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6章-(4) 6/23 イギリスの駅事情

◆旅程:ホテル →→ オクスンホウム駅 →→ バーミンガム駅 →→チェルテナム駅 →→バスで「バイブリーコート・ホテル」へ →→ アーリントン村を散策 →→ 夜「おはなし会」

● 9 :30 荷物をすべてバスに乗せ、ベルズフィールドを出発。初めて列車を乗り継いで、イギリス中央部のコッツウォルズ地方へ向かう日だ。曇っていて、少し肌寒い。
昼の弁当は軽めのものをホテルに頼んで、朝受け取った。(パン・ジュース・クッキー・チーズ・ジャム・リンゴ)

町の方で事故があって、道が混みそうだという情報で、運転手のアレックスが別な脇道へ回ったところ、途中で道を間違えたらしく、バスを止めてしまった。吉松氏と地図を見ては、2人で頭をひねっている。皆は列車に遅れるのでは、とはらはらしていた。

道行く人に尋ねて、なんとか10:05分にオクスンホウム駅へたどり着いた。発車は10:30の予定でひと安心。大きな荷物を持っている身には、階段のないすぐ近くのホームが実にありがたかった。列車は遅れて到着。

→→Preston →→ Wigan North Western →→ Warrington Bank Quay →→ Crewe →→ Wolverhampton →→ と停まりつつ、バーミンガムに12:51分着。

● バーミンガムの駅では、乗り換え時間が16分しかなかった。そこでスムーズに動けるよう列車の中で、荷物おろし係、受け渡し係など決めて、準備した。列車が止まると、一斉に配備につき、流れ作業で17個の重い荷物をおろし、吉松氏の後を追った。

ところが、乗り換え先のプラットホームがわからない。何度もあちこち走りまわったあげく、わけがわからないうちに「ここらしい」ということになった。到着プラットホームは直前までわからないのだという。それがイギリス流なのだって。でも、あわてることはなかった。列車は25分も遅れたのだから。日本の規則正しい列車時刻とは、大違いなのだ。

● 待っている間に、3車両のローカル列車が目の前で止まった。年配の運転士の様子がよく見えた。彼はゆっくりと大きなティーカップに紅茶を注ぎ、味わうように飲み干すと、今度はふところから曲がったパイプを取り出して、刻みたばこを押し込み、これまたゆっくり火をつけて、ぷはっと煙を吐き出した。

私と目が合うと「見たな、おぬし」という表情でにいっと笑った。それからのっしのっしと列車の戸口まで出てきて、またにんまり笑うものだから、私は話しかけずにはいられなくなった。

● 先刻から皆であれは何だろう、とささやきあっていたことを尋ねてみた。ひとつのホームの上に、purple zone とか、blue zone とかの立札があった のだ。

運転手によると、イギリスの列車はカラーによって、停まる所が決まっており、ホーム全体を埋めるほど長い列車の場合には、ロンドン側が「ファーストクラス」でblue zone となり、golden zone もある。「セカンドクラス」はpurple zone で、短い列車の時には、その色のところで停まる。「これで駅では迷子にならないね」と念を押されたので「Never」と答えて、笑いあって別れた。

● あんな風に、停まる駅で、紅茶とパイプの休憩を、まったく時間など気にもせず取っているのだから、列車が遅れるのも無理はないと思った。

●Yさんが私たちの電車はどちらから来るだろう、と言い出した。ロンドンは左方面だから、右から来るはずだが、直前の列車がロンドンから来て、右へ行ったから、同じレールを使うのは、正面衝突するよ。それなら左から来るね、と予測し合っていたら、なんと右からやって来たのでびっくり!      そう言えば、さっきののんびり運転士が、言ってたように停まるところが   カラーできまったり、到着プラットホームは直前までわからないのは、ほんとにほんとなのだ。予測しても当たる訳がないのだ。

● 1:25分発 →→ 2:20分チェルテナム駅到着。

この駅は1階だけのひなびたレンガの駅舎で、マロニエの木が覆っていた。天気はいっこうに晴れず。バイブリーコートは、ここからバスで30分あまりとのこと。ロンドンから西へ200~300㎞の、コッツウォルドの西端がバイブリーだ。

ポターの『グロスターの仕立屋』や、ブライトンの『妖精ディックのたたかい』の舞台が、近くのバーフォードにあるが、今回は訪問予定なしで残念。

● チェルテナムの町の中心部をぬけて行く。モンペリエ地域、クインズホテル、イムペリアル庭園など、大きなホテルが幾つもあるが、他の小さい町には、ホテルをつくらないようにしているという。

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