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1章-4 グランド・ホテルへ

飛行場から市内の中央駅まで電車で2駅だ。外はまぶしいほど明るく、空気は爽やかで暑いほど。超肥満体の女性を幾人も見かけた。

12分ほどで中央駅へ着いた。切符を買いさえすれば、パンチはなし、検札もなし、受け取る駅員もなし、ましてや切符を吸いこむ自動改札機もなし。ヨーロッパはどこでもそうらしいが、日本でも取り入れて見たら、巨額の 維持費、設備費が浮くのでは、と思った。ただ、無賃乗車の罰金は厳しく、高いし、抜き打ちの検札があるのだが・・。日本のあの満員電車で「検札」ができるはずはないなあ、とも思った。

中央駅は、東京駅のように、レンガ造りの重厚な建物だ。私たちの泊るグランド・ホテルは、駅から2~3分の近さだった。

4階の742号室に入ると、室内は豪華に見えたが、大きなが舞っていて、私はダニに噛まれた気配。その上、入浴すると、排水溝から水があふれ出し、浴室の床全体が水浸しになって、私のスリッパはずぶ濡れになった。すぐポーターが来てくれておさまったが、ガイドブックにも高級ホテルとして取り上げられている北欧のホテルがこうなのかと驚いた。1人1泊 16、000円。

宿から50mほどのところに「チボリ公園」があり、入り口が大変な混雑ぶりだった。夜中の12時まで開園している。明日は土曜日だから、午前1時まで開いていて、花火が上がるらしい。私は故郷の倉敷に、小型のチボリ公園ができていて、テレビでも宣伝されている、と聞いているので、本場のそれを見て帰るつもりでいる。

今日はまず「i」=(旅行案内所)を探して、情報集めをしようと出かけてみたが、4:30で閉っていた。

スーパーマーケットで夕食用に買い物したが、こういう時いつものように、幹彦は食べたくないと言い出して、私が適当に「リンゴ、サンドイッチ、ニンニクオリーブ・飲み物」を買う。100クローネ札を出すと、すべてコインでお釣りをくれたが、なんとデンマークには7種類のコインがあるのだ。
[20 / 10 / 5 / 2 / 1 / 0.5 / 0.25 クローネ] と。

ホテルの受付で「コペンハーゲン・カード」を1日分買った。310クローネ。これで、明日はバス・電車・美術館・チボリ公園など、すべて無料で入れるはず。受付の女の子が日付を間違えて「AUGUST 4」と入れてしまったらしく、私が部屋で夕食を食べていると、ドアをノックする音がして、「SEPTEMBER 4」に直した新しい券を届けてくれた。早いうちに気がついてくれてよかった。

幹彦はろくにサンドイッチは食べないまま、8時(日本時間で夜の3時)に床についた。13394歩、歩き回った1日だった。

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