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数学弱弱がそこそこできるようになるまで

こんにちは、猫派のいーもりです。外部の大学院に合格をいただき調子に乗っているこのタイミングで、数学弱弱人間がどのように独学して、そこそこ大学の基礎数学が出来るようになって大学院の筆記試験に挑めたのかを記録したいと思います。

筆者自身はSFCと呼ばれる藤沢の遠藤にある慶應のキャンパスに通っていた。SFCは一見すると環境情報部が理系、総合政策学部が文系な雰囲気があるが、どっちも貰える学位は文系。SFCは数学の授業がしっかりと行われていない印象があり、授業だけでは筆記試験ありの外部の大学院や、数学を扱えるようなるのは厳しそうと感じたので、自分の記録として執筆しました。全体的に好き勝手書いていったので、読みにくいところもあるかと思いますが温かい目で読んでいただけると幸いです。

この記事の対象者

この記事は現在SFCにいて、数学嫌いなわけじゃないけど数学ちょっと出来るようになりたい人や、SFC外でも数学嫌いじゃないけど得意じゃない人向けです。数学が嫌い、数式見るのも無理の人はちょっとキツイかも。また数学バリバリ出来るぜって人は逆に教えてくれ。


勉強前の筆者のスペック

  • 数学に対して苦手意識や恐怖感などはないが、カナダの高校卒で微分積分などを勉強していなかったため、高校数学も危うい状態。

  • AO入試だったため、大学受験の勉強をしていない

  • やさしく学べるシリーズの微分積分と線形代数は1周したが、まだ例題などを見ずに問題が解ける状態ではない。

  • SFCでは数学の授業として、線形代数、統計学などを受けた。線形代数は行列の演算がメインで、ベクトル空間や線型写像に関する話はなかった(成績評価は授業の発言がメインで、テストが幼稚園の英語の問題みたいだったのに評価はBだったのちょっと嫌だった)。

使用した参考書

  • 微積分

    • やさしく学べる微分積分

    • 数III青チャート

    • 今週の積分

    • チャート式シリーズ 大学教養 微分積分の基礎

    • 演習 微分積分キャンパス・ゼミ

  • 線形代数

    • やさしく学べる線形代数

    • 線形代数学(川久保)

    • チャート式シリーズ 大学教養 線形代数の基礎

    • 演習 線形代数キャンパス・ゼミ

    • 線形代数要論

  • 複素関数

    • マセマ複素関数キャンパス・ゼミ

  • 微分方程式

    • マセマ常微分方程式キャンパス・ゼミ

どのように進めたか

全体の進め方

基本的にはまず定義や定理を確認する。定義であれば「なぜそれがそのように定義されていると嬉しいのか」などを考えるようにする。定理であれば、その定理の証明を追う。証明を追うときは何が条件で、どうなるかなどを意識して理解を進めた。数学が苦手だと証明を読むのも一苦労するが「何が条件」で、「何を証明したい」のか、それが証明して「定理が使えるとどう嬉しい」のかを考えながら証明を追うと理解がしやすくなる。定義や定理を確認した後はそれに関連する問題を解く。定義や定理が常になぜそうなるのかなどを、説明が出来るように意識して進めると問題も解きやすかった。
また数学書の読み方に関しては趣味の大学数学の「数学書の読み方」も参考になると思う。

基本的にノートに書いて進めいていた。定義や定理は、先に述べたように何故そう定義すると嬉しいかなどを意味を考えながら書き写した。また気づいたことはノートにメモをし、同時に同じ内容を参考書の方にも書き込んだ。

微分積分

数学の基礎が欠けていたので、やさしく学べる微分積分でベースを作りつつ、数3の積分の演習をひたすら行い微分積分の感覚と、大学数学の大まかな概要を理解した。やさしく学べる微分積分は解説と例題が豊富なためわかりやすいため、数学が苦手なSFC生などにおすすめしたい。院試までに3周くらいして、よく間違える問題などを探した。

その後数3の積分演習は続けながら、大学数学基礎のチャート(黄色)で演習をし、連携している教科書で証明などを追って行った。黄色チャートは本当に例題の難易度が基礎レベルなので、基礎を身につけたい人間にとっては非常にありがたかった。進め方としては、基本的にはチャートの各セクション前のまとめの定義や定理をノートに書き、その後連携している教科書である「微分積分の基礎」で証明を追っていった。説明も他の大学数学の教科書と違いかなり明解で分かりやすく、例題もちょうど良かった。

参考書だけではわからないところなどが出てくるので、筑波大学の照井先生が公開している微積分の講義も視聴した。こちらの講義リストに関してはわからないもの、気になるものをピックアップして視聴した。
照井先生の説明が分かりやすいのでかなり救われた。特に広義積分や、重積分の広義積分などの講義があるのはありがたかった。

また黄色チャートと同時進行でマセマの演習も進めた。他の院試で使った参考書を紹介するブログとかでマセマがよく出てたので使ってみたけど、個人的には黄色チャートの方が自分には合った。

微分積分の青チャートもあるが個人的には難しかったので、黄色メインでやっていた。数学慣れてる人や、一度微積の講義を受けたことがある、勉強したことがある人は黄色よりも青の方がいいかも。

線形代数

こちらも微積と同様にやさしく学べる線形代数から入り、線形代数に対するベースを作った。行列の演算や、ベクトル空間や線型写像が分かりやすく解説されているので、ただ行列の演算を知りたいなど道具として使うのであればこれ程度で十分だと感じた。

ヨビノリのサイトで紹介されていたのでB2の時に勝手全然読んでいなかった本。こちらも線型写像周りの話が分かりやすく面白かった印象がある。ただメインで使うというよりは他で読んで分からないところを調べるために使っていた。

こちらも微積分同様に黄色チャートが出ていたので利用した。本当にわかりやすい。行列の演算などはやさしく学べる線形代数でやっていたため、主にベクトル空間、線型写像、固有値固有ベクトルを学習するためにメインで使っていた。本当に説明が分かりやすく、こちらも進め方としては、基本的にはチャートの各セクション前のまとめの定義や定理をノートに書き、その後連携している教科書である「線形代数の基礎」で証明を追っていった。このチャートと教科書がなかったら院受かるの厳しかったと感じるくらい数研に助けられた。

線形代数も微積と同様に黄色チャートと同時進行でマセマの演習も進めた。他の院試で使った参考書を紹介するブログとかでマセマがよく出てたので使ってみたけど、こちらも個人的には黄色チャートの方が自分には合った。ただ黄色チャートにはジョルダンの標準形は載っていないので、問題が掲載されているのは良かった。

参考書だけではわからないところなどが出てくるので、こちらも微積分同様に筑波大学の照井先生が公開している線形代数の講義も視聴した。こちらの講義リストは全て視聴し、メモをノートに取りつつ同時に教科書にも書き込みを加えていった。線形代数は微積と比べて書籍だけでは理解が難しいところがあると感じているので、照井先生の講義動画は分かりやすく理解を深めることができた。

複素関数

複素関数に関しては、マセマの複素関数と、ヨビノリの複素関数の講義動画を見て勉強した。
マセマだけでは分かりづらいため、先にヨビノリで予習してから、マセマを進めるのが一番効率が良かった。序盤でのオイラーの公式を使った極形式への書き換えをしっかり理解せずに進めていたため、1周目は理解が浅かったが2周目で書き換えを理解してからすんなりと全体を理解することができた。

あと全ては見なかったが慶應が公開している物理情報数学Aの講義動画も参考にしていた。授業をしている山本先生の説明がとても簡潔で分かりやすかった。また複素関数の教科書も出しているみたいなので少し気になっている。

微分方程式

常微分方程式も複素関数と同様に、マセマの常微分方程式と、ヨビノリの微分方程式の講義動画を見て勉強した。こちらもマセマだけでは分かりづらいため、先にヨビノリで予習してから、マセマを進めるのが一番効率が良かった。

受ける大学院の院試では、2階までの微分方程式を出す傾向だったため、マセマでは高階微分方程式以降はやらず、2階までを3〜4周して問題を解けるようにした。

また積分が慣れてない人はいきなりやっても、問題がそもそも解けないため先に数3や他の微積の問題を解き慣れてからやった方が効率がいい。自分も初めは積分に慣れていなかったため全然解けず、先に積分になれることを優先した。

チャート黄色は基礎を固めてくれる

たくさん色々な教材を紹介したが、院試を終えてからの感想としてはあんまり多くの教材をやる意味はないと思う。そのため1つか2つに絞って勉強して何周もするのが1番身につけるのが早いと感じた。

よく理工学や工学系の参考書としてマセマを勧めているのをみるが、個人的にはフォントやパラグラフが読みづらく、説明が口語的なのが冗長に感じてあんまり好きではなかった。

大学数学基礎のチャートシリーズ(黄色)は、青色の大学数学チャートと違い、各セクションの前にそこ登場する定義や定理をまとめてくれている。そのため初めて勉強するときには勉強しやすく、また連携した教科書を使うことで証明を追い効率的に勉強ができたと感じる。なので、数学が弱いと感じる人は「やさしく学べる」シリーズでベースを作り、その後「黄色チャート」で基礎を固めていくのが一番効率がよく強固な基礎が作れると考える。一般的な工学系や理工系の大学院を受ける人は青チャートで基礎固めをした方が強くなりそう。

最後に

好き勝手文章を書いたので読みにくい記事になってしまったと思いますが、ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に独学に関するポエムを載っけて終わります。

基本的に独学は辛い。講義を受けてた人は皆「授業を受けても独学でも変わらない」と言っている印象があるが、独学と講義を受けた経験を持っていることは大分違うと感じる。講義では教授などが筋道を立てて説明してくれるが、独学では自分で筋道を立てないといけない。まだ理解が浅い状態で筋道を自分で立てることになるので、周りに頼れる人がいないと変に難しい参考書に手を出してしまったり、自分のレベルと合ってないものを勉強しようとしたりなど、情報不足から変な遠回りをしてしまう。また独学の場合は学び損ねているものや、勘違いして理解している状態が生まれやすい。だから独学をする状況下では、頼れる人や間違いを指摘してくれる人がいると大変進めやすく、道を外さず行えると感じた。でもそこで頑張るからこそ、独学でも自分の血となり肉となるので、完璧にはならないけど目標は達成できるレベルになると思う。そのためタイトルを「そこそこ出来る」にした。まだ筆者自身も理解が甘いところや、知らないことが沢山あるので道半ばなのを忘れずに勉強を続けていきたいと思っている。

あと軽い気持ちでアソシエイト申請してみた。

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