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粋な人

「粋な人だからね!」
「心遣いが粋なんだよね!」

粋な、、というwordを、このところたて続けに耳にして、はてさて、自分は粋な人などとは評されたことはないなぁ!と。

よく我が家の集まりにおいで下さっていたM氏の会社に、父ではなく私としてお願い事がありV君と一緒におじゃました際に、

V君を

「粋な人だね!」とM氏は評して、あれ?
若い人にも使う言葉なのかなと、

「あの、、、粋なというフレーズは、対象の年齢は関係ないのでしょうか?
V君が粋な人とは、私はいつも一緒にいるせいか、思えないのですけど、、」


無理なお願い事と承知して伺ったのですが、M氏は快く引き受けて下さり、
M氏の扱っている現場3ヵ所に、私のところの研修生をそれぞれ、1週間から10日間入れて下さることになったのですが。

担当部署との打ち合わせを済ませてから、またお礼にM氏の部屋に伺った際に、

発せられた、粋なというwordに、ちらちらとひっかかったのですが。



M氏は父の知人で、父よりは10歳ほどは若い方ですが、碁や将棋がお好きなようで、我が家には、父や祖父と碁を楽しむために来られていた方ですが、

私の姉のファンなんですね。姉が大学生だった頃から、姉を絶賛されていたようですが、

「そうか、粋か、、例えば、なーさんのお父さんやお祖父さんは、粋な男の典型だね。
世情にたけていて、常識があり、人を思い、さりげない心遣いが出来る。
あっと、、粋っていうのは、男ばかりじゃないな、女性でも、また、行いに対しても使うな、、
れいちゃんは、粋な女性だよね、、そういう意味でV君も粋な人なんだな、、」


多分にM氏の主観ではあるのでしょうが、


どうも、M氏にお願いの件を話している最中に、隣に座っているV君の膝においている手の甲を私がつねった様子を見ていたようで。
話す順序があるのですが、途中をはしょり始める私にV君が肘をつついたので、

「うるさい!黙ってて!」の意味で、ほんとはV君の腿をつねろうとしたら、筋肉がかたいのか、つねれないので、そこにのっていた手の甲をつねったわけで。

見られたのか、、マズイなあの感覚は私にはなく、M氏はなかなかの人、相手を観察しているなあと感服したのですが。

M氏に言わせると、つねられても平気でいて、私のフォロー役に徹している様子に評価したとか。

出来る男は自己アピールはしない、しなくても辺りは評価するのだから。

身に付けるものも常識的で、人に対しての気遣いがあり、不快感を他者に与えない。適度におしゃれで。


姉は美人であり、私よりずっと有能でありながら、家庭に入ることを望んだ人。れいちゃんとは、私の姉のこと。


M氏は、

「人の魅力は一概には言えない。好みもあるし、、粋なと言われる人は、それらにプラスαがある、」

それを受けて、V君が、

「なーさんは、40になろうが、60になろうが、粋な女性とは違う、、精神は、気っ風がいいし、あっさりしているし、、。
女性は、なんちゅうか、、色気みたいのがないと、、なーさんのお姉さんは、それがあるだろ、、見切りがいいし、美人で、、」

Mはそれだね、、と膝をうち、

「なーさんのお父さんは、粋な人の典型だよ、、男としての色気もある、だから、もてる、、、V君も、それだ、、つぶしがきく、腕っぷしがいい、頭の回転が速い、で、、色気、だな、」


ふーん、私は色気ないの?

ないなあ!ないだろ!

大人っぽく装うと、よけいに子供っぽくなる。


M氏は、粋じゃなくていいんじゃないか?

「なーさんは、その透明感が魅力、ほら、東京の本家のおばあちゃんが、
なーさんと似た雰囲気だよね、、気っ風のいい人だろ、、常識あるし、おしゃれで話していても楽しい、、男顔負けの度胸があって。若い頃は愛くるしい人だったはずだな、、足りないのは色気かな、」


東京の祖母を引合いに出されると、すんなり理解できた。似ているとはよく言われていたから。
行動力のある人で即断即決タイプ、小柄で、私はずっとそばにいてお世話になったお祖母ちゃんですが、年齢を感じさせない知力があったなぁと。

祖父との会話を思い出しても、パンパン切り返す祖母を慈愛に満ちた目で受けていた祖父は、祖母を可愛がっていたように思い。

私達夫婦とも似ているかもしれない。


粋、江戸っ子の粋、男性の粋、女性の粋、
粋な行い、


そこに共通するのは、
さりげなさ、自然であること、無意識であること、大人であること、人間としてするべきことを知っていること、知性、慈愛、
許すことを知っていること、気っ風がよいこと、、そして、色っぽさもあること。


さすれば、粋と評されるとしたら、

非常に素敵で魅力的な人間である証拠。



V君は、私はおばあちゃんになっても、粋にはならないと断言していましたが、姉に母に、父に、夫に、

訊いてみたところ、


みな同じに、たぶん、、ね、、と。


夫は、粋とはならない、粋の一歩手前がよいのだから、好みの領域、

無理しない、自分らしく、ありのままで!!




姉に、今年は、粋な柄の浴衣を作ってほしいとお願いしておきました。
姉は、はいはい!とニッコリしていましたが、その様子に、確かに姉は人を不快にはしない人だとつくづく感じまして。



粋な人に日常的に囲まれている私は多分幸せなのだろうと思うことにしました。