見出し画像

学校再開後、「体育」はどうなるか。

6月から首都圏でも本格的に学校が再開されました。

しかしながら、長期休校での学習の遅れを取り戻すことや、引き続き三密を避けて行動をしなければならないことから、「体育」や「音楽」などの教科には、今後も様々な影響があります。

具体的には以下の点が考えられます。

■体育への具体的な影響

①授業時間の削減(他教科への振り替え)

夏休みを短縮しただけでは、学習は追い付かない為、いわゆる「勉強」ではない体育や音楽などの教科は、他教科に振り替えられ、元々週2~3回はある体育が、週1回になったり、時期によっては体育が全く行われない週もあるかもしれません。

​実際にこんなニュースもありました。
↓↓

②行事の中止

感染リスクを低減する為、多くの地域で運動会や学芸会などの行事が中止されています。

③種目の制限(体育、音楽)

体育の授業では、「児童生徒が密集する運動」や「近距離で組み合ったり、接触したりする運動」に関しては、感染症対策を講じたとしても感染リスクが高いとされています。

よって、接触が多い球技(ボール運動)や器械運動、水泳などの種目は実施できたとしても、内容が大きく制限されます。

画像1

(※学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~より)

密集・密接の場面が想定される水泳の授業は既に多くの学校で中止が決定しています。

■中長期的な影響

これらは今後中長期的には子どもたちにどんな影響を与えるのでしょうか?
(※ここからは個人的な意見や予測も含みます。)

1.体力低下や運動の二極化の進行

子どもの体力低下や運動をする子・しない子の二極化は、コロナ以前から長年問題視されてきましたが、その要因とされる3つの間(空間・時間・仲間)の減少を今回のコロナが一時的に更に加速させています。

小見出しを追加

2.ストレスの増加

こちらは説明不要かもしれませんが、学ぶ内容を自分で選ぶことのできない学校教育の中で、宿題も含めて(与えられる)勉強の時間が増加し、発散する場が減少すれば、多くの子どもにとっては相当なストレスになるでしょう。

特に子どもたちには生理的な運動欲求があるため、心身の健康により大きく影響を与える可能性があります。

3.人間関係の希薄化

体育や音楽などの教科では、チームで一緒に身体を動かしたり、演奏をする機会があります。そこでは普段なかなか話せない子とも仲良くなれたり、みんなで何かを達成することで一体感が高まるなど、「クラスの人間関係づくり」にも大きな影響を与える機会があります。

そういったコミュニケーションツールとしての「体育」や「音楽」が少なくなれば、クラスの人間関係が希薄化することも考えられます。

※ただし、いままで体育や音楽の集団行動で嫌な思いをしてきた子も多くもいるので、「本来体育や音楽はどうあるべきか」という別の議題はあります。

※また、もちろんテクノロジーを使いこなせば、WEB上でも仲良くなれたり、様々な人・モノに出会うことが出来ますが、小学校の段階でその能力と環境がある子は少ないでしょう。

■解決策は分からないが、いまできることを淡々と。

上記の課題に対する解決策はすぐには分かりませんが、小さなことでも出来ることがあるのは確かです。ENGINEでは、学校向けに「体つくりカード」の提供を開始しました。

またこれをきっかけに、今後も学校と向き合いながら我々にできるアクションを淡々と進めていきます。その先に何か新しい解決策が待っているはずです。

(文:ENGINE本部事務局 櫻井)

***

■ENGINEとは?
ENGINEは小学校教育の可能性を見つめ直し、子どもたちや先生方に「新しいサービス」を開発するプロジェクトです。「人間教育」をテーマに、まず「体育」と「音楽」にて小学校との提携や開発が進んでいます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?