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報告 母校文化祭ゲスト②

えんじろうは、この学校が母校で本当に良かったなあと思う1日を過ごして参りました。
今回はそんな母校で開かれた文化祭にゲスト出演させていただいたエピソードの、前回の記事の続きでございます。


出発は日の出前

キャリーとえんじろうの影

別にそうする必要はまったくないのですが、この日は自分がそうしたかったという理由で、早朝日の出前に家を出ました。まだ5時半前の空はまっくらで、怪しい男が白杖を突いてバカでかい荷物を背負い、キャリーも引きながらうごめいている。これはホラーか?

バスの車窓
バスの中の写真

バスに乗った頃には少し白けてきた空。ちょっと判りにくいですが、自分の席の周りは自分の荷物がバリケードのように囲んでいます。
朝一番のバスは最初は空いていましたが、駅につく頃には混んできました。こうなると他のお客さんに迷惑をかけないようになるべく荷物を引き寄せてみたりと、ちょっとソワソワしていました。やっぱり気が小さい。

初めての経路

東静岡ホーム
東静岡駅の看板

今回始めて降り立った東静岡駅。在校生の頃にはなかった駅です。ここから学校まで徒歩でゆくという挑戦も、自分で勝手に計画していました。まああの荷物で遠鉄バスより狭い静鉄バスに乗りたくなかったというのが大きいのですが。
何だかちょっと緊張します。

ナビとともに出発

駅構内

東静岡駅構内はとても広く、自分がどっちを向いているのかさっぱり判りませんでした。とりあえず駅員さんに南に向かう出口を教えてもらうと、ナビを頼りにしながら歩き始めました。
ナビが時々GPS信号を見失います。それでも大体方向は合っていたので、とにかく南に向かうぞ、ひたすら南だ。まだ南だろう?きっともう少し南なんじゃないかな?

ナビ「経路から外れたので、再検索します

そして迷子に

GPS信号が復活したかと思うと、目的地よりだいぶ南の位置に現在位置がヌーッと移動しました。結局目的地を行き過ぎて、更に周囲をぐるっと一周して本来と逆方向から校門に到着したようです(他人事)
担当の先生にご迷惑をかけてしまいました。これは笑ってないで反省材料ですね。

午前の発表の部

早朝に出発したのは、もうこの日どっぷり静盲まつりを味わうと心に決めていたからです。

午前中は児童生徒による発表の時間です。緊張しながらもその状況も楽しむような気持ちが、自分のあの頃の感覚でした。なんとそれが今はお仕事として続いているわけです。
同じ感覚を味わっているのかなあなどと思いながら、学校の今を生きる後輩のみんなの発表を耳にしていました。

会場の雰囲気
看板の写真

ステージの上には看板が釣られていました。そこには「引き継ごう 最高に楽しい 静盲まつり」と刻まれていました。この言葉を読んだとき、文字は先生方が書かれたのだと思いますが、この言葉は紛れもなく子どもたち自身から出てきた言葉に違いないと確信しました。こういう真っ直ぐな言葉の力はすごいですね。
これをスマホで拡大して読んだとき、身震いするような感動がありました。あの頃の自分も、きっと同じことを掲げると思ったからです。

プログラム

膝の上のプログラム

保護者の方々の席に混ざり、児童生徒の方々のステージを拝見していました。幼稚部・小学部・中学部・高等部と幅広い方々がそれぞれの経験を披露されてゆきます。

時代のスライド?

時代の違いを感じたのは、盲学校でも想像以上にスライドが多用されていることでした。当時はもっと口を使った解説が多かったと感じました。スライド的なものとしてはホワイトボードを使ったものはあったかも知れません。
一般のプレゼンに合わせて外から来た人が判りやすいようにそうしたのかも知れませんが、ここは視覚特別支援学校なのだから、もっと言葉から想像させるような解説をしても良いのではないかなとも感じました。

子どもたちのパワー

幼稚部や小学部の児童の発表は、明るく自由な雰囲気がとても懐かしく心地よく、その心を一生懸命誘導される先生方の姿を見て、当時の自分もあんな風に心の誘導をしてもらっていたんだなあと感じました。
こうして外側から見られるようになった分は、ちょっぴり成長したと言えるのかな?

しかし子どもたちのパワーはやっぱりすごい!拝見するだけでえんじろうまで元気とワクワク缶を与えてもらえました。

高学年とまとめ力

学年が上がってゆくと、やはり視野が広がるものなのだなあと感じました。色んな場面を広い範囲に捉えてものを考え、そこから学べることを見つけたりしてゆけるのがすごいなと思いました。
高学年になるに連れ、何かが遠ざかってゆくような気分さえあった当時の自分と比べ、とても立派に見えました(トホホ)

でも上級生が下級生を気遣ったり楽しませようとしたり、雰囲気を大切に考える様子も見て取れるシーンが有り、あーやっぱりそういうところは今も変わらず「静盲らしい雰囲気」のように思えてとっても嬉しくなりました。

マッサージ体験

高等部の方々はマッサージ体験を提供しておられました。なぜか自分までその体験できるメンバーに組み込んでいただいており、先輩としてマッサージを受けるという妙な状況に。後輩と言っても年齢は自分の方が後輩で、何だか恥ずかしいような申し訳ないような複雑な気分でした。
しかし人生をかけて学校に通う事を決意され、実技と勉学に励んでおられる方々です。真剣だなあという雰囲気を何より強く感じました。一度社会に出られているからでしょうか?真剣で丁寧な姿が、マッサージにもそのまま現れているようで、なぜだか僕は心がシャキッとしました。

演奏前なのでウォーミングアップに相当するような軽めの施術をしてもらい、去り際に生意気にもちょっとだけアドバイスさせていただきました。現役を退いたやつの意見ですが、何かのヒントにしてもらえたら嬉しいなと思いました。

いよいよ準備

本番前の音響
ステージ全体像

お昼から約1時間ほど、準備にあてられる時間をいただいていました。
ひとつでも心配事を無くすために用意してきた機材類を出し、いよいよ自分の環境づくりです。
担当の先生に手を貸していただきながら、学校の音響機材と接続しマッチングを進めてゆきます。ここで前回書いた僕のミス。運搬中にノブが動いてしまっていたことに気が付かず、その確認を怠って作業を進めてしまいました。自分にはミスはないと思い込んで、学校側の機材設定ばかりに気を配ってしまいました。
しばらくしてこれに気がつけたので事なきを得たのですが、思い込みは恐怖ですね。学習しました。

そして「相手を疑う前にまず自分を疑え」というありがたい教訓を思いつきました。かくしてステージ準備は完了。
この段階で「自分がお客様を迎えるこの場の主」という気持ちに慣れているかどうかで、ステージの質が変わるというのが、最近思うことです。よく「この場を預かる」という言い回しがありますが、あれは本当にこの心境を示しているのかも知れないって思います。

というわけで、またまた長くなってまいりましたので、この続きはまた次回の記事に回すことにします。もうここまで読んだら続きも読むしかないですよね(謎の押し)というわけで、次回も読んでいただけると嬉しいです。

いちばん大事な部分を含んでいるラスト記事を、どうぞお楽しみに。



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