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半月板損傷

息子は昨年の夏前に、半月板損傷という大きな怪我を経験した。

半月板は大腿骨と脛骨の間にあるCの形をした軟骨様の板で内側と外側に一個ずつあって、膝関節に加わる体重の負荷を分散する役割と、関節の位置を安定させる働きをしている。

その半月板の一部が破れたりちぎれたりすることを半月板損傷というようだ。そして破れた半月板の一部がなんらかの原因で関節内に入り込むと関節がロックされたように動かなくなり(息子の場合は伸びた状態でロックされる)曲げようとすると激痛が走るらしい。この状態はロッキングと呼ばれている。

息子の場合、ロッキングは数時間で解消されて激痛もなくなった。走ったり屈伸すると痛みがあったが歩くことはいつもどおりできるようになっていた。その翌日にスポーツ整形外科の膝の専門医を受診したのだ。そして、「半月板損傷。手術を勧める。」と言われた。あまりに突然の手術という言葉にショックを受けながらも、他の病院や整骨院など治療院をまわり診察や治療を受けながら情報を集め、手術はしないことを家族で決断した。

その理由は三つ。
一つめは、ロッキングが解消されていたし痛みも含めた症状は快方に向かっていたこと。
二つめは、手術をした場合はリハビリも含め完全復帰まで3ヶ月から6ヶ月かかるだろうこと。新チーム始動に間に合わない。
三つめは、手術に抵抗がある。できることなら避けたい。もちろん必要なら選択するが、総合的に判断する知識が少ないし時間をかけて判断したかったこと。

息子は痛みがなくなりつつあったし、何より新チーム始動に間に合わないことが嫌だったようだ。

そして1ヶ月近く練習を休み、新体制が始まるころに復帰した。

そして新チームで迎えた秋の大会では念願のベンチ入りを果たし初めての背番号をもらった。

それから半年、普通に練習し試合にも出ていた。息子も私たち親ももう大丈夫かなと思い始めた昨年12月末にまさかの再ロッキング。

幸い、これまでと同様に数時間後にはロッキング解消。スタスタ歩き始めた。

翌日受診してMRI画像撮影した。
ロッキング解消したならば練習復帰オッケー。さらに頻繁にロッキングするようなら手術も考えた方がいいかもとの診断。この時も手術すると復帰までに時間がかかることを考え引退までの8ケ月をケアしながらプレイ続行を選んだ。

もちろん再度ロッキングの可能性はかなりあるし、そのタイミング次第では目指してきた大会出場にかかわる。それも理解した上で息子がよくよく考えて出した結論。そして親の私たちにもその選択に賛成した。

手術することへの漠然とした恐れと不安や練習できない期間を思うと、痛いわけではなく元気に歩いて練習もいつも通りやっている目の前の息子に手術をすすめる理由が見つからないのだ。

そして、手術は根本的治療ではなく、再度受傷の可能性が高いという話も聞くからだ。

つまり、身体の使い方が膝に負担をかけているという指摘があるのだ。息子の場合は股関節の硬さと足首の硬さ、立位姿勢時、足の小指に重心が乗っているとのこと。それゆえに歩行時や走る動作の時に膝に捻れが生じ負荷がかかるらしい。

この膝への負担がかかり続けるなら、今、膝の不具合を手術によって解消しても、時間の経過すれば耐えきれなくなり、再び受傷する可能性があるというわけだ。

逆に、股関節と足首を柔軟にし正しい立位姿勢と歩行動作を身につけ、膝の負担を軽減させるために膝まわりの筋肉をつければ、膝は傷まないという理屈が成立する。

痛みや曲がらないという明らかな事実がなくて、怪我に対してなおざりになっていた私たちは、年末の再ロッキングで「治っているわけではない」ことを突きつけられた。

そして息子はそれ以降、スポーツ整骨院へケアへ通い身体の使い方改善に取り組み始めている。

私が怪我のことでできるのは、情報を集めて息子に伝えること、病院へ付き添うこと。練習後自宅でできるケアをすることだ。

あと半月で高校最後のシーズンが始まる。キラキラ輝く息子の姿を目に焼きつけたいと願っている。

#半月板損傷 #ロッキング




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