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理解される文章を書くために、私が心がけている3つのこと

最近、文章を読んで理解するのに、時間とエネルギーを要するようになった。

若かった頃は、大量の本をむさぼるように(短時間で)読むことができたのだが、アラフィフとなった今では、読むのに時間がかかるし、理解するにも時間がかかる。つまり、書かれてあることを消化するのに、体力と気力が必要になったということだ。

これは単に「老化」のせいかもしれない。でも、「読むのに体力が要る」というのは、案外、私だけでなく多くの人々にも当てはまるんじゃないかと思う。若い頃は体力も元気もあるからバリバリ読めたけど、今は一つ読むごとに、息が切れてグッタリしてしまうのだ。

これは、人間の体で例えると、年を取るとだんだん脂っこいものや癖のあるものが食べたくなくなるのと似ている。身体自体が、消化しにくく胃にもたれる食べ物を受け付けなくなるのと同じ感覚だ。そして、食べたものを吸収して血肉にするのにも体力が要るように、読んだ文章を咀嚼して理解するのにも、やはり体力が要る。それを痛感している。

ちなみにnoteでも、タイトルに興味を惹かれて開いたものの、文章を見た瞬間「これは消化しにくいぞ」と感じると、数行で読むのを諦めて他の記事に移ることが最近は増えてきた。

そのため、私自身、記事を書くときは「胃にもたれない消化吸収しやすい文章」を強く心掛けるようになった。

それでは、「消化吸収の良い文章とは何か?」これについて今回は論じてみたい。

まず前提として、「消化吸収がいい」とは、読みやすく理解しやすい文章ということを頭の片隅に入れておいてほしい。

消化吸収の良い文章のポイントは3つある。

1つ目、リズム感がある文章であること

句読点が適切に打ってあり、読むとリズム感がある文章。これは非常に大事である。

ちなみに「句読点」とは、文章を読み進めていく時に「一息休むポイント」を示している。どこで読者にトンと一息つかせて休ませるか…このポイントを上手に押さえて句読点を打つと、非常にリズム感のある文章になる。また、一文節の言葉の音数(「私は」だと「わたしは」で4音)やを意識して文章を組み立てていくと、テンポよく歯切れのいい文章へと仕上がっていく。

そもそも文章は、古代は「口承」で伝えられていた。書き言葉が生まれる前は、人から人へ、口から口へと伝えられたのである。そのため、文章を記憶し暗唱するのに「リズム感」が必要だった。そんな古代からの流れを、今も私たちは自らの遺伝子に記録している…と思えば、文章にリズム感を持たせることは「読みやすさ」「飲み込みやすさ」を生み出すのに非常に重要であるとわかる。

このリズム感は、書き手の個性が一番表れる部分でもある。自分が文章を書いている時に感じる「心地よいテンポ」が、自分のリズムである。まだ自分のリズムがわからない…と言う人は、文章を数多く書いていくことで、自分に合ったリズムを見つけてほしいと思う。

2つ目、無駄な部分は削ぎ落とす

食べた後に胃にもたれて消化不良になるのは、油脂や添加物など消化しにくいものが混じっているから。

文章も同じく、余分な言葉が多いと、その言葉の意味を理解するのに余計なエネルギーを消費してしまい、肝心の「結論」まで到達できなくなる

文章は基本的に「序論(書き出し)」・「本論(説明)」・「結論(まとめ)」という流れで組み立てていくのだけど、文章の構成を考える時、自分が読者に伝えたい「結論」をまずは明確にして、結論をより的確に理解してもらうための補佐的役割として「序論」「本論」を構築していく。これが大事である。

こうした作業を経て文章を書いていけば、たいてい、無駄な言葉や文はサクサク削ぎ落とされていき、非常にスッキリまとまっていく。しかし、書くことに慣れていな人は、意味のない不要な言葉をどんどん付け足していくため、食べ物で例えると「脂肪だらけ」の文章になってしまう。これだと食しても、ブヨブヨの脂ばかりで美味しくないし、胃にもたれてしまう。

料理で例えると、「結論」は読者に一番食べてほしいメインの一品。それを美味しくいただくための付け合わせが「序論」「本論」であることを意識してほしいそれぞれに「無駄な言葉」を混ぜてしまわないよう、気を付けることが大切である。

3つ目、読者の心に「何」を残すのか?

リズムがあって読みやすく、内容も構成がしっかりしてわかりやすいのに、肝心の「何を伝えたかったのか?」がぼやけていて内容が薄っぺらいと、読んだ後、「つまらぬものを読んでしまった…」(←ルパン三世の石川五エ門風)となってしまう。たまには遊び心も大事だけど、まだ書き始めて間がない時期は、定型どおりに。

この記事を通して、自分は読者の心に何を残したいのか?

ここをまずはキチンと決めてから書き始めると良い。

これは「自分は読者に何を伝えたいのか?」ということでもある。慣れないうちは紙に書きだして、慣れれば頭の中で明確にする。伝えたいことが読後に読者の心にストンと落ちているのが理想である。また、読者の心に落としたものが、読者の「心の栄養」になれば、尚よい。つまり「栄養のある文章を書く」ということだ。

料理で例えると、だらだらと書いておいて、読者に「どうぞ食べてください」と差し出しても、書き手が何の料理もせず、ただ書きっぱなしの文章を手渡しただけだとしたら、どんなに飲み込みのいい読者であっても、うまく消化できず消化不良を起こすだろう。

体験したことの楽しさを伝えたいのなら、最初から最後まで「楽しさを伝える」で一貫する。「楽しさを伝えたい」と決めたのなら、言葉を上手に選びながら、そのテーマでキッチリ筋を通すことだ。内容を精選して文章を研ぎ澄ませていく、この時「潔さ」が大切だ。

以上3点。

今回はぴったり2400字。


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