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革の手縫いに使う糸

革の手縫いでは、“一本の糸”の両端に針を付けて、裏側、表側から交互に針を通して縫います。簡単に言えば、糸をクロスさせて縫うと言えば良いでしょうかね。
手縫いに使う糸には、麻糸(リネン/亜麻、ラミー/苧麻)、ナイロン糸、ポリエステル糸などの種類があります。
私はタンニン鞣しの革(イタリアンレザーなど)を使用していて、過去、いくつかの糸を試したのですが、少し硬い、少~し細い、ちょと太い、と感じ... 最終的に使ってみたワックスリネン糸は、それらの革の風合いにも馴染むのと、糸の太さも気に入って使っています。
なぜ、最終的になったか? それは…ある程度のm数があり、お値段もそれなりなのです。お試し用の10m巻きなんてのはありますが、それもお高い。(笑)


こちらが、メインに使用している糸です。

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Fil Au Chinois(フィル ・オ・シノワ)という名のフランス製の高品質なワックスリネン糸です。エルメスをはじめ、多くの高級メゾンやこだわりを持つ職人さん達に愛用されているモノです。
こちらの糸は既にワックス加工されていて、サラリとした質感に作られています。そのまま使用できますが、私の場合はこの糸に軽く蝋引きしてから使っています。糸の撚りの戻りを防ぐのと、ステッチが緩まないよう滑り止めです。

フィル ・オ・シノワという名称ですが、LIN CABLE(リンケーブル)と呼ぶ方もおられます。ラベルに印字されているからだとも思いますが... lin(リン)はフランス語で麻、つまりは麻糸ですね。麻糸といっても、ヨーロッパとアジアでは種類、質が違うとのこと。ヨーロッパのモノは“リネン(亜麻)”、アジアのモノは“ラミー(苧麻)”など。手芸などでも使われるなど、リネン糸、ラミー糸など区別されていますね。

私は、そのまま使える糸を使っていますが、ご自分で好みの色に麻糸を染められる方もいらっしゃいますし、蝋引きした後に熱で糸に蜜蝋を丁寧に溶かし込み使われる方もおられます。無ければ作る、一度やってみたいなと思いますが、“知識と時間と労力”かなり必要なようです。

使用革に糸を乗せてみました。革の色はターコイズ、糸の色名はpaon(孔雀)です。

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個人的なお気に入りの色は"brique"レンガ色です。

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道具と同じく、中国、香港、台湾などのレザークラフトツールメーカーも、フィル ・オ・シノワのようなワックス加工した品質の良い糸を生産されていて、日本でも数種類のアジアのメーカーの糸が取り扱い店で販売されています。
日本のミシン糸でポリエステルのビニモMBT(インボンド糸)という糸を持っていますが、最近、手縫い用に特化したMBT WAX(インボンド+蝋引き糸)が発売開始されたようです。

現在、使用している革との風合いがあっているのはリネン糸だと思っています。
なので、今のところ“リネン糸派”な私。


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