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私用で名古屋を訪れたので、『あいちトリエンナーレ2019』に行ってみました。

先日、書家の石川九楊先生の作品展を鑑賞するために、日帰りで名古屋に行ってきたのですが、せっかくなので、同じく名古屋で開催中の『あいちトリエンナーレ2019』も見学してきました。

会場がいくつかあるなかで、私は愛知芸術文化センターを訪れました。

ちなみに、この『あいちトリエンナーレ』は会場がいくつかに分散されていて、メイン会場は、この愛知芸術文化センターですが、その他は名古屋市美術館、四間道・円頓寺(←こちらは名古屋市内の商店街です)、豊田市美術館、豊田駅周辺です。それぞれの場所が離れているので、一日で全てを見学することは難しく、そのためチケットも「1DAYパス」(大人1,600円)または「フリーパス」(大人3,000円)という販売の仕方をしていました。

私が買ったのは「1DAYパス」です。

お店でもらうスタンプカードくらいの大きさです。

手で持つとこんな感じ。折り曲げて持ち運べます。これは便利。

日にちのスタンプを押してもらうと、この日は終日、どの会場へもこのカード一枚で入ることが出来ます。

また、このカードを持っていき追加で1,400円を支払うと、期間中は何度でも使える「フリーパス」に交換してもらえるようです。

今回、一会場だけ行ってみたのですが、非常に面白くてとても良かったので、また名古屋に行って他会場の作品も見てみたいと思いました。そこで、この日使ったこの券を大切に保管しておき、次回に再訪する時は、このカードを「フリーパス」に昇格させようと思いました。それくらい、何度でも行く価値がある!と感じました。

あと、チケットを買って会場に入場するとき、パンフレットとしてこれをもらいました。

B3サイズの新聞形式の冊子なので、軽くて薄くて、持ち運びが非常に楽です。いろんな会場に移動することを考えると、これは本当にありがたい・・・。

開くとこんな感じ↓です。

ご覧の通りで、全ての会場について、その場所の生命から展示されている作品やプログラム、アーティストの紹介など、写真付きで詳しく説明されています。最後のページにはアクセス方法も提示。

これを見たとき、名古屋に馴染みがない人のために「その施設に行くには、地下鉄の何番出口を出ると良い」ということも記載して欲しかったなぁ・・・と、ふと思いました。

ちなみに、炎上騒動で一悶着あった「表現の不自由展その後」は、ここ↓

これを見れば分かる通り、大炎上してあんな大騒ぎになったけど、実は、たくさんある作品のなかの一つ・・・なんですよね。まるで「あいちトリエンナーレ」全てが悪いみたいな雰囲気になっていたけど、いやいや、問題になっていたのは極一部だったんだな・・・と思いました。

あの「表現の不自由展」だけが、意図的&確信犯的な形で突出していた感じだったのでしょうか。この会場でイデオロギーでギンギンになったものを展示したら、かなり目立つだろうな・・・と思います。だからやっぱり確信犯・・・?

トリエンナーレ側が、今回の企画展用にと、目星をつけた作家さんたちに出品依頼をし、皆さんの作品をお預かりして展示したのであれば、企画者側が最後まで展示に責任を持ち、毅然とした態度で人々に企画の意図を説明して説得し、キッチリと作家と作品の名誉と尊厳を守るべきだったんですよ。

ところが結果的には「展示中止」という形で作家に恥をかかせた上に、作品に泥をぬる形となり汚名をきせてしまったのです。

これって作家側からすると怖い話ですよ。企画側には作家&作品を選ぶ自由があったと思うのです。それで企画側に選定されて出品を依頼されたのであれば、当然、企画者側の胸を借りるつもりで、自分の作品を出品するのは当たり前で、作家側は頼まれたから乗っかったのだと思うのです。なのに、世間の風当たりが強くて風向きが変わったら、「はしご」を外されてしまった・・・。本当に気の毒だったなぁと思います。

途中で放棄して投げ出してしまうのなら、最初からそんな企画、やらないで欲しかったし、作家と作品を最後まで守り抜く覚悟が無いのなら、軽々しく出品依頼なんかしてほしくなかったわ・・・と感じました。とにかく後味が悪くてモヤモヤする・・・。そんな印象です。

会場内には、あの炎上騒動後に、様々な理由から展示が中止になった作品があったため、エリア自体が大きく封鎖されて通れなくなっていたり、ちょっとした空間ならば違う作品が代替で置かれてあったりして、少し淋しい感じはありました。中止になった作品が置かれてあった場所には、A4サイズの紙が貼られてあり、そこにアーティスト達の連名のメッセージが記されてありました。どこに責任があるのか有耶無耶にされてしまった感がある今、訳が分からない顛末になってしまい、その怒りの矛先は「展示を中止すべきだ」と意見した要人に向いているようです。

でも、私は、作家さんたちに対して失礼な形で閉じてしまった企画者側にも、大きな責任があるのでないか・・・と、そんなことを感じます。でも、これは外部の人間である素人の私が憶測で勝手に思っていることなので、実際にはどうなんでしょうね・・・。

空っぽになっているエリアには、そこにあったはずの作品の説明書きは残されて掲示されていました。少し読んでみましたが、正直な気持ちは「これも見たかったなぁ・・・」です。世間の人が過剰反応したとしても、私は見たかったな・・・と心から思いました。

それ以外の作品(中止になること無く、今も普通に展示されている他の作品)は、どれも素晴しい現代美術作品でした。どれをとっても、国内外の先鋭なアーティストによるキレッキレの作品が集められ、展示されています。人間の五感を通して「人の感性」を揺さぶり刺激を与えることで、作品が「完成する」という感じ。今までの固定観念を覆すような作品も多くて、私の心もおおいに揺さぶられました。どれも本当に興味深くて面白かったです。

これが唯一、この会場で写真撮影がOKだったエリア(作品)です。

このピエロさん、阿部サダヲさんが寝ているのかと思った・・・(汗)。

こちらは10階入り口にあった大きなオブジェ。

この会場だけでも、全部をしっかり見ようと思ったら、まるっと一日かかりそうです。私個人的には、台湾の町をドローンで撮影した「日常演習」という動画の作品が妙に心に引っかかり、深く残りました。

時間が無い中での鑑賞だったので、じっくりは見えなかったけど、本当に良かったです。

最後に・・・。

ここのミュージアムショップには、あいちトリエンナーレ2019のグッズも販売されていて、今年のトリエンナーレのシンボルになっている「紫色&金色矢印」のTシャツやバッグも販売されていました。また、トリエンナーレ用にお洒落なパッケージがデザインされたお菓子などもありました。名古屋のお土産に使えそうです。

あと、会場に来ている名古屋市民らしきお客さんで、トリエンナーレの紫のTシャツを着ている人をたくさん見かけました。若い人ではなく、ご年配の方や中高年層など・・・。もしかしたらボランティア・スタッフさんだったのかな・・・?そんな様子から、地元の人たちに愛されているイベントだということが、ひしひしと伝わってきました。だからこそ、不名誉なことでこのトリエンナーレに傷をつけてほしくなかったな・・・と。そんなこともちょっぴり感じました。

今年のあの炎上の一件で、全国的に問題視されてしまい、そっちの方で有名になってしまったけど、でも、実際に見学してみたら、とても素晴しい芸術祭でした。まさに「百聞は一見に然り」。

この他にあと3会場。10月14日(月)までの開催なので、この愛知芸術文化センターも再訪して、もう一度ゆっくり見てみたいし、また他の会場も是非行ってみたいなぁ・・・と思いました。

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