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(競技)人生はリハビリの連続です

Life is a continuous process of rehabilitation. 
[人生はリハビリの連続です]
Milton H. Erickson  [ミルトン・エリクソン]
Hope and Resiliency (2005)
Short, Erickson, &  Klein

自転車の乗り方など手続き記憶になったものは
ずっと忘れないと書きました。
身についた技能は忘れなくても
それを常に同じように”できる“かというと
そうではありません。
からだが(こころも)日々変化しているからです。

例えば、
私は子供のころは‘運てい’が得意だったので
できない子供たちを前に
「お母さんが、やるから見てて」
と自慢げにやろうとしたんですが
両手でバーをつかんでぶら下がった瞬間
体重が重すぎることに気づいて
片手を一瞬も離すことができず
固まってしまいました(泣)
体重が大幅に増えていることを
すっかり忘れていたわけです。
重いからだを支える筋肉も足りなかったのですが。
これは変化が大きすぎる例ですね。

怪我などで長期間練習ができない時には
筋力や体力が落ちたとはっきり感じるものです。
では、姿勢はどうでしょうか?
普通の日常では少しの変化は
なかなか感じ取れないものです。

相談者の中には
肩甲骨周りが固まって巻き肩になっていたり、
肩が上がったまま固まっていることがあります。
肩に力が入っていると
重心が上がるので、
しっかりと立てない姿勢になりがちです。

動作法で肩回りの慢性緊張を弛緩すると
明らかに肩が下がります。
重心も下がって
足がしっかりと踏みしめた感じがします。
セッションの前後で立位の写真を撮って比較すると
その違いにみんな驚きます。
でも、残念ながらそう簡単に
肩が下がった状態は維持できません。

1週間経つとまた肩が上がった姿勢に
戻っていたりします。

ただ、継続して日常でも意識することで
徐々に肩の力を抜いた状態を
維持できるようになっていきます。
それでも、時々
『また、肩が固まってます』
〈本当、また肩上がってる。なんかあった?〉
と話を聞いていくと
大きな試合や、就活、幹部交代したり、
慣れないことなど、肩に力を入れていたと
自覚している場合もあれば
全く心当たりがなく、話している間に
ちょっとした忘れていたような出来事
(友人、家族との口喧嘩やバイトで失敗したりなど)
に気づくこともあります。

そうした、‘些細な事’でも影響があり、
日々の積み重ねが慢性緊張になります。

でも、早くそれに気づいて
弛緩したり整えることで
溜め込まずに良い姿勢に戻すことができます。
この繰り返しを続けていると
面接を終結する時には最初の写真と比べると
随分変わったね〜となります。

良い姿勢を維持するための努力は
絶えず続けていく必要があります。
怪我はしていなくても
日々リハビリは必要なんですね。