初めて読む作家たちの短篇
焔/津島佑子
津島佑子を読むのは初めてで、この記事は偶然か初めて読む作家が並ぶ。自分はタイトルをかなり意識して読む。『焔』というタイトルからは燃え上がる、情熱、一瞬の美、などを連想していたので、死に連続して出会うという語り始めは正直違和感があった。焔と死はどちらかといえば対義語に近い関係だと認識しているからだ。そんな違和感を抱きつつ読み進めると、焔の持つもう一つの側面の可能性に行き着いた。それは不安定に揺らめく存在、というものである。そう考えてみると確かに作者はかなり奇妙な