いつまでも夢を見ている
実家に帰る度に必ず手に取って見直しているものがある。それは10代の頃に書き続けた小説とその設定集だ。それはあまりに稚拙で、人に見せられないものだ。だけどそれは私が必死に生きようともがいていた跡が確かに残っている。
私の子供時代は決して順調で幸福だったとはお世辞にも言い難い。物心つく前に父は家出し、成長しても病気ばかりで満足に外で遊んだ記憶もほとんど無い。そして家の中では常にいざこざが絶えず、小学校にも馴染めなかったしいじめられた。
生活していくだけで精一杯の生活で私が見出し