お気に入りでリピートして買っている物、使っているサービスってありますか？わたしはリピートしているものは本当に少ない。それは、「できるだけリピートしない」ことを心がけているからです。

できるだけリピートしない理由

それは、私の過去の経験によるものです。私は20代のころ、8年くらい、化粧品の販売員をしていました。店舗は郊外の比較的富裕層の多いエリア。私が販売していた化粧品は高価格帯のブランドのものでした。

土地柄、常に来てくださるのは、近くに住んでいる素敵な女性が多い。私が働いている8年という期間に、「お客様の変化」を見ていて思ったのは、「いつも同じものを買っている人は全然変わらない（キレイにならない）」ということでした。

こちらは売り手として、新製品をいろいろご紹介するわけですが、「決まったお気に入りの品」をずっと購入し続ける方はいらっしゃいます。

一方、新製品が出ておススメすると、すぐに試したくなってしまうお客様もいらっしゃいます。

数年すると、後者の方の方がきれいになっている気がしていました。私はその時思ったのです。時代も、年齢も変わる。だから同じものを好み続けるだけで、なんだか古臭い人になってしまうんだ。ということを。

こだわりを持つこと。新しいことを試すこと。この両方のバランスをうまく取ることが必要なんだ。同じところにとどまらず、進化し続けるためのヒント。これは私がこの仕事をしたことで体得した一番の学びだったと思います。

リピートしてこなかったもの　例えば、美容室

私は結構、頻繁に美容室に行きます。髪が短いことや、年齢を重ねたことで、ヘアスタイルが崩れると、立ち姿全体のバランスが悪くなると思うからです。

今まで本当にいい美容師さんにたくさん会って、いつも「その時」の自分に合ったヘアスタイルにしてもらってきました。30代中盤からはずっとショートか、ショートボブくらいの長さで、スタイルは変えています。

20代、30代、40代、50代。よい美容師さんに出会うと、7～8年はお世話になります。だから実際には7～8年はリピートしているのですが、同時に常に新しい美容室も探しています。素敵なヘアスタイルの人に出会ったら、お店を紹介してもらったりします。

先述したように、自分（髪質や肌状態、好みとか、ライフスタイル）も時代も変わるので、その時に合った人にお願いしてしまうほうが、ピッタリくる。と感じています。

リピートしない。それが健全な状態を作り出す

モノやサービスの提供側からすると、リピーターの方って嬉しいし、リピーターのほうが客単価が高くなる傾向があるので、ありがたいんですよね。でも10年経つと、そのお客様も、サービスの提供側のターゲットからは外れてくることもある。

新しいお客様を常に獲得していかないと、いわゆる「ブランド」は衰退していきます。

消費者である私たちも、気に入っている期間はリピートしても、ある時期が来たら、べつのものに移り変わるほうがいい。自然にそうなる場合もあるけれど、敢えて意識してリピートしない　ことを考えてみるのがいいのではないでしょうか？

提供側である企業も、（政治家みたいに）一番お金を使ってくれる人に配慮して冒険できないことは結構あるように感じます。お客様が入れ替わることを前提に、固定客に甘んじず、モノやサービスの作り手が常にチャレンジし続けること。それが健全な競争に挑むということだと思います。

それでもリピートしてしまうもの

私は、気に入ったものを見つけても、できるだけ「次に同じものを買わないでいたい」と思っています。別のものをいくつか買ってみて、それでも以前に気に入ったもののほうがいいなと思ったらリピートする。でもやっぱり「他にないか？今の私に合っているか？」をもう一度よく考えます。

そのくらいこだわって、「リピートしない」私がやっぱり気に入って買っているものが時々あります。今後ずっと使うとは限らないけれど、一定の基準をクリアして使い続けたものだから、ほかの人の人生のある一定時間に役立つものかもしれないから、そういうものを今後、紹介してみるものいいんじゃないかなと思っています。

そういう情報知りたい人っているのかな。

「買い物は投票だ」それはそう。

なんらかの思想を持ってリピート購入するものがあってもいいのかもしれない。それはそう思います。一方、今私は、自分がその買い物に使っている時間とお金が自分にとってメリットとなり、企業と私の双方のwin-winになっていることの方が大事だと思っています。それが今の「That is my choice 」です。

今夜もよい夢を見られますように。