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辞めたいのに辞められない

わたしは日系企業で働くワーママだ。
産育休を取得後に元いた部署へ復帰し、気がついたら入社10年を超えていた。

いわゆる大企業で、たぶんこれ以上ないってくらいに子持ちにとっては働きやすい環境だとおもう。制度もしっかりしているし、お給料も世間標準よりいいはずだ。周囲の人もとても優しい。

でも、

わたしは会社を辞めたい。

辞めたいのに辞められない。

それがとても苦しい。

リアルな人間関係ではなかなか話せないこの話題を、自分の心の整理のために今日は書きたいとおもう。

最初から感じていた違和感

わたしは新卒でとある日系大企業へ入社した。配属された部署はコーポレート部門だった。
詳しい仕事内容は割愛するが、外出することもなく、過去の事例や社内マニュアルをひたすら調べ、それに当てはめて物事を処理していくという仕事だった。
過去の事案や社内マニュアルを探しては読んでの繰り返しの毎日。外部の刺激はなく誰かが決めた過去の記録を読むだけの日々に、わたしは早々に「この仕事を何年もするなんて耐えられない」と思った。

同じ部署に配属された同期もきっとそう思っているはず、愚痴でも言い合おうと話しかけたところ「過去の資料を読むといろんな発見があって面白い」と言われ驚いた。こんなにも人によって感じ方ってちがうのか!と。

結局、いやだいやだと思っていて仕事が順調に進むわけもない。だんだんと慣れで仕事はこなせるようになったものの、人より抜きん出ることはない。
一方、仕事が面白いと答えた同期は、会社始まって以来の速さで、同期イチ出世した。

その後、割とはやくわたしは20代半ばで結婚する。
仕事にモヤモヤはするし、このまま働き続けることにまったくワクワクしない。でもせっかく高倍率で入った企業を辞めるなんてもったいないと思っていたし、周囲もそう言っていたから「転職」という発想がなかった。

まわりから評価され、どんどん大きな仕事を任されていく同期を横目に、わたしは「仕事よりプライベート重視の人生でいこう」とおもった。

ところがなかなか妊娠しない。
やっと妊娠したころには30歳を超えていた。

昔からみんながいいと思うものを選んできた

おもえば、わたしは大事な場面で「みんなの意見」で物事を決めてきた。

大学時代、入学してしばらく経ってから専門を選択することになっていた。わたしの興味があった専攻が少しマイナーだったことから、「この専門を選んだらできたばかりの友人たちに変な人って思われないかな」とくだらない不安が頭をよぎり、一番人気だった専門に変更した。

そんな気持ちで選んだ専門には興味が持てず、周りがどう思おうと、もともと興味のあった専門に進んだおけば良かったなとその後なんども思った(今思うと、過去を後悔するくらいならば選んだ専門を好きになる努力をすべきだったなとおもう)。

就職のときもそうだった。

軸が最後までぶれぶれで、とりあえず有名な企業を業種限らず受けた。そして内定を貰った中からいちばん就職人気ランキングが高い企業に就職した。「みんながいいって言ってるんだから、間違い無いだろう。」そんな人任せな決め方だった。

産育休中に自分と向き合う

こどもを産んで予想外だったのは、子育てがとてもとても楽しかったこと。
引きこもりの生活が苦にならないこともあり、一日中ひとりで考え事をしながらかわいい我が子のお世話だけをする生活は天国だった。

締切に追われることなく、プレッシャーを与えてくる人間もいない。神経を張り詰める必要のない生活。人によっては育児に対する捉え方はさまざまだとはわかっている。でも、もともとずぼらなわたしには、仕事より子育ての方がずっと向いていると感じた。

そして、学び直した英語は楽しくて仕方がない。
子育てもとびきり楽しい。

復職して元の職場で働くことは、本当にわたしの望むことなのだろうか?限りある時間の有効な使い方なのだろうか?なんども自問自答した。

でも、辞められない。
ただただ与えられた仕事をこなしていたわたしには大したスキルもなく、外でやっていける自信がない。
大したスキルがない子持ち30代女性が未経験職種に挑戦するには厳しい世の中だと、転職活動を開始して早々に気が付いた。

そもそもわたしは何がしたいのかが自分でわからなかった。
だから、辞めたくても会社を辞められないのだ。

こうして、現状を打破しようととにかくあがく日々が始まった。

転職サイトに登録してみたり、
職務経歴書を書いてスキルの棚卸しをしてみたり、
実際に面接を受けに行ってみたり、
コーチングを受けてみたり、
キャリアカウンセリングを受けてみたり、
自己分析本を何冊も読んでやってみたり、
Webマーケティングの講座に通ってみたり、
プログラミングを学んでみたり、
WordPressで親戚の会社ホームページを作ってみたり、
ボランティアに参加してみたり、
インターンに応募してみたり。

無駄に行動力のあるわたしは、思いつくまま行動してみた。こんなに自分のことで忙しくしてる育休中の人いないんじゃないかってくらい忙しかった。

いま

結局、「これだ!」と思えるものが見つけられずもとの職場に復職した。

ただ、自分が何を好きで、どんな生活が理想なのか、そこがクリアになったことで、会社に残ることのメリットにも気がつけた。だから少しだけ気持ちは晴れやかだ。
たとえば、「こどもを二人欲しいから、年齢的に二人目妊娠が最優先事項。もうひとり産むまでは元の会社に残った方がメリットが多い」「英語を学び直しているわたしにとって、英語を使うチャンスが多いことは魅力的」など。

相変わらず、「辞めたいのに辞められない」のマインドは健在だけど、育休中にあがいたことも少しは無駄ではなかったかな。

ふとTwitterで目にした野本響子さんの「日本人は『やめる練習』が足りてない」という本。「これわたしのこと〜!!」という強い衝撃を受けた。野本さんがサークルを募集していることを知り、やっぱりフットワーク軽いわたしはそのサークルに即日申し込み、参加させてもらえることになった。

https://www.amazon.co.jp/dp/4087210812/ref=cm_sw_r_cp_awdb_imm_FX95KFF6Y5JA8VF5Q3JK

サークルに参加して以来、サークルメンバーの記事を読み、自分の想いを文字に起こすことでまた気持ちの変化を感じている。

またそんな変化もnoteに書いていきたいなと思う。



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