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英語のこぼれ話②(語順)

みなさん、こんにちは。

このnoteは、英文法の初歩についてわかりやすく解説することが
主な目的ですが、

こぼれ話として、英語の雑学や、多言語との比較についての記事も
載せていこうと思います。

ここはCafeですから、コーヒーやジュースなどを飲みながら、
息抜きとして読んでいただけたらと思います。

今回は、様々な言語の語順についてお話しします。


語順について




(1)日本語編

まずは、私たちにとってなじみのある、日本語の語順を見てみましょう。

日本語では、主語が省略されていることが多いですね。

たとえば、好きな人に好意を伝える時、日本語では
好きだよ。」と言うだけで伝わります。

(ああ、私に向かって「好きだよ。」と言ったこの人は
私のことを好きなんだな)
と、相手が理解してくれます。

第3回 主語って何?動詞って何?より

この、「好きだよ」を、あえて英語風に
主語目的語をはっきりさせて言うと、こうなります。

私はあなたを好きだよ。」

「私は」が主語S)で「あなたを」が目的語O)、
「好きだよ」が動詞V)ですね。

日本語の文では、基本的に「SOV」の語順になります。

「誰が(S) → 何を(O) → どうした(V)」ですね。


(2)韓国語編


では、日本語と文法が似ている韓国語はどうでしょうか。

韓国語でも、「好きだよ」にあたる、「사랑해.(サラゲ。)」だけで
「나는 당신을 사랑해.(私はあなたを愛してる。)」の意味だと
伝わります。

韓国語の語順は日本語とほぼ同じなので、
「主語(S) → 目的語(O) → 動詞(V)」の順になります。

ちなみに韓国では、「사랑해.(サラゲ。)」という言葉が
家族、友人などの間でもよく使われています。
恋愛以外の意味でもよく使われるんですね。

※ただし、「사랑해.(サラゲ。)」という言葉は「반말(パンマル)」
と言う「タメ口」なので、よほど親しい間柄か、目下の相手にしか
使えません。

日本以上に上下関係に厳しい韓国では、敬語にも様々な段階があり、
目上の人に対しては、「사랑해.(サラゲ`。)」とか、
「사랑합니다.(サランハムニダ。)」など、適切な敬語を
使う必要があります。


(3)英語編

英語で「好きだよ」と言いたいときは、
主語S)と目的語O)を明確にして、

I like you.
私はあなたが好きです

あるいは、

I love you.
私はあなたが大好きです。(愛しています。)

と言うのでしたね。

第7回でお話ししたように、
英語の文は

「誰が → どうした → 何を」の順、

つまり
「主語(S)→ 動詞(V) → 目的語(O)」の順になります。

「SOV」の順になる日本語や韓国語とは違いますね。

ちなみに、英語の「I love you.」も、恋愛の場面だけでなく
家族、友人などの間でもよく使われています。


(4)ドイツ語編


では、英語と文法が似ているドイツ語はどうでしょうか。

「私はあなたを愛しています」をドイツ語にすると、

Ich liebe dich.(イッヒ リーベ ディッヒ)

となります。

Ich(私)が主語S)で、liebe(愛する)が動詞V)、
dich(あなたを)が目的語O)です。

英語と同じく、「主語(S)→ 動詞(V) → 目的語(O)」の順ですね。


ところが!

ドイツ語では、次のような語順も可能なんです。

Dich liebe ich.
(他の人じゃなくて)あなたを愛してるんです。

なぜかというと、ドイツ語では、
動詞が2番目に来る」という鉄の掟(おきて)があり、
それさえ守れば、他の語の位置を入れ替えることができるんです。
(一定のルールはありますが。)


英語では、

You love I.
という風に、語順を入れ替えることはできません。

では、なぜドイツ語では可能なのか?

それは、ドイツ語には格変化(かくへんか)があるからです。

「あなた」はドイツ語で、「du(ドゥー)」といいます。
「あなた」になると、「dich(ディッヒ)」に変わります。

格変化のおかげで、語順が変わっても意味が通ります。

しかし英語では、「あなたは」も「あなたを」も
「you」 1つですよね。

なので、英語では語順を柔軟に変えられないんです。

※ちなみに、ドイツ語の「あなた」には2種類あります。
du」は親しい間柄の人に使う言葉で、
親しくない人に対しては、「Sie(ズィー)」を使います。




いかがでしたか?
今回は、他の言語も交えながら、語順についてお話ししました。

本当は、フランス語やイタリア語、中国語など、他にもたくさん
取り上げたい言語があったのですが、長くなりすぎるので、
今日はここまでにします。


世界には様々な言語があり、その中には語順が比較的ゆるやかな言語と、
語順に厳格なルールがある言語があります。

語順だけではなく、活用形や発音、文字など、
それぞれの言語にそれぞれの特徴がありますよね。


英語を学びながらも、他の言語にも時々目を向けることで、
英語や日本語に対する理解も深まりますよ。

もし、あなたにとって気になる言語があるならば、
英語と並行して学んでみてはいかがでしょうか?


次回は、名詞の単数と複数について解説します。
また読んでいただけたら嬉しいです。


みなさんのスキやフォローが
私の励みになっています。

最後まで読んでくださって、
ありがとうございました。


英文法学び直しCafe

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