。

こんな感じで、「よし!行っちゃおう!」と、その場のノリと勢いで決まったエジプト旅行でした。

(ちなみに当時は、まだだネットが普及していないアナログな時代でした…)

こうして2ヶ月後の夏休みに、私は社会人になってコツコツ貯めた大事な預金を全て投入し、エジプトに旅立ったのです。

しかも、これが生まれて初めての海外旅行でした(汗)。

8月のエジプトは午前11時には40℃越え でも湿度は低めでカラッとした暑さ 

私がエジプトに行ったのは8月。日本よりも赤道に近いので、当然暑いです。

でも、日本みたいに高湿度のジメジメした暑さではなく、カラッとした爽やかな暑さでした。聞くところによると、エジプトは湿度がかなり低いので、40℃くらい気温があっても、サラッとして涼しく感じるそうです。同じ暑くても、湿度が低いとこんなにも体が楽なのかー!と、非常に驚きました。

しかし、太陽熱による暑さは強烈で、太陽の日差しがジリジリと肌に突き刺さります。この強力な紫外線から身を守るために、日焼け防止は必須でした。

向こうでは、午前11時くらいになると、外の気温は軽く40℃を越えます。

私たちは団体旅行の旅でしたので、他の日本人観光客と共に、ホテルから遺跡までバスで移動します。この猛暑の中、徒歩で遺跡を見て回って歩き、集合時間になると、冷房の効いたバスの中に戻ります。バスの中は涼しくてとっても気持ちがいいのですが、この気温差(外40℃越え⇔冷房20℃前後)で、私たちの体調はジワジワと狂い始めます

観光バスから出たり入ったりしているうちに、この急激な気温差のせいで、自律神経が絶不調になります。また、暑くて喉が渇くので、ついついお店でいただく冷たい飲み物をぐいぐい飲んでしまい、お腹の中が冷えて、ますます身体がバテていきます。

この「暑い⇔冷やす」のループを繰り返した結果、ツアーが始まって1~2日目くらいから、だんだんと体を壊す人が出てきました。

まず、同じツアー客のおじさん(70代くらい)がダウン。もともと心臓が弱かったそうで、太っていたし、身体への負担はかなり大きかったようです。途中から、見学予定の遺跡に到着しても、バスから降りずに、冷房の効いたバスの中でずっと休んでいました。

そのほかにも、やはり暑さと冷房の気温差や冷たい飲み物で身体の不調を感じる人が出てきて、ガイドさんが大変そうでした。

暑いなかに長時間いることも大変ですが、冷房と酷暑の中を往復することもまた、身体の負担になり体調を壊す原因になるのだなぁ・・・と、この時、自分の身をもって知りました。

ちなみに、私たちはツアー3日目くらいでお腹を壊しました(泣)。

でも、こうしてエジプトに数日間滞在しているうちに、だんだん暑さに体も慣れてきて、更に、現地の人たちの様子を観察して「猛暑の中でも健康でいられるコツ」を掴んでいきました。

その後、自分なりに工夫して、自分の体に負担をかけないよう気を付けるようになり、体調管理を意識したら、そのうちに体調が戻っていきました。

・・・ということで、向こうで学んだ「猛暑の過ごし方」が、今の日本の暑さ対策の参考になるかもしれませんので、ご紹介したいと思います。

ただし、ここでご紹介するのは、今から四半世紀前(25年ほど前)のエジプトで体験したことなので、当時と今では、全然様子が異なるかもしれません。あらかじめご了承下さい。

※しかし、四半世紀前とは・・・。、自分でそう書いておきながら「そんなに年取ったんかー!」とビックリしました(汗)。

冷たい飲み物は厳禁。暑くてもホットコーヒーを飲む

エジプトの人たちは、冷たい飲み物は絶対に飲まないそうです。

一応、お店には冷たいコーラなどを置いていますが、これらは観光客向けで、現地の人たち(男性)は、濃くて熱々のホットコーヒーを飲んでいました。

このツアー中、個人営業の小さな宝石店に入ったとき、店主のお兄さんが、出前を頼んでくれて、小さなガラスの器に入ったドロドロの濃いブラックコーヒーを出して下さいました。

向こうの人は、そのコーヒーのことを「トルキッシュ・コーヒー」と呼んでいました。トルコ風のコーヒーという意味のようです。

一口、口に含むと、苦みが強くて濃く感じられました。しかも熱々なので、舌を火傷しないようフーフーして飲みました。

でも、これがまた美味しいのです。日本風にいうと「暑気払い」という感じかな。カフェインが強めなのかもしれません。飲むと体がスッキリしました。

このコーヒー、すごく小さな器に入っているので、一般的な日本のコーヒーよりも少量です。でも、この苦みとドロッとした濃さなら、飲む量としてもこれくらいが丁度良いなぁ…と思いました。

この経験があって、私は、暑い夏でもアイスコーヒーは飲まなくなりました。

たまに、暑くて喉が渇いたときに、カフェでアイスコーヒーを頼むことはありますが、その後、お腹が冷えて何となく調子が悪くなるので、やっぱりホットコーヒーにしています。

その他の飲み物も、冷蔵庫でキンキンに冷やさず、常温で飲むことを心がけています。

暑すぎる日中は無理して働かない

エジプトの街を歩いていてビックリしたのが、日中は、木陰で昼寝をしたり休んでいる人ばかりだったことです。

カイロなど、大きな都市の街中の商店や近代的なビジネス街は別にして、一般的な庶民の皆さんは、暑い日中は、木陰でだら~と寝転がっていました。

しかも、働き盛りの男性ばかり(汗)。

ダラダラ~と横になって、日本人の私たちが通ると、「サラバジャー」とか「モウカリマッカ?」とか、変な日本語で話しかけてきます。それが、一人じゃなくて、たくさん!みんなが・・・です。これには驚きました。

勤勉さが取り柄の日本人が、日本の価値観で彼らを見ると、

「えっ?いい年の大人が、昼間っから何もしないで外でゴロゴロしてる~!信じられない~!なんちゅー所じゃ!」

・・・と驚き、呆れ、イラッとするでしょうが、向こうの価値観だと

こんな40℃越えしているところで、真面目に外で働いていたら、マジ死んじゃうよ!

…なんですよね(汗)。

ぶらぶらと観光で歩いているだけでも、死にそうになるほど暑い所です。

そんな所で、日本人的な感覚で必死に働いていたら本当に死んじゃうよね・・・と思いました。そして、

酷暑の中では、日中は何もしないで休むべきだ。

…と悟りました。

それに数日間、現地に滞在していると、エジプトの皆さんの「適当さ」&「ゆるさ」にも、だんだん慣れていきます。

すると、今度は

猛暑のなか、几帳面に真面目に仕事して、残業しまくって命削ってまでもコツコツ働いている日本人の方が、世界標準で見たら、実はかなり異常なんじゃないか!?

と、そう真剣に感じるようになったのです。

"あの殺人的な蒸し暑さの中で、自分の体に鞭打って無理して頑張らなくても、もっとゆるく生きてもいいんじゃないか…?と。あそこまで緻密に働きすぎなのは、もう変態の域なのかもしれない。異常だ…。"

と、そんな風に、私の意識も変わっていったのです。

思えば、昔の日本人…、江戸時代のお百姓さんたちも、朝早くに働き、日中の暑いときは、家のなかで休んで過ごしていたことを思い出しました。

昔の農家は土間が広くて、屋内はヒンヤリして涼しかったので、野良仕事を終えた午後は、家のなかでゴロゴロして過ごしていたのですよ。

そうだ、私達の先祖も同じだった!

…そう気づきました

それ以降、私は、猛暑の中で無理して頑張ることは止めました。

日本人のご先祖さまもそうだったように、朝の涼しい時に外仕事をして、日中は無理をしないよう気を付けています。

暑いとき、体が最も求めているのは西瓜(すいか)!

エジプトで何が美味しかったか?というと、なんと!西瓜(スイカ)でした。

ちなみに、エジプトが西瓜の発祥の地だというとこは、このエジプト旅で初めて知りました。

向こうの西瓜も、日本の西瓜と同じで、甘くて瑞々しくて美味しかったです。
ちなみに、向こうは丸じゃなくて細長い形のスイカでした。

ツアーの終わりに、私たちはエジプトの郷土料理を出してくれるレストランでランチをいただいた食事のですが、デザートに出された西瓜がものすご美味しくて、ご一緒したツアーの他の皆さんと、
「うわー!うまい!」
「美味しい!」
「もっと食べたい~!」
と大喜びしました。
あのときのスイカを今も思い出します。
旅の疲れが出ている頃で、スイカの滋味深さが体に染み、いくつもおかわりしました。
皆さんでガッツリいただきました。

エジプトでは、私たち旅行者は、熱中症予防にミネラルウォーターをこまめに飲んでいました。でも、お水をそのまま飲んでいるだけでは、お腹が水でふくれるだけで、身体が浮腫んだり、かえって疲れやすくなりました。水分を摂らなくてはいけないけど、飲み過ぎもしんどくて、ちょっとバテ気味で辛かったのです。

ところが西瓜は、水分補給にバッチリな上に、利尿作用があって浮腫み対策にもバッチリ。暑さでお疲れ気味の内蔵にも優しく作用してくれます。西瓜って腎臓に良いみたいですね!

暑さバテ気味だった体の五臓六腑に、西瓜の汁がしみ渡り、喉も潤い、本当に美味く感じました。まさに体が欲していた!そんな感じでした。

エジプトの人たちも、暑さバテ予防に西瓜をよく食べるそうです。

暑さ対策に、西瓜はとても利に叶った食べ物だと思いました。

…ということで、日本に帰ってからも、暑い夏は、西瓜を率先して食べるようにしています。

日本の夏には、西瓜はよく合います。

締め付ける服は着ない。自然素材でゆったりした服を着る。

私が旅した時、エジプトの男性たちは「ガラベイヤ」と呼ばれるワンピース様の服を着ていました。 サウジアラビアの王族の人たちが着ているような、ストンとしたシルエットの長袖ロングワンピースです。

今は、エジプトでも田舎の人しか着ないみたいですが、これ、とても良いものでした。



実はこのツアーのとき、ホテルからのサービスで、男性用の白いガラベイヤを一人一着ずつもらったのです。

すると、早速、次の日に、そのガラベイヤを同じ団体の男性(40代くらいのリーマン)が着てきました。その人曰く、

「ものくごく楽!風がスースー通って涼しく感じる。これはエジプトの暑さに合っていると思う!この服、すごく良いよ~!」 ・・・とのこと。

私たちも、ホテルのお土産屋さんで女性用のガラベイヤを買い、着てみました。(女性用は刺繍が施されて、とても鮮やかで美しいです。)

素材はコットンで、全体的にゆとりがあり、風通しが良く、確かに楽チンでした。着心地もとても良かったです。

湿度が低いエジプトには、長袖&ロング丈で手足をカバーする形の服の方が合っていると思いました。長袖で、しかも首は襟元までしっかり詰まっていて、丈も足元まであり、身体全体を布で覆うようなスタイルですが、湿度が低いからあまり暑く感じられず、むしろ紫外線を遮るので涼しく感じました。また、ウエストがストンとしてて、お腹回りの締め付けがないので、身体がリラックスできて、とても楽です。

このとき、

その土地の民族衣装って、ちゃんと利にかなっていて、その土地の風土に適したものなんだなぁ・・・ と思いました。

そして、

暑いときの服は、見た目や流行よりも、自分にとって心地よいもの、通気性がよくてゆったりしたものが良い

…ということも悟りました。

そこで、ふと思い付いたのが、

日本の夏は、裸足に草履や下駄、

着るなら浴衣や甚平がぴったり!

…ということ。

今でこそ、浴衣はお洒落着としてキチンと着ている人がほとんどだけど、私が子供だった昔は、日常着や寝間着に浴衣を着る人が普通にいて、今よりうんとラフで、崩した着方の人も多かったような気がします。

そうだ!昔の日本も、みんな、ゆるくて楽チンな着方だったなぁ…と。

最近は、若い子達の間で、甚平や浴衣をお洒落に着ている子を見かけますが、日本の夏を乗り越えるなら、そうした日本の昔ながらのものが一番適しているのかもしれないなぁ…と思いました。

それ以降、私も酷暑の日は、体に負担をかけないもの、無理をしないもの。心地よいもの。そのようなものを選ぶようにています。

最後に

以上が、私が、若かりし頃、夏のエジプト旅行の体験から学んだことです。

あの時は、「40℃なんて日本では信じられない!」と思いましたが、今の日本も40℃に迫る勢いでガンガン暑くなっています。

今までの感覚で油断していると、体に大きな負担をかけてバテてしまうので、これからは暑さ対策をしっかりとって、無理をしないよう気を付けなくてはいけないなぁ…と思いました。

皆さまも、どうかお体にお気を付けて、楽しい夏をお過ごし下さい。

この記事は、2020年8月18日に加筆しました。

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