恋をしている場合は別として、基本的に、他人のことはあまり考えない方が良い。

他人のことで頭の中が一杯の状態の時は、たいていの場合、自分の精神状態もロクなものではないことが多い。

人のことが気になって仕方がない。

人の反応に敏感に反応してしまう。

人の関心の矛先を、自分の期待通りに向くよう画策して、人を操作したいと思ってしまう。

…すべてはエゴからくる感情だ。

そういう時は、自分軸がずれていて、自分らしく生きていない状態でもある。

「他人のことをコントロールしようという欲は捨てなさい。」

…ただそれだけ。シンブルだけど、これだけに集中すれば、たいていのことはうまくいく。

「他人のことより、自分の心を制することに意識を向けなさい。」

…心からそう思う。

人のことなど、どうでもいいのだ。

まずは自分。

そんな風に他人のことに首を突っ込みたがる自分の心を、まずはコントロールできるよう自分を律することが先決でしょう。

「親切心という名のエゴで、相手を縛るのはやめなさい。」

…基本的に人は自由なのだ。

何をしようが、何を食べようが、どこへ行こうが、誰とつるもうが、全てはその人の自由意思で決めること。

何故、あなたが他人のことまで決めてあげるのだ？

どうして、あなたが勝手に「こうしたほうがいい」と決めつけて指示するのだ？

どんなに親しい間柄でも、他人と自分との間の境界線をきちんと引いて、相手を尊重することが大事だと思う。これは生きていく上での基本的マナーだ。お互いに心地よい関係でいられるために、ちゃんと相手の存在を認めて、相手の意志も尊重してあげることだ。

そして、他人の決断をジャッジも否定もせず、まずは受け止めることが、本当の愛だと私は思う。

「他人の決断」とは、その人の細部にわたってたくさん存在する。たとえば「人の悪口を言う」というのも、細かく言えば、その人が「人の悪口を言う」ということを実行すると決断するから、それが行われているわけだ。本人には自覚がなくても、現象として現れてくる行動は、深い意識の中で「これをやる」と決めたからこそ、行動に表れている。

だから、無意識にやっているようなことであっても、それはその人が自分の意志で「これをやる」と決めた結果なのだから、「人の悪口を言う」という相手の行動をそのまま尊重すればいい。

ただし、自分は「人の悪口を言う」のが嫌で仲間に入りたくないのなら、「私は悪口は言いません」と宣言して断り、相手から距離を置けばいい。

ここでも、自分の意志をしっかり確認して、「自分はどうしたいのか？」を決定しなくてはいけない。雰囲気に流されて一緒になって「悪口を言う」ことになったとしても、それは、自分がそうすると決めた結果なのだから、自分の意志で決断して実行したことになる。

だから、全ては「自己責任」なのだ。

これを詳しくはカルマというが、他人に流されたとしても宇宙や神仏から見れば、その人自身が「そうする」と決めたことに変わりない。

だから、怖いのだ。

ちょっとした判断でも、惰性でやったことであっても、実際に自分がそれを体験した以上、それは「自分が決断して自分の意志で決めたこと」になる。

適当にボンヤリ生きていくことの怖さが、これでわかると思う。

ちゃんと自分の意志を持って、自分の判断で生きていくこと…。これが大切なのだ。

◇◇◇

心を見つめてみよう。

相手の反応や意見に対して、自分はどう思うのか？どう感じるのか？

…これは個々の自由だ。

人は基本的に、何を感じてもいいし、何を思ってもいい…と私は思う。

それが模範的でなくても、倫理から反することであっても、その人が思うことや感じることは、やはり自由であるべきだと思う。

結果、行動も言動も、その人の自由意思が反映されたものであるなら、やはり自分の好き嫌いに関わらず、客観的立場から「そのまま・ありのまま」を受容することが大切だと思う。

とりあえず、それらを受け止めてみる。感じてみる。

感じてみて、自分の気持ちを素直に認める。受け入れる。

そんな感じで、人との間の距離感も上手に図りながら、自分の気持ちと真摯に向き合い、「自分の気持ち」を主軸に置いて生きていくことが大切だと思う。

他人軸になっていると、他人のことが気になってしまう。

他人軸だから、他人の判断に従い、自分を消失させてしまう。

他人軸だから、他人に自分を投影して、他人を操作しようとしてしまう。

いやいや…。他人じゃない。すべては自分だ。

他人に向けている執着にも似た「関心」を、他人ではなく「自分」に向けなくてはいけない。他人ばかり目で追っているのは、ただの現実逃避である。

自分から目を背けて、自分と向き合うことから回避しようとする、それはまさに「単なる現実逃避」だ…。

◇◇◇

自分は本当はどうしたいのだろう？

自分は何を求めているのだろう？

自分はどう生きたいのか？

自分にとっての幸せってなんだろう？

・・・そんなことを真剣に考え、自分のハートで物事を感じ取り、自分の心の中を「自分のこと」でいっぱいに満たしてほしいと思う。

※ただし、恋をしている時は、相手のことで心も頭も一杯になってしまうから、それはそれで別の話。