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アピタが消えるって?

昨日、地元のアピタが来年1月に閉店するというニュースが流れました。

実は、随分前から「アピタは撤退するらしい」とか「つぶれて閉店するみたい」という噂は、まことしやかに流れていました。

そして、ここ1ヶ月前くらい前から、あの土地の地主さん筋の人の話…という前置きで、やっぱり閉店するらしいよ〜という噂が耳に届くようになり、「いよいよかなぁ…」と思っていました。

ですので、昨日のニュースを聞いて「ものすごくショック!」というよりも、「ああ、やっぱり!とうとうその時が来たのか…」という気分です。

そして、とても淋しい気持ちになりました。

開店してから閉店まで、ほんの15年ほどの期間でしたが、車で入りやすいこともあり、日常品(特に食料品で)のお買い物で、私はよくアピタを利用していました。

子どもがまだ小さかった頃は、子どもが行きたがるので、(特に何を買うわけでもなく、ドトールでおやつタイムなど)ほぼ毎日のように行きました。

そんなことで、この地元のアピタは、当時の様々な思い出がいっぱい染み付いた場所でもあります。

それが来年1月で消えて無くなるのか…と思うと、私のなかの『ひとつの時代』も節目を迎えて終わるような感じで、なんとも淋しいものです。

それに私は、アピタ内のドトールが好きで、今もよく通っているので、もう気軽に行けなくなるのか〜と思うと、本当に悲しかったです。

早速、昨日の夕方、ドトールへ珈琲を飲みに行ったとき、店員さんに聞いてみたら、今後、店舗を移転するか撤退するのか?…まだ分からないとのこと。

ドトールのブラックカードを持っている私としては、是非、市内の何処かに移転して、お店を継続してほしいなぁ…と思いました。

でもね…

今だから言うんだけど…。
(今更ですが…汗)

15年ほど前の、地元にアピタがオープンした日、私はオープン記念セールに行ったのですが(どんだけアピタが好きなのだ?笑)、そこでお米を買ったのです。

オープンセールの広告を見たら新潟産コシヒカリが超特価で、しかも、ちょうど家のお米がきれる頃だったし、そこでお米目当てで行ってみました。

オープン記念なので、店内はたくさんのお客さんで賑わっていて満員御礼状態です。

満車の駐車場になんとか車を停め、たくさんの人を掻き分けて、なんとか目当てのお米売り場に行ってみると、お米は売り切れるどころが、山積みになって売れ残っているようでした。

そこで、私が特価のお米10キロをカートに積んでレジに行こうとしたところ、お米売り場担当の男性スタッフが、
「やっと客が来てくれた!」と喜び、私に「どうしてこの土地はの人は米を買わないのか?」と私に聞いてきたのです。

どうも私は、お米を買いにきた唯一のお客だったみたいです(汗)。

この男性スタッフさんは、北陸訛りの話し方だったので、この土地の人では無さそうでした。

「何でって言われてもなぁ…(汗)」

…と思いつつ、急な質問に、私は返答に困ってしまいました。

だってね…。

この土地は、(寒冷地だけど)知る人ぞ知る、県下でも有名な『美味しいお米の産地』なんですよ。

全国区でも最優秀賞で表彰されたような、そんな高品質の美味しいお米が採れる土地なのです。

だから、わざわざ他県のお米を買わずとも、自分のうちの田んぼを持ってて家族でお米を作っている家も多いし、また、田んぼがなくても米を作っている知人や親戚がいて、そういうところからお米を分けてもらう家も多いです。

うちの場合は、たまたまこの時だけ、食べるお米が切れてたから買いに走ったけど、もともとお米には困っていない土地なんですよ…。

他県の都市部なら、オープン記念セールの時には、特売のお米に客が殺到するかもしれませんが、ここだと、そういうことはまずないだろう…と思うのです。

でも、この男性は「どうしてか?」と不思議そうに私に聞いてきます。

そんな男性の姿をみて、私は「大企業で、しかもこんな大きな店舗を出店するというのに、この土地のこと、何も知らないの!?」…と、ちょっと驚きました。

要は『マーケティング』だと思うのですが、私は、この地域のことをかなり調査して戦略的に出店したんだろうな…と思ってたので、お米のことを客に聞いてくる男性スタッフの姿に、軽い衝撃を受けました。

その後も、私はちょこちょことアピタに行くのですが、だんだんとオープンした日の勢いが無くなっていくのを感じました。

本当に欲しいものがあまり無いのです。

他地域や他県の店舗と同じものを並べていても、この土地の人たちのニーズは別のところにあるから、それでは売れないよなぁ〜と思うことも多々ありました。

たとえば、雪国なのにハイヒールのブーツが真冬に大量に並んでいたとか…。

地元民から見ると、ちょっとピントがずれた商品が売られたりしてて、老婆心ながら「大丈夫かな?」と、アピタの先行きを心配したりもしました。

しかも、土日は混むけど、平日はガラガラ。
もちろん、お店の皆さんも頑張っているのはヒシヒシと感じるんだけど、需要と供給のバランスが上手くいっていなくて、空回りしている雰囲気も感じていました。

そして、昨日。

とうとう閉店のニュースが流れてしまった…という訳です。

アピタ、好きだったのになぁ…。

すごく残念です。

でも、これも時代の流れなんでしょうね…。

昭和の頃のような大量消費の時代ではなく、大型店が流行る時代でも無くなったということです。

そして何より、少子高齢化が進む日本では、消費者も高齢化&減少していく訳だから、『儲かった頃の昔のやり方』は通用しなくなっている〜ということです。

今は、昔と違って交通網が発達したから、同じお金を払うなら、名古屋や東京に出掛けて専門店で買うだろうし、まだ、ネット通販を利用して、わざわざ店に行かなくても簡単に欲しいものを手に入れることができます。

特に、地方の人ほど、地元のお店に無いものはすぐにネットで検索して、安く手に入れるって人、結構多いと思います。

また、地方の田舎にいても、全国の人を相手にネットで商いもできるし、そういう点では、地方にいても都会と変わらない豊かさを受けとることができます。

そうなると、大きな店舗を構えて大量の商品を並べて、そこでお客さんを集めるやり方は、よほど魅力がある店以外、難しいんじゃないかな…と思うのです。

作り手や売り手の人間的魅力やストーリーをその商品に添付して、マンツーマンで物とお金を循環させるシステムへと変化しつつある時代です。

そんな時代の変化の流れに乗るには、今までの慣れ親しんだスタイルを手放して、根底から大きく改革していくことが必要なんだろうな…と思います。

それは、アピタだけでなく、国の政治や教育のスタイルにも当てはまることなのかもしれません。

世の中の全てのことについて、古くなって機能しなくなったシステムは、見直して改革していく時期なのでしょう。

淋しいけど、古いスタイルを手放して、新し変わらなくちゃいけないんだな…と。

そんなことを、アピタ閉店のニュースで思ったのでした。

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