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8章-(4) 姉の重大な話続き

アメリカのJhon D. Fitzgerald の”Papa Married a Woman”の本を、姉は説明 してくれた。

「これは作者 Jhon の両親の生涯を描いた実話なの。カトリック一族の父 Tom が、宗派の違うモルモン教の女性 Tena に会った時、この人こそ自分にとって、世界に独りの女性だとひとめ惚れして、彼女とその父母に結婚を 申し込むの。でも、18歳になれば結婚約束の幼なじみの Mark がいるからと、断られるの。

Mark はじきに、Tena が自分よりも Tom を男性として愛していることに気づいて、2人を結ぶ手助けをするのよ。この Mark も、心から彼女を愛している素晴らしい人なの。Tenaが幸せになれるためなら、何でもする、と言って、彼女が駆け落ちするのまで助け続けるの。

Tena が Tom に愛の告白の手紙を送り、18 歳前だけど、駆け落ちを決めて Tom と手配する。Tena の父親やモルモン教徒たちの追跡隊を逃れるため、大きなタルに Tena は隠れて、真っ昼間に馬車で逃げるの。

この時に、Tena の父親は、娘の服の端がタルの口に見えて、隠れてることに気づくのだけど、自分自身も妻との結婚時に、宗教の違いで反対されたことを思い出し、妻と深く愛し合って過ごして来たことを思い、追撃隊には黙って、駆け落ちを見逃してやるの。Tom たちは別の町で結婚して、作者の John たち兄妹弟が生まれ、父親 Tom は新聞記者として、モルモン教を根付かせることに,生涯をかける。

そんな Tom と Tena の死後に、残っていた遺品などを元に、息子の John が両親の結婚から亡くなるまでを描いた本なの。

Tom たちは生涯で、4回結婚式をし直すのよ。1回目は Tena が18歳になる前の非公式結婚。2回目は18を越えて、役所での結婚。Tena のために3回目はモルモン教徒式結婚。Tena は生まれた子たちに、夫のカトリックの教理と自分のモルモン教のと,両方を教えるの。そして、Tomは今際いまわの床で、Tom 家のカトリック式結婚式を挙げて、安らかに目を閉じる。本当に生涯深く愛し合い、相手を尊重しあった2人だったのよ。

ほらここに、Tom と Tena や一族の写真が載ってる。見て! Tom は無骨で いかつい男らしいハンサムな人、そして Tena はほっそりした小柄で美しい人でしょ。男の人なら、この人を守ってあげたいと思うだろうね。

Tom は Tena と結婚しても、ほんの数回しか会っていない2人だから、Tom は Tena が本当に自分に身を任せたい気持ちになるまで、彼女に触れずに待つの。そして、彼女が心から愛してる思いに駆られて,彼の腕に飛びこんで来た時に、初めて結ばれるの。この場面で、こんな男の人もいるんだ、と私、涙が止まらなかった。私もこんな人と結ばれたい、ってほんとにそう 思った。

ジェインがモルモン教徒だったから、この本を読んだのだけど、彼女の場合はかわいそうに、Tomみたいな相手じゃなかったのよ。

Tena のこの写真を見たとき、オリを思い出したの。Tena も巻き毛だし、 華奢だし、オリとは違う感じもあるけど・・。オリは、おつきあいしてる 人がいるなら、今私が話したことなど、よく考えて、しっかり心がまえしておいてね。自分の生理や身体のこともよく知っておくことね。一事的な気分に、流されないで・・。

私だって、彼とペッティングしてたら、その気になっちゃうこともある  けど・・」

「え? ペッティングって?」

「2人で身体をさわりあうの、大事なところも・・。でも妊娠するかもと 思うと、私は冷静になってる。だって、子どもを持つのは、自分が一人前になって、子を育てられるようになってからだと思ってるから。子どものままで、子を産むなんて、私はそうしたくないの・・ジェインみたいになりたくないもの」

ペッティングって、いちゃいちゃのことかも、と香織は初めて見えた気が した。

香織はお姉ちゃんの体験のすごさと、強い思いに呆然として、何も言え  なかった。

たしかに、Tom の写真を見た時、結城君を思い出してた。ちょっと感じは似てるけど、結城君の方がもっと男っぽくて、がっちりしてる。でも、おつきあいする時に、香織は自然のままにしていてはいけないのかな?どうふるまえばいいの? 香織の頭も心も、お姉ちゃんの指示に追いついていかないよ。

「おねえちゃん、この本貸して。私にはまだ読めないけど、ユウキ君に読んでもらおうかな」

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