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花の絵の展示会「20,95%」~ボンド絵について聞きました

世の中には面白いことをやる人がいるものでございます。

もちろん。
友人の欲目というものはございましょうが。
現在、埼玉県川口リリアで開催中の花の絵の展示会「20,95%」を出展中のremaさんも、まことに面白いことをする人です。

とりもなおさず。
↓まずは作品をご覧いただきましょう↓

(「蓮」作品一部)

いかがでしょう。
ちょっと不思議な感じがしませんか?
ご自分でも絵を描かれている方には特に違和感があると思います。
油絵っぽくはあるものの。
パッと見、画材が何であるのか謎なのではないでしょうか。

実は、この絵。
酢酸ビニル樹脂を混ぜた水彩絵の具で、板に描いてあります。

さらに、こちら。
こちらはアクリル板にパーツを描き、それを層に重ねることで作品にしています。

・・・いろいろ不思議でございます。

ちなみに。
絵の具に混ぜている酢酸ビニル樹脂とは、木工用ボンドの主成分です。

要するに、画材として木工用のボンドを使用しているわけです。
そんな奇天烈な描き方があるのか、と。
わたくし、そっと検索してみたのですが。
盛り材として、ジェッソ代わりにボンドを使用している人は、たまさか存在するようです。
しかしながら、remaさんの場合。
必ずしもそういう使い方をしているわけではないところが特徴なのだろうと思われます。

この技法を発明(と言うと本人は羞恥と恐縮で身をよじる)したremaさんに、お話を聞いてみましたところ。
たいそう面白かったので、ここに掲載したいと思います。

Q・そもそも、どうして絵の具に木工用ボンドを混ぜようと思いついたのですか?

「2014年春のデザインフェスタでライブペイントをしたんだけど、アタリを何で取ろうかと悩んで。いろいろ考えた結果、ボンドだったら、描いた時は白いけど乾くと透明になるからいいなと思って」

ちなみに、この時のライブペイントは縦180×横360cm(要は畳二枚分)の壁面にダイオウイカを描いています。
実はremaさん、大きな作品にはあまり慣れていなくて、下描きがないのは不安だったと言います。
その試行錯誤が、後に発展していくわけですが。
ライブペイント中は、後ろで見学している人に、大量のボンドを何に使うか、何度も聞かれたそうです。
さもありなん=^・ω・^=なエピソードです。

(↓その時の作品記録も展示してありました↓)

Q・でも今は下描きにはボンドを使ってないですよね?

「そうですね。今は鉛筆で下描きしています。ボンドは絵の具を滲ませないための定着剤かな」

?????

「絵の具は水彩絵の具を使っているんだけど、水彩は重ね塗りできないから」

確かに、水彩絵の具(A)を置いたあとに水彩(B)で塗ると、最初の絵の具が溶けて、AとBとが混ざってしまいます。
そうすると色が濁ってしまうので。
だから基本的に、水彩は重ね塗りをしないものなのだそうです。

「でも、絵の具を塗った上にボンドを塗ると、それがカバーになるから、その上から絵の具を塗っても」

AとBの絵の具が混ざらなくなる!
・・・と、そういうお話らしいのです。

「あと、ボンドに絵の具を混ぜると上書きできる。ということは、水彩なのに修正もできちゃう」

(ㅇㅁㅇ)!!!!!!!

「で、あれこれを応用して、まあ、なんとなく?」

なんとなく?で、そんなんできちゃうものですかっ?!

(↓印刷したタペストリーに原画を重ねて展示する、そのアイデアも素敵だと思うんです↓)

Q・これまでどんな絵を描いてきて、こういう画法に決着したのですか? せっかくなのでプロフィールも紹介したいのですけど。

「小三くらいから絵を習ったというか、美術クラブ?みたいなところには通ってたんだけど。好きで描いていたのは、どちらかというと、いわゆる漫画絵だったかな。で、そのうち友達から漫画を描きなよって勧められて」

大学で心理学を学び、就職活動の一環として投稿、挿絵画家としてデビュー。
その後、ゲーム会社に就職したり。
ゲーム会社の設立にたずさわったり。
今はフリーでゲーム関連の仕事をしています。

「でも、仕事で描くようなのじゃない、アナログの絵が描きたくなって、最近、趣味で水彩を描いていたのだけど。水彩って、一発でやんなきゃなんないけど、そういうのはちょっと苦手で。だけど、ボンドだと重ね塗りができるのね。しかも、重ねた部分が半透明になったりもするわけ。面白いでしょ」

うん、それは面白い(๑´ㅂ`๑)かも。

・・・・そんなわけで。
今回はちょっとした友達自慢になっちゃいましたが。

ご興味のある方、ご近所の方は、ぜひ足を運んでみて下さい。
川口駅前リリア三階のギャラリーで明日(11時~18時)まで展示しています╭( ・ㅂ・)و グッ !

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