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駆け足で!

    今年の雪は、駆け足でやってきた。
朝起きてカーテンを開けると、こんもりと雪におおわれた世界で。キレイ!と感嘆するより驚いてしまった。

あらあらと、あわててショートブーツじゃ無理かもと、のんびりする間もなく、クロゼットや玄関に出勤準備に走り回る始末で。

朝6時、いつもだと外は静かな時間が、
除雪車のガーッ、ザーッという音や、車を車庫から出すために除雪をしている人達の賑わいで、駆け足雪は多少のんびりムードだった私達にある種の緊張感を与えてくれた。

手袋、マフラー、、ああ、父の車に乗って行きたいと一瞬は頭をかすめたけれど、そんなズルを言っては、またまたたっぷりお叱りを頂戴するだろうから。

義母が、
バタバタ走り回っている私に、

「今日は、事務所でしたね、この雪ですから、サンドイッチですけど、お弁当を作りましたから、持ってらっしゃい!」

「わあ!ありがとうございます、助かります、、」

と答えながら、常にそつなく家族を思い動くことが習性になっている義母の自然さに、安心もし、到底私は敵わないと観念もする。

沢山の人生経験は、何かが起きても、たじろぐことなく、淡々と生活する知恵になっているのだろう。

年配者の言葉や行いは、ひとつひとつ真剣に心にとめておきたいと思う。

サンドイッチとフルーツのお弁当バッグを持ち、完全防備スタイルで、外に出ると、
姉が子供達を送り出している姿があって。

目敏く私をみつけた姪が、

「なーちゃん、おはようございま~す!
雪すごいの!!

沢山雪降って、今日ね学校から帰ったら、雪だるま作るの!」

姪は元気。雪だるま作ったり、かまくらを作ったり、雪合戦も大好きで、子供はいいな!天真爛漫でいいな!と少し羨ましくなる自分に、頑張らなきゃ!逃げてられない、遊びじゃないのよ、やりだしたからには仕上げなきゃ!と渇を入れ。

ゆっくり数日かけて降り積もる雪は風情があるけれど、今年のような駆け足大雪は、
驚きと私のような、のんびり屋さんを慌てさせる。

ご近所では、庭の沢山の木々の雪囲いが終わっていない家もあって、それぞれの家の住む人の気性のようなものがみえたり。

雪があるということは、沢山の不便さがあったはずで、その不便さを、先人達は住みやすい街にするため、寒さをしのぐために、研究し工夫し、現在の厳寒期もある程度快適に生活出来るようにしてきたのだろうと。

私達は、先人達の苦労や研究や工夫に感謝しなければと思う。

と思いながら、
キュッキュッと鳴る雪に、今日は気温も低いなと。

坂道、転ばないように、、。しっとりした空気感を楽しみながら。