良い人であることをやめる

最初に説明すると、この題目の「良い人」とは、世間体的に「良い人」であり、別の良い方をすれば「他人から見て、都合よく利用できる人」でもあります。

「自分の気持ちに正直に生きる」ことを実践していると、時々、他人から非難されたり人と衝突することが出てきますが、ここで言う「良い人」とは、人との衝突を恐れて、自分の意志を捻じ曲げ、自分の本当の気持ちを押し殺し、周囲の人々に無理やり合わせている、そういう状態の人のことを、(人から見て)「良い人」と呼んでいます。

自分軸ではなく、他人軸での「良い人」です。

なんだか最近、急に涼しくなり、心身共に落ち着いて穏やか過ごせるようになったら、「良い人であることをやめよう」というメッセージがどんどん降りてくるようになりました。

これは私なりに解釈するに、

・「良い人でなくてはいけない」…という思い込みを手放しなさい。

・自分のマイナス面やコンプレックスを隠そうとする、その気持ちに気が付きなさい。

・人から良い人だと認められなくても、大丈夫。むしろ、人から良い人だと認められることを諦めた瞬間から、自由に自分らしく生きていけるようになる。

…ということだと思いました。

これってどういうことか?…というと、「自分が感じたことを、人目を気にせず、素直に自由に実行し続けてみなさい」ということでもあります。

世間体や人目を気にして、人から良く見られようと、うまいこと取り繕ったり、無理してカッコつけたり、見栄を張ったり、空気読んで動いたり…等、そういう面倒くさいことは止める…ということです。

表も裏も無く、正直に自分を出していけば良いのです。人からどう思われようと、「これが私」と堂々と自分を出していくことです。

そして、周りに合わせて自分を抑え込むことは止めて、自分の感じたままを行動に移していく、実践してみる…ということです。

具体例をあげて分かりやすく説明すると、「トイレに行きたければ、我慢しないでトイレに行く」ということ。(←変な例えでゴメンナサイ・汗)

沢山の人がいる前だと、自分一人が席を立ってトイレに行くなんて、周りの人に迷惑をかけそうだし、自分自身も注目を浴びるので、とっても恥ずかしいし怖くてできない…という人がたまにいます。

でも、今、どうしてもトイレに行きたくて堪らないのなら、変に我慢しないで、ここは勇気を出して思い切ってトイレに行けばいいのです。

だって生理現象なんだし、我慢したら体にも悪いし、何より自分自身が辛くて苦しいと思います。

ところが、「自分の身体の苦痛」よりも「人に迷惑をかけたくないし恥をかきたくない」という方を選択してしまう…。自分の苦痛を解消するより、他人からの視線に重きを置いて物事を他人軸で判断しようとする…。←ここに自分の心の弱さ&課題がある…ということです。

どうして自分の体の訴えより、世間体や自分の保身を大事にするのか…。ここを振り返ってほしいのです。

これはトイレを例にたとえて説明しましたが、トイレ以外にも、いろんな場面で「自分を押し殺す」ことが日常的に多くあると思います。

特に日本人だと、自分個人のことより「集団の利」を大事にすることを子供時代より徹底して躾けられているので、自分を大事にすることに罪悪感をもったり、自分を粗末に扱うことの方が気が楽でいい…という人も多いのが事実です。

特に、集団意識が強く働く地域や組織の中で生きていると、その傾向は更に強くなると思います。自分が属している集団から爪はじきにされないために、自分を犠牲にすることが平気で出来る…。またこうして自分を犠牲にすることが美徳だと言われ、それを自然と周りから強要させられる…。だから、ついつい無理して自分に我慢を強いてしまうのです。

こんな感じで、多くの人が、自分の体からの声&自分の心の声を無視して、周りの空気に無理やり自分を合わせようとして生きています。

自分が我慢すればうまくいく…。そう信じて、自分の身体や本心よりも、周りからの無言の圧力や空気を尊重し大事にする…。そういうことを日常的にやっています。

そうなると、自分の心身の声ではなく、周りの人々の意識を重視した行動をとるため、どんどん「本当の自分」から乖離していくのです。

もしも自分がここで勝手に動いたら…

・周りに迷惑をかけるかもしれない…

・場の空気を悪くしそう…

・後でコソコソと悪口を言われるかもしれない…

・マナー知らずと思われるのが怖い…

・自分だけ違うことをするのが恥ずかしい…

云々。

でも、自分の心身が、周りの圧に反して、強く「こうしたい」「こうしてほしい」と訴えているのなら、素直にその声に従って行動し実践していくこと、これが大切なのです。

「自分」を守れるのは、「自分」でしかありません。人から何と思われようと、人からどう言われようと、自分の身体からのSOSは素直に聞いて、自分の身体を守るための行動に出なくてはいけません。

ちなみに、自分の心身は「Aがしたい」「Aを選択するべき」と訴えているのに、周囲の人々が「Bかいいよ。Bを選んでBへと進みなさい」と言っていると、ついつい自分の心身からの声を無視して、他人の意見ばかりを聴き遂げてしまうことがよくあります。

こうして他人の意見に従った行動ばかりをとり続けていると、本来、自分が進むべき道(心身の声が指し示す道)から、どんどん離れてしまいます。

つまり、「自分の意識はAが良いと思っているのに、現実はBを選択しBへと突き進んでいる」ということです。これだと、AとB…全く異なる方向へ自分を進めていくため、自分の心と現実がどんどん引き裂かれていく…そんな状態に陥ります。結果、バランスが崩れて、心身にストレスが溜まり、体や心の病気になりやすくなるのです。

これを防ぐには、「自分の意識が向かう方向」と「自分が意図して行動し進んでいく方向」を一致させること。

つまり、自分の心が「Aがしたい」と感じたら、ちゃんと「Aをやる」ということを実践していくことなのです。

これが、スピリチュアルでいう「自分らしく生きる」ということです。

宇宙や神仏は、いろいろな形で私たちにメッセージを送り続けていて、また高次の自分(ハイヤーセルフ)も、今世での自分の生き方について指針を出してくれています。それらをキャッチするのが、心であり身体です。

心と体は、メッセージの受信機でもあるのです。

ところが、自分軸を忘れてしまい、他人軸で生きることが当たり前になっていると、そうした高次からの声を「思い過ごし」だと、脳が勝手に処理してしまい、もみ消してしまうのです。

結果、どんどん感度が鈍り、メッセージが受け取れなくなっていきます。

ですので、あまり思考に縛られず、心のままに感じたことを実行に移していくことが大切です。直感やひらめきの能力を高めるために、心に感じたことを行動してみることです。

ある時、ふと、「あっ、あの人に会いに東京へ行きたい」と思ったら、「どうして?何で?」と考えず、また、「お金がない、時間がない」と言い訳を作らず、感じたままにサクッと東京に行って、会いたい人に会ってください。

直感に従って行動すると、驚くほどスムーズに物事が運び、様々な心配もなく、順調に流れていきます。そして必ず体験できます。

余計なことを考えず、ワクワクする気持ちでサクサクと行動していくことがコツです。

自分では「どうしてそれがしたいのか?」の理由も根拠もサッパリ分からなくてもいいのです。

自分のエネルギーがその場所に必要とされているかもしれないし、会いたい人のエネルギーに触れることが今の自分に必要なのかもしれないし、また、それ以外の人で現地でたまたますれ違っただけの人々の中に、もしかしたら私のエネルギーに触れることが必要な人もいるかもしれない…。

今は分からないけど、1年後・3年後に10年後に、あの時東京に行った理由が明らかになるかも知れない…。

あるいは、終生、「どうしてあの時、あの場所に行きたかったのか?」…がとうとう分からず仕舞いで済んでしまうかもしれない…。

どうして?なんで?と納得できる根拠や理由を必要とするのは、人に説明して理解を得なくてはいけない…という長年の思い込み&心の癖があるからです。

「根拠のない自信」が自分の中にあれば、それでいいのです。人に説明して納得してもらい、正しく理解してもらおうと頑張る必要はありません。

ただ、自分がその経験を得て、いろんなことに気づき、その世界を知って、何かを感じられたら、それでOK…ということです。

これが宇宙の采配であり、私たちはただ経験するためにこの地球上に生きています。だから、ただ体験することです。

理由なんて本当は分からないし、根拠も原因も今はサッパリ分からない…。それで良いのです。

単純にただそれが自分に必要だからこそ、「これがしたい」「あの人に会いたい」と感じて思う…。ただそれを行動していくだけのこと、なのですよ~。人生って、本来はとってもシンブルなのです。

その時、その瞬間、強い衝動性をもって「ここに行きたい」「これをやりたい」と感じたのなら、それが今の私にとって「必要なこと」だということです。

利益や損得勘定もなく、ただ純真に「行動したい」というエネルギーが沸いたのならば、それを使わなくてはいけません。

だから、そういう時は、人が何と言おうと、人から止められようと、陰で悪く言われようと、自分の気持ちに正直になり、心のままに行動していく…。これがとても大事なのです。

しかし、日本に生きていると、なかなか自分の心のままに行動することが難しいです。

世の中には、人を妬む人、陰で悪く言う人、怒る人、べったり依存して絡んでくる人、他人の人生を邪魔して足を引っ張ろうとする人がたくさんいます。

夢を叶えながら生きていく人を絶対に許さない、認められない…という人もたくさんいます。

そういう人を恐れて、何もしない・何も行動しない・周りに合わせて自分を押し殺す・自分が犠牲になる・人柱になる…云々。そうやって、人から言われないよう、悪く思われないよう、ピリピリと気を使って周りに合わせて自分を隠しながら生きていく…。

それが、ひと昔前までの一般的な日本人の生き方だったと思います。

でも、それではもう時代の変化に対応できません。

自分の気持ちを尊重して、自分の気持ちをどんどん表に出して行動していく時です。

「出る杭は打たれる」という価値観で皆が牽制しあい、監視し合ってきた時代は終わったのです。これからは、みんなが自分の個性を際立たせて、自由に自分を出していくことです。みんなが全員「出る杭」になれば、嫉妬も怒りも無くなると思います。

むしろ、出る杭になることを選択し、勇気を出して「自分らしい生き方」を実行・実践することで、周りの人々に「私も、あの人のように自分の個性を出して、自由に楽しくノビノビと生きたい」と思わせるようになるかもしれません。良い意味で周囲に「影響を与えていく」ことになると思います。

そういう意味でも、もう「良い人であることをやめる」…これ、とても大事だと思います。

これからは、「良い人」ではなく、「自分に正直な人」が目標です。

自分に正直になり、周りに対しても正直になる…。

正直さを貫きながら生きていく…。

これが、真のスピリチュアルだと思います。

これほど変化が著しい時代の中で、地に足を付けてガッツリ現実的に生きていこうと思ったら、もう他人に対して「いい顔」をしている場合ではありません。

他人を気にするあまり、自分の心と現実が乖離してしまうことがないよう、自分に正直になり、良い自分も悪い自分も全てを丸ごと受容して愛してあげることです。

「良い自分」でいても良いし、「悪い自分」で居てもいいんです。両方とも同じくらい好きになりましょう。

「悪い自分」を隠して、「良い人」だけで生きていくなんて無理ですよ(笑)。

いろんな自分があるから楽しくて面白いのです。

どんな自分であっても、自分への信頼を失わず、自分への愛を深めて、自分らしく生きる…。これを大切にしていくことだと思います。

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