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【採用担当ウラ話】カロリーメイトの思い出

私がある企業の人事部で採用担当だったころの話である。

まだコロナ禍前で、新卒採用の合同企業説明会(いわゆる合説)が毎週のように開催されていた。とある合説の担当になった私は、カロリーメイトを買って合説会場に向かった。

合説では1時間程度の昼休みがスケジュールされているものの、就活生から質問を受けたりしていると、あっという間に昼休みが終わってしまうため、会場の近くにランチに行っている時間などないためである(ちなみに大手就活ナビ会社主催の合説ではお弁当がつくことが多い)。

予想どおり、昼食の時間がわずかしか取れなかったため、買っていったカロリーメイトを静かに口に運んでいた。隣のブースは大塚製薬だ。「そういえばカロリーメイトって大塚製薬だったな」と思っていると、大塚製薬のブースの机にはなんと、配布用のカロリーメイトが山積みされているではないか。そして就活生が次々に手にしていく光景があった。

私は心の中で慌てて叫んだ。「私が口にしているカロリーメイト、大塚製薬のブースから持ってきたわけではない…」。

誤解を受けていないか心配して気恥ずかしい思いをしている間にも、次の会社説明セッションの開始時間が近づく。

進もう、すべてを栄養にして」と、カロリーメイトのキャッチコピーのように思ったかどうか定かではないが、「みなさん、こんにちは。株式会社○○の…」と会社説明を始めたのだった。


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