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26歳、脱サラして…連連

3月までは、いわゆる王道レールを走るトロッコに乗せてもらってゴトゴトと生きてきた。
今春、創作(主に漫画)に専念するため、自主的にトロッコを降りました。

資金も貯まったことですし…などとブツブツ呟きながら線路脇の安全地帯に降り立ち、乗ってきたトロッコを見送った後、腕まくりして新しいトロッコをトンテンカンテン組み立てて、地道にレールを敷いていくようなもんだろうと。
なんや、やれそうやんけ!おじいの魂ついてらア!と高を括っていた…

誤算でした。

トロッコを降車というより、落馬ならぬ落車。
安全地帯どころか線路脇という概念も、そもそも足場自体が存在せず斜面を転げ落ちる身体。
颯爽と去るトロッコ尻目に…そらそうか!

泥まみれの顔を上げれば無限のフィールド。Minecraftのあの行けども行けども感そのもの。
広がるのは山と川底知れぬ谷サルの鳴き声鳥のさえずり木々のざわめきクリーパー
ふと見ゆ噴火口。落ちたらIKKAN NO OWARIでしょうかね。

いえ、ここまでは現実を受け入れられました。自然大好き。キャンプ歴長いし…

違う、そうじゃない。
肩書がない(知ってた!)
独立基盤を整えようがなんだろうが、無職は無職。
何者でもない者。いずれは知らん、今のところは…これが想像以上にキツい。

人は簡単に弱ります。
仕事を辞めて身に堪えるのは一番心配していた金銭面でなく、圧倒的に精神面です。


正社員という名の安定を捨てて早4ヶ月。
やっとの思いで木を切り倒し、切り株に腰かけ無心でやったことといえば

  • 般若心経サンスクリット語原典の写経 → 仏教哲学の深淵に触れ救われる

  • 曼荼羅と見つめ合う → はやる心鎮まる

  • 科学者・数学者の随筆を読み漁る → 理系への憧憬を供養

  • プログラミング → 幾分気が紛れる

  • 四半世紀を振り返る → やりたくなくてもやってしまう

院進学を考えつつ、社会勉強のため教育関係の企業に新卒入社。子どもたちに国語を教えるつもりが蓋を開ければ採用研修担当。
現場に立ったこともない若造が歳も変わらない後輩にノウハウを授けるという歪な構図。経験則からものを伝えたい人間には苦行でした。
苦しんだ分、学ぶことも多かったとあの日々を肯定しておきたい。プレゼン力など…この先活きればよいのですが。

教育業界の現実に直面する日々。
子どもたちと接するにあたって熱心な教育者は多いけれども、学問へのリスペクトを感じられない人、美しいとまでは言わずとも「正しい日本語」を書けない人のあまりに多いこと!
危機感を感じました。もっと根本から日本人の精神を、感性を磨かなければ、真の意味でこの国を守ることなんて出来やしないのではないかと。

では私に一体何ができる?
何のために学んできたのか?
何を社会へ還元できるのか?

やはり表現しかないと確信してからというもの、学べば学ぶほど、創れば創るほど無知を知るばかり。
それでも懲りもせず落涙しつつもがくわりに、所詮はアノニマスの民。
心の底では引け目を感じていて、今は友人知人にとても合わせられる顔がありません。連絡もろくに返せないまま…申し訳のない限りです。

休息を経て失った感性は取り戻しつつあります。
それと引き換えに奈落の底まで落ちきった社会性を、ここから少しずつ奮い起こさなくては。


講談社のアフタヌーン四季賞、出せたはいいけどどうなることやら。結果がどうあれブレないよう描き続けるのみですがね。
ひとまず活動拠点としてポートフォリオサイトをゼロから作っております。今年中に形にすべく。

漫画、絵、天文、SF、芸術理論、フランス語、英語、教育、ジャズ、数学、漢検準一級、禅、密教、東洋美、退職、読書三昧、シュールギャグ

「あんたにはみうらじゅんになってほしい」…母の願い(?)

ここからの人生、これらすべての伏線回収に入ったと思ってワンレン&グラサンでジャングルをかき分けてゆく覚悟です。
創ること止めず、学ぶこと止めず。
木静かならんと欲すれども風止まず。
旅路で深手を負ったとて、おそらくそういうもんでしょう。

どなたが読んでくだすっているか判りかねますが、肩書に関わらず一緒にめげずに冒険しましょう。
私はまだまだ空元気ですが、いつかあのときの「トロッコ落車」が功を奏したわなと豪快に笑えますよう。

時節若至
行住坐臥
諸悪莫作
身心脱落

現場からは以上です。合掌。


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