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極私的憲法改正論(改正反対派だけど)

私自身は憲法改正反対派です。
以前から言うように、今の政治家たち(自民党だけではないよ)の知識、質で改憲してほしくないし、それで改憲云々してほしくないというのも大きい。もちろん自民党の改憲草案がひどいのも含めてだけど(どんな気分であの草案を作ったのか、心理学的に興味あるな)。
で、今回は今の憲法の状況を自分なりに解釈しつつ、自分の願望を書いてみた。

とりあえず、国民的な論議の前提としては、自民党は結党以来ずっと自主憲法を作ることを党是にしてる、ってことくらいは共通認識でないとねぇと思う。

参院選の有権者へのアンケートなんかでも、有権者の主な関心は経済と社会保障なので、そちらについては自民党に期待する、ってのが優先してるとして、じゃあ憲法はとなったときに、現段階で経済政策は支持するけど、憲法改正の話が正面に出てきたら、やっぱり反対するという人はそこそこいるだろうし、それが議会で2/3議席を取ったとして改憲発議までもっていけても、国民の信任は得られないだろうという危惧として自民党には根強くあるだろう(というか、ないと困る)。

まぁ、自民党自体が長年護憲派をずっと抱えてた段階でそりゃどうなんや、という存在だったわけだけれど、一方で社会党と共産党が護憲派になってるってのも十分不思議な捻れ方をしてるってことはもっと認識されていいはず。だから、護憲だからという単純な理由で社共支持の人はどうなんよ、というきもする。

だから理想的には、経済、社会保障的に自民、反自民、憲法や安全保障に関しても自民、反自民でせめて四択に政党がわかれていてくれればいいのにね、、、そうなってないから、きっと選ぶ方も困るし、選ばれた方も勘違いしやすいのだろう(もしくはなんとかなるとおもってしまう)。

憲法改正については、やはり要点は第9条を改正できるかどうかだろうけど、第9条維持側が安全保障法案も絡めて、日本は戦争に巻き込まれる、という形で反対を主張しても、改正したい側も日本の安全性を高めるため戦争しないため、って言い張るから、いまいち訴求力が弱いんじゃないかと感じる。

そもそも長年、自衛隊は違憲か合憲かで、もめ続けて来ていて、解釈で逃げてきたわけでしょう。
政権側も解釈として、自衛隊はどの国も持つ自衛権のための合法的な防衛組織だ、と言って憲法から逸脱してないと言い訳してたところで、より活動をフレキシブルにする(理由としては平和のために)ために改正したいと思っても、今まで解釈で合憲だと言ってたんじゃ、合憲なら変えなくていいじゃん、って言われかねない(し、言っていいと思う)。
ここで突然、やっぱり自衛隊は違憲だったので、合憲な組織として定義するために改正します、なんて言ったら、じゃあ今まではなんやったんや!って突っ込まれるしね。。。

一方で自衛隊を違憲だという側も、違憲なら即時廃止なのか、という問題は抱え続けてるし。最近の共産党のように、違憲だけど容認しつつ縮小を目指す、は、ギリギリな言い訳なのだろう。

個人的な意見としては、憲法第9条の改正を議論するなら、どんなに非難されようとも、改正したい側は自衛隊は違憲だと宣言し直して、それを合憲化して憲法上でも自衛に必要な組織(軍隊というかどうかはおいといて)として定義し直したいので改正します、と言わなきゃいけないと思う。
改正しない側には2パターンありうる。
1つは、上でも述べたような従来の自民党のように、自衛権は国が持っていてそのための組織なので憲法には抵触しないので、自衛隊を合憲なまま存続する、第9条も改正しないというパターン。
もう1つは、自衛隊は違憲だし、第9条も改正しないというパターン。この場合は、じゃあ違憲な組織である自衛隊をどう定義するか、これから先どうするかを明言しないといけない。

つまりは政権や自民党は改正したいなら、違憲論があるのではっきりしたい、なんて奥歯に物の挟まった言い方でなく、違憲だと宣言しなおさなくちゃいけないし、社共のような違憲派は、じゃあ改正しないにしても自衛隊を将来どうするか明確なことは常に言わなくちゃいけない。その点で、そもそも両者ともまだ不十分だと考える。
というか、そのくらいはっきりしてくれないと国民だって考えられない、判断できないでしょ。

で、これらの元凶は結局は日本がアメリカの傘下で平和を貪っている間、怠惰に過ごしたことに尽きるのだろう。
平和憲法を護持する、というスローガンがあったにしても、そこでなぜ守るべきかを省略して、平和、平和と呪文のように言えば平和続くかのようにしてしまった問題点はとても大きい。おそらく憲法改正反対派にもとにかく変えちゃいけない、という理屈も何もない信仰のような人々が多いことは最終的にすごく問題になると思う。もう脊髄反射のようにアンタッチャブルな存在に憲法をした問題点はいくら指摘してもしたらないだろう。もう宗教の経典だよね、これじゃ。

その点、日本は反核と平和を自分たち国内で集まって唱えていればなんとかなる宗教と化してしまい、国際的に核廃絶にも軍縮にも大きな役割を果たしてこなかった(それこそ中国が大国化する前に、日本が核被害国、侵略国両方うの立場を兼ね備えているという点を利用して国際的に大きな存在感を発揮するチャンスを潰した)ツケが今溜まって露呈してるとしか思えない。

安全保障法案では、外国で自衛隊が戦闘に参加する羽目になり人を殺すかも、そして殺されるかも、という点がクローズアップされるけど、本質的にはこの先20年間ほど(だと私は思っている)に大国化して海洋覇権を狙う中国と徐々に弱体化するアメリカという間において、日本が安全保障をどうするか、を明確に示す部分にあるんだろう。
沖縄でアメリカ軍の民間人への犯罪が問題になるたび、沖縄の人々の怒り、そして日米地位協定、そして米軍基地問題としての縮小、廃止が問題として出てくるけど、じゃあ、アメリカが弱体したら日本はどうするのかについては、沖縄に限らず本土側だって明確に示せないってのは情けないことなんじゃないのかしらん(言いたくないんでしょうけど)。でもそれを言わないで放置して、ほんとにアメリカが弱体化したら、絶対、日本も核装備した方がいい、と思う人が劇的に増えるだろうと思う。そのリスクを政治家も国民もどう考えてるんだろうか気になる。

個人的な勝手な未来予測では、2017年に中国の人民大会でトップ集団の半分が入れ替わり、韓国で大統領が変わり、アメリカクリントン大統領になれば、少しアジアは安定する(習近平政権の弱体化も含め)と思ってたけど、微妙な状況ではあるよね。それで2035年くらいまでごまかしていければなんだけどな。。。

いずれにせよ、日本は今更遅いかもしれないけれど、外交的には核廃絶や軍縮における大きな役割を担う国を目指してほしい。それはアメリカ弱体化するにも、その傘下から少しでも離れたいにも、中国が強大化するのを牽制するにも、絶対的に必要な条件のはず。
その路線上においては、憲法が改正されてたとえば自衛隊が合憲化されても縮小に進むという道筋での可能性があると思う。

でも、はっきりいってそこが一番期待できないのが困ったものだと思う。。。

で、憲法改正反対と思ってる自分としては、改正反対派の人は、日本国憲法にノーベル賞をとか、とにかく平和憲法は貴重、みたいな、どこかの棚に飾ってありがたがる存在にすればよい、みたいなことに血道をあげるのはやめて、もっと実質的に改正せずにすむことを考えてもらいたいものだと思う。。。

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