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【コンサート】2台ピアノが奏でるローマの祭り @ 兵庫県立芸術文化センター

【2台ピアノが奏でるローマの祭り】

『アン・セット・シス~2台ピアノが奏でるローマの祭り 』
 @兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール

2022年11月23日(水)14:00開演
Piano by Steinway & Sons

Piano:山中惇史 (アン・セット・シス/176)
Piano:高橋優介 (アン・セット・シス/176)

※敬称略

2022/11/23

※ネタバレ注意※










〈全8曲〉130分
❖モーツァルト︰2台のピアノのためのソナタ ニ長調
Ⅰ.アレグロ・コン・ブリオ
Ⅱ.アンダンテ
Ⅲ.モルト・アレグロ
❖レスピーギ︰ローマの祭り(山中・高橋編)
Ⅰ.チルチェンセス
Ⅱ.五十年祭
Ⅲ.十月祭
Ⅳ.主顕祭
― 休憩 ―
❖チャイコフスキー︰くるみ割り人形 抜粋(山中・高橋編)
金平糖の精の踊り、行進曲、花のワルツ
❖エルガー︰愛の挨拶(高橋編)
❖J.ウィリアムズ︰ハリーポッターシリーズより(山中編)
❖ラヴェル:ラ・ヴァルス
[アンコール]
❖シャミナード︰アラビアの牧歌
❖J.ウィリアムズ︰ジュラシック・パークより エンド・クレジット

 元々、ピアソラフェスで聴き惚れた山中惇史さんのゆらぎを感じるピアノの音が大好きで、初めてアン・セット・シスのコンサートを申し込ませていただきました。
 高橋優介さんのピアノは、山中さんのインスタで聴いたことはあれど、生で聴くのは今回が初めてです。

 それにしても、本当に驚きです。この二人の相性が、ここまで良いとは感動です。
 本当に、素晴らしいコンサートでした。

 MCで1曲毎に丁寧な解説が入り、更にクスッと笑わせて客席をリラックスさせる掴みはさすがです。

 クラシックのコンサートを幾つか行きましたが、こんなに客席に寄り添った雰囲気のコンサートは初めてでした。おかげで、客席も肩の力を抜いて、楽しんで聴いていたのではないかと思います。

 個人的に他のコンサート会場より、拍手の入りの間違いや、物を落とす音、曲が始まる寸前のお喋りなど気になることもあったのですが、その全てを内包した寛容なコンサートでした。
 しかも、演奏中の子供の「この曲知ってる」の声も聞こえていたようで、もしかして、クラシックを身近に感じて貰うのが目的だったのかと思わせるような選曲でもあったように思います。

 隣の席にいた老夫婦のご主人の方が、「どの曲も知らん」と、始まる前はコンサートには奥さんに無理矢理連れて来られた雰囲気を醸していたのに、終わる頃にはニコニコ盛大な拍手を送っておられました。しかも、途中休憩では、真剣にプログラムの曲紹介を読んでらっしゃいました。

 何とも、魅力的なコンサートではないですか。
 ピンと空気の張り詰めた静謐なコンサートも良いですが、こんな風に温かいコンサートも素敵です。

 そんな中、ピアノ2台版のレスピーギの“ローマ三部作”を聴くことが出来て本当に良かったです。
 1曲目“チルチェンセス”の迫力と、4曲目“主顕祭”の不思議な旋律に、とても魅了されました。
 また、ラヴェルの“ラ・ヴァルス”も、凄いワルツを聴いてしまったと感じました。

 実は、隣のご主人同様、ほとんどの曲が知らない曲だったのですが、飽きることなく最後まで楽しむことが出来ました。

 2台ピアノは、当たり前だけれど、1台で奏でることの出来ない音の厚みが凄くて、オーケストラに引けを取らない荘厳な音を聴かせてくれました。

 アンセの演奏はサブスクで聴けるのですが、アンケートを書いてるうちにCDが欲しくなって販売所に戻ったら、びっくり10分位で売り切れていました。
 駅までの帰り道も、「楽しかったね」って声があちこちから聞こえてきて、知らない人の楽し気な声を聞きながら、本当に良いコンサートだったなと思いました。

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